市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
BIO200LA(その他の総合生物・生物学 / Biology 200)教養生物学LAGeneral Biology LA
異なる細胞が合体して真核細胞が誕生し、さらに進化する
野﨑 久義Hisayoshi NOZAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | Q3231 |
旧授業コードPrevious Class code | P3065 |
旧科目名Previous Class title | 生命科学Ⅱ |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月4/Mon.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市G‐G403 |
配当年次Grade | 法文営国環キ1~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 200番台 リベラルアーツ科目 3群(自然分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
【Course outline】
Although we often speak of "organisms" from bacteria to humans, their cellular structures are fundamentally different: bacteria do not have mitochondria in their cells. Furthermore, unlike animals such as humans, plants have chloroplasts in their cells. The purpose of this lecture is to understand that these intracellular organelles originate from “ancient endosymbiosis”, which was established by the union of different organisms from 1 to 2 billion years ago. For this purpose, it is necessary to understand the diversity of organisms that currently exist on the earth, as well as the morphology inside the cell and the state and distribution of the genetic material DNA. We will also understand the unique DNA and mode of inheritance of the organelles. The cells that make up our own bodies have a history of "intracellular symbiosis" with bacteria from 1 to 2 billion years ago. Furthermore, the students should understand that the descendants of those bacteria still live as organelles in our cells, which can be observed under a microscope, and that the origin of the organelles can be traced by phylogenetic analysis of their DNA. From time to time, we will also introduce results of Nozaki’s original research.
【Learning Objectives】
To understand how the diversity of organisms on earth can be classified by the basic characteristics of their intracellular organelles, how the mitochondria and chloroplasts of organelles came into being in "intracellular symbiosis," what mode of inheritance mitochondria and chloroplasts have, and how the DNA of organelles can be phylogenetically analyzed to find their origin. The students will also understand that further intracellular symbiosis has occurred since then and that cells have evolved and diversified greatly, and that new intracellular symbiosis is still occurring and the cells of living organisms are evolving moment by moment. Students will deepen their understanding of the cell, the smallest unit of life, and its diversity and evolutionary history. In addition, DNA and genome information on living organisms on the earth is currently available free of charge via the Internet, and students will learn about methods for obtaining this information and conducting phylogenetic analysis.
【Learning activities outside of classroom】The standard preparation and review time for this class is 2 hours each. Materials to be used in class will be presented in the "Teaching Materials" section of the Learning Support System in advance, so students are expected to prepare well in advance. Students are expected to review the contents of the class and answer the assignments given in the class without making mistakes. Please spend at least 4 hours per class on preparation and review.
【Grading Criteria /Policy】
An assignment/inquiry will be given after each class, and grading will be based on the evaluation score of 12-14 assignments, each assignment is worth 10 points, and the total score for 12-14 assignments is 120-140 points.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
バクテリアからヒトまで「生物」とよく言うが、両者の細胞構造は基本的に異なり、バクテリアではミトコンドリアが細胞中にない。更に植物はヒトのような動物とは異なり、細胞の中に光合成を行う葉緑体をもつ。この授業では、このような「真核細胞」内のオルガネラが「細胞内共生」という異なる生物の合体で誕生し、多様化していることの理解を目的とする。このためには現在地球上に存在する生物の多様性と細胞内部の構造と遺伝物質DNAの存在状態を理解する必要がある。また、オルガネラ(ミトコンドリアと葉緑体)が持つ独自のDNAとその遺伝様式を理解する。自分の体を構成する細胞に10-20億年前のバクテリアの「細胞内共生」という歴史がある。さらにそのバクテリアの末裔が現在でも細胞内のオルガネラとして生きていて、顕微鏡で観察することができ、オルガネラのDNAを系統解析することでその生い立ちを辿ることができることを理解してもらいたい。随時、関連する野崎の研究内容も紹介する。
到達目標Goal
地球上に存在する多様な生物が細胞内のオルガネラのどのような基本的特徴でどのように分類されるか、オルガネラのミトコンドリアと葉緑体が「細胞内共生」で誕生したことがどのようにして分かるか、ミトコンドリアと葉緑体はどのような様式で遺伝するか、オルガネラのDNAをどのように系統解析してそれらの起源が探れるかを理解する。ミトコンドリアと葉緑体の細胞内共生による誕生は10-20億年前と言われているが、それから現在に至るまでに更なる細胞内共生が起きて細胞が大きく進化・多様化していること、現在でも新しい細胞内共生が起きていて生物の細胞が刻々と進化していることも理解する。生命の最小単位である細胞について、その多様性と進化史的について、理解を深める。また、現在地球上の生物のDNA・ゲノム情報はインターネットを通じて無償で入手することができ、これらの情報にアクセスする手法についても学ぶ。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP2、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本的に講義室でオンサイト(対面)の授業を進める。随時、質疑応答を行い、学生諸君が積極的に授業に参加できるようにする。授業の最後に課題を出し、授業内容理解の向上を目指す。課題と同時に授業に関する質問やコメントの提出を求める。
課題、質問、コメント等に対するフィードバックは次回の授業で行う。毎回の講義内容が積み重なって新しい講義が理解できるように進めるので、復習をよくやって下さい。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:生物学における基本的な3学説の紹介
細胞説、遺伝学説、進化学説についてそれらの基本と歴史を解説する。
2[対面/face to face]:細胞の基本的な特徴と多様性および進化
生物の多様性と進化を細胞の基本的な特徴から解説する。
3[対面/face to face]:生物全体の多様性と分類
生物と呼ばれているものの多様性と大まかな分類の概要と歴史を解説する。
4[対面/face to face]:細胞内共生説: 異なる起源の細胞が合体して新たなる細胞が誕生する
異なる起源の細胞が合体して我々ヒトのような生物の細胞(真核細胞)が誕生したという「細胞内共生説」について解説する。
5[対面/face to face]:細胞内共生による動物や植物の細胞の起源
動物や植物の細胞内に存在するミトコンドリアと葉緑体は太古(10-20 億年前)に起きた細胞内共生に起源すると考えられている。これらを解説する。
6[対面/face to face]:細胞内に残存する太古の細胞内共生の構造的痕跡
細胞内共生を細胞内の構造から理解する。
7[対面/face to face]:細胞内共生の証拠としてのオルガネラ(ミトコンドリアと葉緑体)DNA
オルガネラ(ミトコンドリアと葉緑体)のDNAについて解説する。
8[対面/face to face]:ミトコンドリアと葉緑体のDNAの遺伝
メンデルの法則とは異なるミトコンドリアと葉緑体のDNAの遺伝様式について解説する。
9[対面/face to face]:オルガネラの起源をDNAから探る
オルガネラの起源のDNAからの推定について説明する。
10[対面/face to face]:細胞内共生したオルガネラの起源の生物のDNAは宿主細胞(ホスト)に奪われてゆく
細胞内共生の結果誕生したオルガネラのDNAはホストの核に移動してゆく「細胞内共生遺伝子水平伝達」という現象があり、これを説明し、系統解析から理解してもらう。
11[対面/face to face]:くり返して起きた細胞内共生
植物細胞で見られる葉緑体の2回目の細胞内共生は「二次共生」といい、その結果誕生した「二次植物」について解説する。
12[対面/face to face]:ミドリムシは昔紅かった
単細胞生物のミドリムシが昔は紅かったという仮説を細胞内共生から解説します。
13[対面/face to face]:現在でも進行する細胞内共生1:他人の細胞内で生きる細菌
オルガネラではないが、動植物(真核生物)の細胞内に住み着いているバクテリア「細胞内共生細菌」について紹介する。
14[対面/face to face]:現在でも進行する細胞内共生2:ホスト側からの捕獲
光合成する植物細胞を食べることで自分の体に入れて光合成させる単細胞生物や海産動物を紹介します。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。授業で使う資料を学習支援システムの教材欄に事前に提示するので、十分予習すること。授業内で示した課題は、授業内容を十分復習して間違えの無いように解答すること。予習復習には1回の授業につき4時間以上かけて下さい。
テキスト(教科書)Textbooks
特定の教科書は使用しない。
参考書References
参考書は必要に応じて学習支援システムを通じて提示します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業中に課題を出します。10-13 回の課題の評価点で成績評価を行う(100%)。1 回の課題は10 点満点とし、10-13 回分を合計して120-140 点満点で評価点となる。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
板書の文字を大きくして下さい、講義の進行が速くてついてゆけないとの意見が目立ったので、なるべく大きな文字で書いてゆっくりと講義は進行する予定である。従って、シラバスに記載した内容全部が講義で実施できない場合がある。また、学生も講義についていけるようにしっかりと復習をして欲しい。
講義中の私語が原因で講義の習得が妨害されるので、注意して欲しいとの意見がかなりあった。こちらも注意するが、学生自身が自覚を持って講義に臨んで欲しい。
講義内容が理解できない場合や質問は講義中、講義の前後に直接野崎に問いかけて下さい。後から「わからない」とレポートで書かれても困ります。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にないが、インターネットが可能なPCがあるとゲノム・遺伝子情報に直接アクセスしやすいです。
その他の重要事項Others
本講義は理科、特に生物学の最新の知識と方法論を体験した文系の若手を育成することを目的としています。高校レベルの生物学の知識を前提としていますので、現在までに生物学を学習・習得したことのない場合は事前に高校生物の「細胞、遺伝、進化、DNA、タンパク質」等を自分で予習する必要があります。
授業中の私語は他の学生の受講を阻害するので厳禁である。