イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management
MAN500F2(経営学 / Management 500)人的資源管理論ⅠHuman Resource Management 1
山田 久Hisashi YAMADA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | イノベーション・マネジメント研究科Business School of Innovation Management |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | W0010 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期前半/Fall(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 土1/Sat.1,土2/Sat.2 |
科目種別Class Type | 専門講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1・2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 基礎科目 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
カテゴリーCategory | 基礎科目 |
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Outline (in English)
Human resources are the most important elements to enhance business innovations. The propose of the lecture is to understand core concepts of human resource management in Japan. Students will learn core issues concerning Strategic Human Resource Management, from the viewpoints of historical context and international comparison.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
事業活動の主体的な担い手は人であり、イノベーションを実現するのも人です。そして、経済社会環境が高度化し複雑化した今日、あらゆる事業活動・イノベーション活動は、基本的に人の集合体である企業組織を通じて行われます。本講義では、「企業経営・組織運営における人材」に関連する中核的なトピックスを取り上げ、歴史的視点と国際比較の視点を交えながら、戦略的人材マネジメントの考え方――事業価値創造のために、最も重要な経営資源である人材をどう活かしていくべきか―の要点を学びます。
到達目標Goal
人材マネジメントの基本要素(採用・育成・評価・配置)についてのベーシックなロジックを習得することが目標です。同時に「マクロ環境(経営・事業環境)―企業経営(事業戦略)―人材」という三層構造の中に人材を位置づけたうえで、これら三層の相互の関係性の理解を深めます。それにより、既存の枠組みの根本的な見直しが求められるVUCA時代において、イノベーションを興すための人材活用・組織運営に必要な思考――経済社会の在り方まで遡って大局的かつ本質を突いた見方・考え方――ができるようになることを目指します。歴史的視点と国際比較の視点を交えて学び、目先の状況に左右されることなく、問題の本質をつかむ能力を養います。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
イノベーション・マネジメント研究科のディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
まず教員が講義し、各回のテーマの概要をつかんだうえで、グループディスカッションを行う。その後グループごとに発表してもらい、補足的な講義を行いながら各回のポイントの理解を深める。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:人的資源管理とは、人材を巡る問題
人的資源管理で何を学ぶかの概要を示し、いま日本の雇用・人事の現場でどういったことが問題になっているか、を理解する。
第1回[対面/face to face]:日本的人事の特徴と変遷
欧米比較からみたわが国雇用システムの特徴を理解し、歴史的に日本の雇用・人事はどう変わってきたかを学び、その現在へのインプリケーションを議論する。
第2回[対面/face to face]:採用戦略と若年雇用(1)
若者雇用の現状はどうなっているか、海外の若年雇用の状況との違いは何かを学ぶ。若者の離職率が高いのはなぜか、どうすれば定着するかを議論する。
第2回[対面/face to face]:採用戦略と若年雇用(2)
社会経済の環境変化を踏まえ、どうすれば優秀な人材を採用できるか、いかにすれば優秀な人材を確保できるかについて、議論する。
第3回[対面/face to face]:人材育成とキャリア開発(1)
人材不足が深刻になっているがその背景は何か、企業の人材育成の現状はどうなっているかについて、国際比較の観点から学ぶ。
第3回[対面/face to face]:人材育成とキャリア開発(2)
なぜ企業は人材投資を十分に行わないか、「できる人材」はどういった能力を持っているのか、どうすれば人材は効果的に育つのか、といった論点について議論する。
第4回[対面/face to face]:人事評価と昇進管理(1)
評価はどういった要素を対象にし、そもそも何のために行うのか、評価者が陥りやすい誤りにどのようなことがあるか等、評価の基本的ロジックを学び、企業を発展させる評価制度とはどのようなものか、議論する。
第4回[対面/face to face]:人事評価と昇進管理(2)
日本企業の昇進制度の特徴はどういったものかを国際比較の観点から理解し、遅い選抜・早い選抜の功罪について議論する。
第5回[対面/face to face]:報酬管理と福利厚生(1)
賃金は労働の対償。賃金支払いの基準、適切な賃金水準を決める方法。
第5回[対面/face to face]:報酬管理と福利厚生(2)
賃金体系のあり方。定期昇給の意味。ボーナスの支払基準。
第6回[対面/face to face]:労働時間管理と柔軟な働き方(1)
わが国労働者の長時間労働の実態を把握したうえで、残業削減にはどういった目的があり、それに副作用はないかを議論する。
第6回[対面/face to face]:労働時間管理と柔軟な働き方(2)
裁量労働制や高度プロフェッショナル制度の意義を理解し、適正運用の課題は何かを考える。テレワークにはどういった功罪があるか、転勤制度は必要かを議論する。
第7回[対面/face to face]:労働移動と退職管理(1)
わが国の雇用の流動性の現状はどうなっているか、終身雇用の崩壊は本当か、わが国が解雇しにくいのは本当か、海外のリストラはどうなっているか、といった点を学ぶ。
第7回[対面/face to face]:労働移動と退職管理(2)
人員削減はどのようなときに合理化され、どういったコストを企業にもたらすのか、適正な人員管理にはどのような考え方が必要か、について議論し、人材ビジネスの役割は何かについても考える。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回、授業で行ったディスカッション・テーマについて、講義で学んだことやディスカッションした内容を踏まえ、自分の考えをA4版1~2ページにまとめて提出する。書くという作業によって学習効果が高まるからである。本授業の準備学習・復習時間は、各1時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
毎回講義資料を配布する。
参考書References
基本参考文献として、今野浩一郎・佐藤博樹『人事管理入門(新装版)』日本経済新聞出版、守島基博『人材マネジメント入門』日本経済新聞出版社、山田久『同一労働同一賃金の衝撃』日本経済新聞出版社。その他参考文献は適宜指定する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
次の3つの要素を合計して評価します。
①毎回の出席と講義時間中の議論への関与(40%)
②毎回提出するレポートの質(20%)
③レポートの作成および小テスト(40%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
講義資料の見やすさを工夫し、ディスカッションを活発化させるグループ人数を設定するよう心がけます。
その他の重要事項Others
人的資源管理論Ⅱを併せて履修することが望ましい。
担当教員の専門分野、研究テーマ、最近の主要な業績
<専門領域>労働経済学、人的資源管理論
<研究テーマ>新しい労働市場のグランド・デザイン、VUCA時代の人材マネジメント
<主要研究業績>
①『失業なき雇用流動化』慶応義塾大学出版会、②『同一労働同一賃金の衝撃』日本経済新聞出版社、③『賃上げ立国論』日本経済新聞出版社