市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
LIT100LA(文学 / Literature 100)日本古典文学BJapanese Classic Literature B
中世文学を読み解く
表 きよしKiyoshi OMOTE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | Q1002 |
旧授業コードPrevious Class code | P1002 |
旧科目名Previous Class title | 文学Ⅱ |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市G‐G402 |
配当年次Grade | 法文営国環キ1~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 100番台 基盤科目 1群(人文分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
【Course outline】
Taking a look at Minamoto Yoshitune and Benkei who gained popularity as a tragic hero in the Middle Ages, they are drawn by classical literary works such as "Heiji Monogatari", "Gikeiki" and "Otogisoushi" and classical performing arts such as Noh and Kabuki Comparing people and their changes, we will clarify how the author tries to express ideal images that people asked through their works. Through these considerations, consider various legends behind the formation of literary works and the role that literary works played in the legendary dissemination.
【Learning Objectives】
Be able to understand, and explain the contents of Yoshitsune and Benkei legends. You can think about how people thought about creating and spreading these legends, and enjoy the fun of classical literature and entertainment.
【Learning activities outside of classroom】
As a preparatory study, read the prints carefully in advance to understand the approximate contents of the stories to be taken up in class. As a review, I will try to find out what I wondered in class. Many books on Minamoto no Yoshitsune have been published, so read some of them so that you can understand the situation of Yoshitsune and Benkei from various angles. The standard preparation / review time for this lesson is 4 hours per lesson.
【Grading Policy】
The score of the assignment report submitted after each class (50%) and the score of the term-end report (50%) that reports the results of investigating and considering the Yoshitsune legend by setting its own theme are combined. Perform grade evaluation.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
中世において悲劇的な英雄として人気を集めた源義経と弁慶を取り上げ、『平治物語』『義経記』『お伽草子』などの古典文学作品や、能・歌舞伎などの古典芸能における二人の描かれ方やその変化を比較検討し、人々が二人の英雄に求めた理想像を、作者が作品を通してどのように表現しようとしているかを明らかにする。これらの考察を通して、文学作品成立の背景にある様々な伝説や、文学作品が伝説の流布に果たした役割を考える。
到達目標Goal
義経・弁慶伝説の内容を把握・理解し、説明することができる。人々がどのような思いを込めてこれらの伝説を生み出し流布させていったかを考えるとともに、古典文学や古典芸能の面白さを味わうことができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP2、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業計画に示したように、毎回テーマを決めて授業を行う。源義経や弁慶をめぐる出来事が文学作品にどのように描かれているか確認しながら、それぞれの話の特色を理解していく。
授業の最後にリアクションペーパーを提出してもらう。多くの人から質問があった事柄については次回の授業の中で回答する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
①[対面/face to face]:義経・弁慶の生涯
この授業の内容や進め方などについて説明し、授業に対する心構えをしっかりとさせる。義経・弁慶の生涯を把握することにより、今後の授業に順調に取り組めるようにする。
②[対面/face to face]:鞍馬寺での義経
生まれた年に平治の乱によって父を失い、母とも引き離されて鞍馬寺の稚児となる義経の様子や、鞍馬山の僧正が谷で平氏を倒すため武術の修業に励む義経の健気な姿を読み取っていく。
③[対面/face to face]:義経の東国下り
僧になることを嫌って鞍馬寺を脱出した義経が金商人吉次とともに東国へ旅立つ様子や、鏡の宿で盗賊に襲撃されるが戦って見事に退治する義経の活躍ぶりを読み取っていく。
④[対面/face to face]:伊勢三郎との出会い
関東で自分に冷たい態度をとった人物の家を焼き払う義経の過激な行動や、上野国で伊勢三郎の家に泊めてもらい、義経が優れた人物であることを見抜いた伊勢三郎が義経の家来となる様子を読み取っていく。
⑤[対面/face to face]:義経と兵法書
奥州平泉に身を落ち着けた義経だが、平氏の情報を入手するため都に舞い戻り、周囲の人々にも助けられながら、鬼一法眼が所持していた兵法書を盗み読む様子を読み取っていく。
⑥[対面/face to face]:弁慶の誕生と成長
弁慶が生まれた時から人並みはずれた様子だったことや、延暦寺の稚児となってからも暴れ回って寺を追放される様子など、弁慶の波乱に富んだ人生の始まりの様子を読み取っていく。
⑦[対面/face to face]:義経・弁慶の出会い
京都に戻った弁慶と義経の出会いには、千本太刀奪いと千人斬りという二つのパターンがある。それぞれがどのような内容で、どのような特色を持っているのかを読み取っていく。
⑧[対面/face to face]:義経・弁慶の主従契約
清水寺や五条大橋での戦いにより、義経と弁慶は主従の関係を結んでいく。戦いながらも惹かれあっていく二人の息の合った様子や心の結び付きを読み取っていく。
⑨[対面/face to face]:頼朝からの刺客
平氏を倒すために大活躍した義経だったが、兄の頼朝との関係が悪化して鎌倉に入れず京都で生活を送る。そんな義経のもとに刺客が送りこまれ、義経がそれを退ける様子を読み取っていく。
⑩[対面/face to face]:義経・弁慶の都落
鎌倉から大軍が京都に向かったため、義経は京都を離れて西国へ向かうことにする。大坂から船出した義経一行が暴風に遭遇して危機に陥る様子を読み取っていく。
⑪[対面/face to face]:静との別れ
義経は潜伏生活にも愛妾の静を伴っていたが、吉野山で泣く泣く別れることになる。吉野山で捕えられて鎌倉へ送られた静の行動を通して、静の性格を読み取っていく。
⑫[対面/face to face]:義経・弁慶の北国落
吉野山などで潜伏生活を送っていた義経は、山伏姿となって奥州平泉へ向かう。途中あちらこちらで疑われるが、弁慶の機転により危機を乗り越えていく様子を読み取っていく。
⑬[対面/face to face]:義経・弁慶の最期
奥州平泉にたどり着いて平穏な日々を送っていた義経だが、良き理解者だった藤原秀衡の死によって追い詰められる。義経を守り抜こうとする弁慶の様子や、義経の最期の有様を読み取っていく。
⑭[対面/face to face]:全体のまとめと試験
今までの授業を振り返りながら、登場人物の特徴が把握できたか、出来事の様子が把握できたか、義経伝説の特徴を理解できたかを確認する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
準備学習として、授業で取り上げる話について、事前にプリントをよく読んでおおよその内容を把握しておく。復習として、授業の中で疑問に思った事について自分なりに調べてみる。源義経に関する書物はたくさん出版されているので、そのうちのいくつかを読み、様々な角度から義経・弁慶の様子を理解できるようにする。本授業の準備学習・復習時間は、1回の授業につき4時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
安価で入手できる教科書がないため使用しない。各回の授業に必要な古典文学作品の本文を記載したプリントを学習支援システムに掲載する。
参考書References
岡見正雄校注『日本古典文学大系・義経記』岩波書店。1959年。
梶原正昭校注『新編日本古典文学全集・義経記』小学館。1999年。
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回の授業後に提出するリアクションペーパーの点数(50%)と期末試験の点数(50%)を総合して成績評価を行う。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
義経伝説は能や歌舞伎などの古典芸能の題材ともなっており、これらの芸能の作品に関心を持つ学生が多い。適宜、古典芸能の作品にも言及するようにしたい。