市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
HIS200LA(史学 / History 200)西洋史LBWestern History LB
皆川 卓Taku MINAGAWA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | Q1432 |
旧授業コードPrevious Class code | P1160 |
旧科目名Previous Class title | 西洋史Ⅱ |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木1/Thu.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市富士‐F304 |
配当年次Grade | 法文営国環キ1~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 200番台 リベラルアーツ科目 1群(人文分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
(Course outline)We learn about the structure and development of the Holy Roman Empire, which unified Western and Central Europe for over 800 years. The Holy Roman Empire had a strange political structure in which the small countries that made up the empire relied on the authority of the emperor while carrying out the actual politics necessary for people's lives. Therefore, the emperor obtained a culture that satisfied the people spiritually from the Catholic church and Renaissance cities, and the small countries used it to gain the consent of the people and carry out actual politics. In this lecture, we will first introduce an overview of the Holy Roman Empire, and then learn what kind of technology, values, aesthetic sense, origin, and original ideas were devised from this society and passed on to future generations as a historical heritage.
(Learning Objectives)The purpose of this class is to examine the political community of the Holy Roman Empire, which did not take the form of a modern nation-state, in the historical context of the time, and to analyze the effects and limitations produced within the constraints of the time. It's about understanding. What you learn from there will depend on your active efforts. We will provide many hints in class to help you more critically understand the meaning of what you have learned in junior high school history and high school world history.
(Learning activities outside of classroom)
・Be sure to read the handouts distributed in advance before class and keep the general content in mind (1 hour each time).
・Before class, I will research all the words I am learning for the first time and words I only know by name using reference books and the internet, and I will make notes on a handout (for 1 hour each time).
・After class, students will research on their own or ask questions to the instructor about points they did not understand during class (as appropriate).
(Grading Criteria/Policy)
・Evaluation will be based on the average score (20%), quizzes for each unit (30%), and final report (50%).
・Be able to systematically explain the development of the Holy Roman Empire [1st evaluation process: corresponds to the 30% quiz for each unit], and use the knowledge learned in class to explain the history of the Holy Roman Empire and European history in one's own way. The standard is to be able to critically position and discuss its impact [second evaluation process: corresponds to 50% of the term report].
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
800年以上ものあいだ西中欧を統合していた「神聖ローマ帝国」の仕組みとその発展を学びます。神聖ローマ帝国は帝国を構成する群小国が皇帝の権威に依存しつつ、人々の生活に必要な実際の政治を行っていくという、奇妙な政治構造をしていました。そのため皇帝は人々を精神的に満たす文化をカトリック教会やルネサンス都市から得、群小国がそれを使って人々の納得を得つつ、実際の政治を行っていました。本講義では最初に神聖ローマ帝国の概要を紹介したあと、こうした社会からどのような技術や価値観、美意識や生まれ、独創的なアイディアが考え出され、遺産として後代の世界に伝えられたかを学びます。
到達目標Goal
本授業の目的は、近代国民国家という形にならなかった神聖ローマ帝国という政治的共同体を、当時の歴史的文脈の中において考察し、時代の制約の中で生み出された効果と限界を分析的に理解することです。そこから先に何を学べるかは、受講者の積極的な取り組み次第です。中学歴史分野や高校世界史で学んだことの意味をより批判的に理解できるよう、授業の中に多くのヒントを示しておきます。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP2、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
スライドとプリントによる系統的なスタイルでの講義形式を中心に行います。単元の終了毎(原則として対面ですが、オンライン回にせざるを得ない場合はその都度)に、オンライン掲示による小テストを実施し、到達度を測ります。対面による質問は随時受け付けます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:神聖ローマ帝国の遺産
世界史の難問「神聖ローマ帝国」が、現在の社会を支える多くの遺産を残していることを紹介するとともに、その過去及び現在の評価を論じ、両者の間にあるギャップと問題の所在を把握します。
2[対面/face to face]:神聖ローマ帝国の成り立ち(1)-統率を欠いた巨大帝国
中世の中欧に出現し、キリスト教による世界支配を掲げた権威と武力の集団が、社会の発展を捉えた地方政権に分裂すると共に、それらが新たな危機に直面するまでを紹介します。
3[対面/face to face]:神聖ローマ帝国の成り立ち(2)-協力する体制の発展
帝国から誕生した大小の地方政権が、共同の課題を解決するために結束し、それを維持するための制度を作り出していく過程を説明します。
4[対面/face to face]:神聖ローマ帝国の成り立ち(3)-滅んだものと受け継がれたもの
帝国を構成する地方政権が国家としての成熟を果たし、それを支える近代思想を受け入れたことを見届けた神聖ローマ帝国が、役割を終えて消えていく過程と、その遺産を論じます。
5[対面/face to face]:ルネサンス文化と帝国の文明化
親分子分関係から地方政権の連合として再出発した15~16世紀の神聖ローマ帝国が、その絆となる価値としてルネサンス文化を受け入れ、活用する過程を紹介します。
6[対面/face to face]:宗派対立と三十年戦争
ルネサンスの根底にある「神」の解釈を巡って神聖ローマの構成国が二つに分断され、激しい宗教戦争を引き起こす過程を論じ、それがいかなる結果をもたらしたのかを考えます。
7[対面/face to face]:皇帝と領邦君主のバロック戦略
回復した平和を維持するため、宗派を超越した価値観が求められる中、帝国の統治者たちが「バロック文化」を取り入れ、人々を「紀律化」ていく経緯を説明します。
8[対面/face to face]:領邦君主の神聖ローマ帝国
神聖ローマ帝国を支えた地方政権の中で、もっとも重要な役割を果たした「領邦君主」の領国統治の仕組みを、代表的な領国について紹介します。
9[対面/face to face]:ドイツ文化のまほろば-帝国自由都市の世界
政治勢力としては小さいものの、神聖ローマの統治のアイディアや経済力、文化を供給した自治都市「帝国自由都市」の発展と、帝国におけるその役割を論じます。
10[対面/face to face]:ウィーンを支えるイタリア人
皇帝の領国オーストリアとイタリアは、近代の経緯で今でもわだかまりが残るほど緊張を伴う関係ですが、実は帝国を支える上で非常に深い協力関係にあった事実に焦点を当てます。
11[対面/face to face]:裁かれる国ー神聖ローマ帝国の裁判所
神聖ローマの領邦君主や帝国自由都市は、それぞれ国としての性格を持つ一方、皇帝を担いだ平和共同体としての性格も持っていました。その平和と権利を支えた帝国裁判所の活動を紹介します。
12[対面/face to face]:帝国と科学-グレゴリウス暦の導入を巡って
他の西欧諸国と同様、近世の神聖ローマ帝国も宗教教義と経験合理主義の綱引きの場でした。西欧各国を悩ました暦の導入を巡る論争の行方に、帝国における「科学」の誕生を読み取ります。
13[対面/face to face]:教育の帝国
中世神聖ローマのアルプス以北の地域は、イタリアやフランスに遠く及ばない教育後進国でした。それが近世に急速に挽回し、教育先進国と呼ばれるまでに成長した経緯とその背景を分析します。
14[対面/face to face]:まとめ-神聖ローマ帝国と国家連合のヨーロッパが生み出せるもの
近世の神聖ローマ帝国が、集権化する同時期の周辺諸国とは正反対の方法で、同水準の生活と秩序を人々に保証したこと、それは歴史の中でどう評価されるかを、第1回の問題提起を振り返りながらまとめます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前に配布されるプリントは必ず授業前に読み、大まかな内容は頭に入れておきます(毎回1時間)。
・授業前に参考書やネットを通じて、始めて知る言葉、名前しか知らない言葉について一通り調べ、プリントにメモをします(毎回1時間)。
・授業終了後、授業中に分からなかった点について、自分で調べたり教員に質問します(適宜必要時に)。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しません。(配布プリントがその機能を担います)
参考書References
・草光俊雄・甚野尚志編著『ヨーロッパの歴史 I-ヨーロッパ史の視点
と方法』放送大学教育振興会 2015
・成瀬治・山田欣吾・木村靖二編『ドイツ史〈1〉先史~1648年(山川世界歴史大系)』山川出版社 1997
・成瀬治・山田欣吾・木村靖二編『ドイツ史〈2〉1648~1890年(山川世界歴史大系)』山川出版社 1996
・斎藤寛海編『イタリア史〈2〉中世・近世(山川世界歴史大系)』山川出版社 2021
・三佐川亮宏『オットー大帝-辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者』中央公論新社 2023
・池谷文夫『神聖ローマ帝国―ドイツ王が支配した帝国』刀水書房 2019
・ピーター・H・ウィルソン『神聖ローマ帝国 1495-1806』岩波書店 2005
・江村洋『中世最後の騎士-皇帝マクシミリアン1世伝』中央公論社 1989
・アルブレヒト・デューラー(前川誠郎訳)『自伝と書簡』岩波書店 2009
・ペーター・ブリックレ(服部良久訳)『ドイツの臣民』ミネルヴァ書房 1990
・河野淳『ハプスブルクとオスマン帝国―歴史を変えた〈政治〉の発明』講談社 2010
・永田諒一『宗教改革の真実―カトリックとプロテスタントの社会史』講談社 2004
・ヴェロニカ・C・ウェッジウッド(瀬原義生訳)『ドイツ三十年戦争』刀水書房 2003
・エンゲルハルト・ヴァイグル(三島憲一他訳)『啓蒙の都市周遊』岩波書店 1997
・マックス・フォン・ベーン(飯塚信雄他訳)『ドイツ十八世紀の文化と社会』三修社 1997
・W・H・ブリュフォード(上西川原章訳)『十八世紀のドイツーゲーテ時代の社会的背景』三修社 1981
・今野元『フランス革命と神聖ローマ帝国の試煉―大宰相ダールベルクの帝国愛国主義』岩波書店 2019
成績評価の方法と基準Grading criteria
・評価は平常点(20%)、単元毎の小テスト(30%)、期末レポート(50%)を総合して評価します。
・神聖ローマ帝国の発展を系統的に説明することができ【第1評価プロセス:単元毎の小テスト30%に照応】、授業で学んだ知識を用いて、自分なりに神聖ローマ帝国の歴史をヨーロッパ史の中に批判的に位置づけ、その影響について論じることができること【第2評価プロセス:期末レポート50%に対応】、が基準となります。
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