市ヶ谷リベラルアーツセンター（ILAC）ILAC Course
PHL200LA（哲学 / Philosophy 200）倫理学ＬⅠEthics LI
「生」と「死」を考える
田島 樹里奈Jurina TAJIMA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター（ILAC）ILAC Course |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | Q1399 |
| 旧授業コードPrevious Class code | P1117 |
| 旧科目名Previous Class title | 倫理学Ⅰ |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市G‐G502 |
| 配当年次Grade | 法文営国環キ1～4年 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| 選択・必修Optional/Compulsory | |
| カテゴリー（2017年度以降）Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 200番台 リベラルアーツ科目 1群（人文分野） |
| カテゴリー（2016年度以前）Category (2017) |
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Outline (in English)
This course is an introduction and survey course in Bioethics. The purpose of this course is introduce students to bioethics through critical thinking contemporary issues. Through this course, students will be given not only the knowledge and comprehension of relationship between biotechnology and ethics, but also the opportunity to focus on their life and death.
Students will first be introduced the history of ethics, foundational theories in bioethics, and the basic concepts and theoretical framework of bioethics.
Topics will include: what is happiness, health-care, responsibility, system of value, informed consent, death and dying, and the issue of beginning of life( on abortion, designer baby, prenatal testing etc.).
Through this course, students will be able to think carefully and to express their own views more clearly through their own positions on bioethical/ medical issues.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本授業では、生命倫理学という応用倫理学の一分野を通じて、人間にとって生（生命、人生、生活）（life）とは何であるかを中心に、生きること・死ぬことについて考察することを目的とする。とりわけ本授業では、「幸福とは何か」を出発点としながら、人間の生／死、人格、医療（技術）に焦点を当てながら、私たち人間とはどのような存在であるかをじっくり倫理学的な視点から考え直していきたい。
現代では、自然界に生まれた生命に科学技術が介入することは当たり前であるが、人工授精・体外受精、デザイナーベビー、人工妊娠中絶、臓器移植、延命治療など、現代社会でよく耳にするこれらの人工的な生命操作は、自然の摂理という観点から見れば反自然的な行為と言いうる。だからと言って、私たちは簡単に善悪の判断を下すことはできない。日々の日常生活のうちには、こうした論理や合理性だけでは解決し難い問題がたくさんある。
「いのち」の問題は、私たちが生きていく中で、いずれどこかで関わる身近な問題であり、避けては通ることのできない重要な問題である。本授業では、具体的な事例や現代的な問題を取り上げながら、命（生と死）・医療・科学技術などについて、今一度考え直すきっかけを提供し、共に考えていきたい。
到達目標Goal
① 生命、死、存在、医療、QOLなどの言葉を相互に関連づけながら思考する力を身につける。
② 生命倫理学の多様な価値観を学ぶことで、様々な立場の考え方を多角的に把握する力を身につける。
③ 学問的な理論の構築法を学ぶことで、各自の問題意識を学問的に分析する力を身につける。
本授業では、生命倫理学について、たんなる知識を身につけるだけに終わらせることなく、複雑な現代を生きる一人の人間として、より広い視野を培い、深い思考力を持てることを最終的な目標としている。
(1) Acquire the ability to think about life, death, existence, medical care, QOL, and other terms while relating them to each other.
(2) By learning the various values of bioethics, students will acquire the ability to grasp the ideas of various positions from multiple perspectives.
(3) Learn how to construct academic theories, and acquire the ability to academically analyze their own awareness of issues.
The ultimate goal of this class is not only to acquire knowledge of bioethics, but also to cultivate a broader perspective and deep thinking skills as an individual.
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科：DP3・DP4、法学部・政治学科：DP1、法学部・国際政治学科：DP1、文学部：DP1、経営学部：DP3、国際文化学部：DP2、人間環境学部：DP2、キャリアデザイン学部：DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
基本的には講義形式で行なう。場合によっては、グループディスカッションをしたり、学生の皆さんに質問を投げかけたり、リアクションペーパーなどを用いながら、受講者が主体的に考えられるような授業にしたい。
◆ 本授業では、多角的な視野でじっくりと物事を考える力を身につけて貰いたいと考えているため、以下のように授業を進める。
＊ 講義
＊ 毎回、授業後にコメントシートを提出。
＊ 適宜、授業内で学生からのコメントを紹介。
→ これらの繰り返しをすることで、同じ講義内容を聞いていても、自分とは異なる様々な意見があることを知り、少しずつ多角的な視野を得られるようになると考えている。また講義形式であっても、教員からの一方的な教えではなく、双方向性を生み出し、お互いに刺激し合い、学び合えるような授業にしていきたいと考えている。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：イントロダクション
生命倫理学とは？
生命に科学技術が介入することの意味
第2回[対面/face to face]：バイオエシックスの成立⑴
善く生きるとは
近代的自由の成立と人権概念
第3回[対面/face to face]：バイオエシックスの成立⑵
アメリカにおける社会的・政治的背景
社会変動と幸福感の変化
第4回[対面/face to face]：幸福とは何か
「幸福」はどのように決まるか？
第5回[対面/face to face]：功利主義⑴：幸福は計算可能か
「最大多数の最大幸福」
平等の原理は存在するか？
第6回[対面/face to face]：功利主義⑵：個人の自由と社会道徳
個人の幸福追求と社会の幸福追求
「生命の質」か「生命の尊厳」か
第7回[対面/face to face]：人間の生命と人格
エンゲルハートの人格概念
胎児に人格はあるか？
第8回[対面/face to face]：優生思想と人工妊娠中絶
優生保護法と母体保護法
人工妊娠中絶は殺人か？
第9回[対面/face to face]：中絶問題と女性の権利
中絶問題の歴史
米国で揺れ動く中絶権利
第10回[対面/face to face]：命は誰のものか
医療とパターナリズム
患者の権利と医師の義務
第11回[対面/face to face]：医療と倫理
医学者たちの人体実験
第12回[対面/face to face]：伝える義務と知る権利
医療とインフォームド・コンセント
情報開示と自己決定権
第13回[対面/face to face]：尊厳死/安楽死とは
安楽死を考える
私たちに死ぬ権利はあるのか
第14回[対面/face to face]：医療の倫理と法
医療技術の進歩と医療現場
医療事故と医療過誤
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の授業の復習をよくすること。とくに授業内で気付いたことや疑問に思ったことは各自で調べたり掘り下げて考えてみること。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
Review each class carefully. In particular, you are expected to research and think in-depth about any questions you notice or have in the class. The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
テキスト（教科書）Textbooks
特になし
参考書References
H・T・エンゲルハート『バイオエシックス の基礎』東海大学出版会、1988/2005。
伏木信治『生命倫理と医療倫理：改訂４版』金芳堂、2020年。
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎授業ごとのリアクションペーパー（60％）、期末試験またはレポート（40％）
リアクションペーパーの提出をもって出席扱いとしますが、ただ提出しているだけの人は評価対象とならない場合があります。主体的に考えながら受講することを重視しています。（リアクションペーパーは、レポートのような大変なものではありません。受講して各自で考えたことを毎回書いてもらうことにより、考える力を養い、自分の考えを文字化する訓練のために行っています）
Reaction papers for each class (60%), final exam or report (40%)
Submission of reaction papers will count as attendance, but those who just submit them may not be evaluated. In this course, the emphasis is on taking the class while thinking proactively.(The reaction paper is not as hard as a report, but is designed to develop your ability to think and to train you to put your thoughts into words by asking you to write what you have thought about each time you take the course.)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
基礎から学ぶので、倫理学を受けたことのない人でも関心を持って受講することで、少しずつ理解でき、視野が広がってくると思います。
また、受講者のコメントシートを紹介することで、同世代の人たちの色々な考え方を知ることができ、良い刺激になると思います。
Even if you are new to the subject of ethics, don't worry because you can gradually deepen your understanding and get used to it in each class. (Basically, this class is for first-time students)
その他の重要事項Others
受講生の希望や状況に応じて、シラバスの内容が前後したり、多少変更する場合があります。
※人数が大幅に多い場合には、受講者数を制限することがあります。
その場合、本科目（Q1399）は授業コード200番台のため、上の学年から優先的に選抜します。２回目以降の受講者は履修できなくなる場合があります。