市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
CUA200LA(文化人類学・民俗学 / Cultural anthropology 200)文化人類学LCultural Anthropology L
妖怪・怪異と存在論的転回
廣田 龍平Ryuhei HIROTA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | Q2396 |
旧授業コードPrevious Class code | P2186 |
旧科目名Previous Class title | 文化人類学Ⅱ |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火5/Tue.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y606 |
配当年次Grade | 法文営国環キ1~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 200番台 リベラルアーツ科目 2群(社会分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
This course introduces the ontological turn in cultural anthropology to students taking this course. In doing so, this course takes cases primarily from relationships of human with nonhuman beings around the world, especially with ghosts and mysterious beings in Japan (so-called yōkai).
By the end of the course, students should be abe to do the followings:
-A. Understanding other cultures by applying concepts and theories of contemporary anthropology.
-B. Explaining various representations of nonhuman beings in popular culture as well as your personal experiences through anthropological concepts.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Your overall grade in the class will be decided based on the following:
Term-end paper: 40%、Short reports : 60%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では、現代の文化人類学において重要な潮流の一つである、いわゆる「存在論的転回」について、妖怪・怪異や幽霊などの非日常的な存在と人間との関係性をとおして学んでいきます。私たちが生きる現代社会は、自然と文化、知識と信念、合理性と非合理性など、物事にさまざまな区分をすることによって成り立っていますが、世界には、そのような区分とは大きく違ったかたちで自分たちの環境を生きている人々の社会もあります(アニミズムなど)。この授業では、日本に限らず、妖怪や幽霊など現代社会では実在しないとされるものの事例をとおして、世界のさまざまな生き方を学んでいきます。
到達目標Goal
現代の文化人類学で展開しているさまざまな理論や概念を学ぶことにより、異文化のみならず自文化についても基礎的なレベルから理解する方法を身につける。さらに、妖怪や幽霊など、実在しないとされる対象がどのように扱われているのかを学ぶことにより、大衆文化の表象や身近な経験について、文化人類学的な側面から表現できるようになることを目指す。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP3、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
毎回の授業は、パワーポイントのスライド資料にもとづく講義形式で実施する。各回授業ごとにテーマを設定し、必要に応じて映像資料なども交えながら関連する方法論と事例を解説していく。
毎回、授業終了後に短いコメントをHoppiiに提出してもらう。コメントは、次回授業の冒頭でいくつかを取り上げてフィードバックをおこなう。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:日本の妖怪研究史①
1970年代までの妖怪研究について学ぶ。
2[対面/face to face]:日本の妖怪研究史②
1980年代から2020年代までの妖怪研究について学ぶ。
3[対面/face to face]:アニミズムと化ける動物たち
異類婚姻譚や妖狐譚など、生き物が人間に変身する話を、アニミズム理論を用い、世界的な視野から理解する。
4[対面/face to face]:トーテミズムと動物の祖先
オーストラリア先住民にとっての、人間と人間以外の存在との関係のあり方を学ぶ。
5[対面/face to face]:アナロジズムと万物照応の世界
古代・中世のヨーロッパや日本などの社会で、権力が占いや怪異と結びついていた実態を説明する。
6[対面/face to face]:自然と文化からハイブリッドへ
文化人類学の基礎にある「自然と文化」という二分法の成り立ちや、それに対する批判を解説する。
7[対面/face to face]:アクターネットワーク理論
存在論的転回にとって重要な理論を学ぶ。
8[対面/face to face]:科学と俗信と民俗学
アクターネットワーク理論などを用い、科学と俗信の関係や、俗信を研究してきた民俗学的実践を理解する。
9[対面/face to face]:都市伝説と学校の怪談
20世紀後半の日本やアメリカの都市社会における妖怪や怪異の展開を学ぶ。
10[対面/face to face]:ネットロアとクリーピーパスタ
21世紀、インターネットの時代におけるグローバルな妖怪や怪異のあり方を学ぶ。
11[対面/face to face]:比較妖怪学
これまでの授業を踏まえ、日本の妖怪を中心として、国外の怪物や妖精と比較する人類学的視点を説明する。
12[対面/face to face]:心霊主義と超常現象
近現代の妖怪・怪異を支えてきた思想が非近代的なものとどのように違うのかを理解する。
13[対面/face to face]:合理性と非合理性、文明と未開、自己と他者
妖怪を語るとき使われる合理性と非合理性という二分法を考え直していく。
14[対面/face to face]:全体のまとめ
存在論的転回と妖怪の関係についてまとめる。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
授業では見なれない考え方が多く登場するので、授業外でも、まずは自分がどのように世界を認識していたのかを考え、授業中に紹介した事例に加えて、聞いたことのある神話伝説や妖怪・怪異などと比べることをとおして、これまで知らなかった世界の認識方法や生き方を理解すること。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しません。毎回の授業で関連する文献を紹介するので、各自の関心に合わせて読み進めてください。
参考書References
フィリップ・デスコラ 2020年『自然と文化を越えて』水声社
ブリュノ・ラトゥール 2019年『社会的なものを組み直す』法政大学出版局
マイケル・ディラン・フォスター 2017年『日本妖怪考』森話社
香川雅信 2022年『日本妖怪史』河出書房新社
廣田龍平 2023年『〈怪奇的で不思議なもの〉の人類学』青土社
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回提出するレポート(60%)
期末レポート(40%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
概念や理論を中心とした、抽象的な解説が多くなり、難易度が高くなっていたため、もう少し具体的事例を増やした講義内容にする。