市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
HIS100LA(史学 / History 100)日本史ⅡJapanese History II
小口 雅史Masashi OGUCHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | Q1204 |
旧授業コードPrevious Class code | P1174 |
旧科目名Previous Class title | 日本史Ⅱ |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y802 |
配当年次Grade | 法文営国環キ1~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 100番台 基盤科目 1群(人文分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Course outline : In this lesson, we will examine from the birth of Japan to the modern society from various aspects such as politics, diplomacy, social economy, culture.
Learning Objectives : we will introduce specific methods to acquire the ability to "think" rather than "remember" the "history". In some cases, I also ask students opinions on interpretation of historical materials.
Learning activities outside of classroom : Before each class meeting, students will be expected to spend 30 minutes to understand the course content. After each class meeting, students will be expected to spend 20 minutes to understand the course content.
Grading Criteria /Policies : Final grade will be calculated according to the following process term-end examination (95%), and in-class contribution (5%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
歴史学は「現在と過去との対話」だと言われています。現代社会を理解し、その未来を展望するためには、過去の歩みの正しい理解が必要となります。
近年、日本史の見直しが盛んになり、「歴史は北から」をキャッチフレーズとした日本北方史の解明が急速に進んでいます。これまで陽の当たらなかった北方世界に、中央とはかなり異なる「もう一つの日本」の歴史があったことが明らかにされつつあり、より豊かな日本史像が提供されるようになりました。この講義では、蝦夷(エミシからエゾへ)・防御性集落・安藤氏といった北の世界の主人公たちを素材に、最新の日本史研究の成果を提供します。
これらは現代世界の基盤の一つになったものです。みなさんは、歴史の見方、歴史の流れを総体的・論理的にとらえ、現代との対話ができるようになる方法を取得することを目標に頑張ってください。
到達目標Goal
暗記主体の高校までの日本史とは異なって、大学の日本史は、「歴史を考える」ことを目指します。そのことは、例えば中学校・高等学校で日本史を教える立場にたったときにも重要です。「歴史を考える」時に、必要となる知識の習得と歴史的事実の調べ方、その全体像の論理的構成方法を学ぶことになります。高校で学んだ教科書の記述がどのように成り立っているのか、その根拠になった学説にまで遡って根拠史料を踏まえて解説していきます。もはや、高校生のようにひたすら暗記することは必要ありません。なぜその時点で、そこで、その事象が発生したのかを論理的に考える力をつけましょう。
この講義を受講することによって、みなさんに、日本史の多様性、様々な日本文化の存在を理解して(日本文化は単一では無いこと)、再認識してもらうことを最大の目標にします。試験によってその認識の度合いを判定します。
高校までの「勉強としての日本史」とはまったく異なる、大学での「学問としての日本史」「科学としての日本史」の魅力を十分味わってください。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP2、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本的に講義形式で進めます。適宜スライドやビデオを用いて視覚的な理解をはかることも考えています。
「もう一つの日本」と呼ばれる北日本を舞台に古代から近現代までの特色を通観できるように、法制度の問題からはじめて政治や社会・文化との関係を解明し、最終的には近現代において差別された日本の問題点を頭に置きながら、具体的なあり方とその変質過程を解明していきます。ポイントとなるのは、具体的に当時書かれた生の史料を解読しながら皆さんといっしょに考えていくところにあります。北日本の人々がどのような行動をとっていたのかが手に取るように分かる貴重な史料がたくさんあります。当時の北日本は高校教科書では限定的にしか触れられていませんが、もっと豊かな歴史があります。「普通の日本」「中の日本」との違いがわかるように工夫します。
高校までの日本史では原則として正解は一つでしたが、大学での日本史は正解は一つではありません。答えは私の講義を聴いた上で、皆さん各自で考えてみましょう。
皆さんから出された質問その他へのフィードバックは、まとめて最終授業で、講評や解説として実施します。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:序論
日本北方史の意義について。
第2回[対面/face to face]:弥生と続縄文
最北の弥生文化の実態と、続縄文文化の世界を比較する。
第3回[対面/face to face]:空白の古墳文化
中央日本史では古墳時代といわれる時期の北日本世界の在り方をさぐる。
第4回[対面/face to face]:蝦夷とは何か
蝦夷と呼ばれた北日本人の実態を考える。
第5回[対面/face to face]:阿倍比羅夫と津軽
阿倍比羅夫による「北征」事業の実態を分析する。
第6回[対面/face to face]:北の古代交易の世界
北方史の特徴である交易の具体的内容を検討する。
第7回[対面/face to face]:律令時代の青森・北海道
中央日本が律令国家を形成した時期の北日本世界の実態を考える。
第8回[対面/face to face]:謎の10~11世紀
北日本が中央日本の記録から姿を消した理由を考える。
第9回[対面/face to face]:古代防御性集落の盛衰
北緯40度以北の世界に突如出現した防御性集落とは何かについて考える。
第10回[対面/face to face]:中世北方世界の開幕
平泉に花開いた新しい北方文化の世界について考える。
第11回[対面/face to face]:北の得宗領
鎌倉幕府執権北条氏の新しい北方世界支配の実像に迫る。
第12回[対面/face to face]:謎の津軽安藤氏と「日の本将軍」
中世北方世界の覇者津軽安藤氏の誕生とその活躍について「日の本将軍号」を素材に近世日本までの歴史を踏まえて通観的に検討する。
第13回[対面/face to face]:躍動する北の世界
中世後期、北方世界がもっとも耀いた時代とその急速な衰退、またそこから生まれた近世的世界の実像を探る。
第14回[対面/face to face]:近現代日本にとっての北方史の意味
もう二つの日本とよばれる北日本(アイヌ文化)と南日本(琉球文化)を踏まえながらその近現代史的意味を考えてまとめとする。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予習は事前のテキスト内容の理解を期待します。人によって異なりますが、2時間が標準とされています。また事前にプリントなど補足教材を授業支援システムを通じて配布することもあります。その場合は、それを活用しながらテキストを読んでおくと、講義内容がいっそう分かりやすくなると思います。
実際に「歴史を考える」作業は授業のなかだけで完結するように講義を工夫して行います。復習しておくと次回の講義の理解に役立ちます。これも人によって異なりますが2時間程度が標準とされています。
テキスト(教科書)Textbooks
青森県の歴史(新版県史シリーズ2)山川出版社
参考書References
図説青森県の歴史(河出書房新社)
成績評価の方法と基準Grading criteria
基本的に期末試験(論述問題)によって行います(95%相当)。
この講義の目標である、現代と対話しながら「歴史を考える」という思考方法が身についたかどうかを、具体的に論述してもらって判断します。
また各回の講義で、中央の日本史との比較を必ず行いますので、それをよく理解して、自分なりに北方世界の歴史の特徴(中央の日本史との違い)を押さえる努力をしてください。
なお受講生数によっては、講義中に質疑応答を設けることがありそれを反映することも予定しています(5%相当)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
高校日本史を履修していない人には、やや難解だったようです。ただ高校日本史を繰り返すつもりは全くありませんので、高校で日本史を履修しなかった人はあらかじめ日本古代史の概説書を読んでから受講することを強く勧めます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
とくになし
その他の重要事項Others
とくになし
担当教員の専門分野等
〈専門領域〉
日本古代史・法制史・北方史・国際日本学
〈研究テーマ〉
日本古代社会経済史・日中比較律令法史・古代中世北方史
〈主要研究業績〉
2010年、『古代末期・日本の境界-城久遺跡群と石江遺跡群』
2008年、『エミシ・エゾ・アイヌ』(編著)、岩田書院
2008年、「近時の在欧吐魯番出土漢文文書の整理・公開等をめぐって」『古文書研究』66
2007年、「『在ベルリン吐魯番出土漢文世俗文書総合目録』のその後-FileMakerによるDatebaseのWeb公開の一例として」『漢字文献情報処理研究』8