法学部Faculty of Law
LAW300AB(法学 / law 300)法と遺伝学Ⅱ法と遺伝学Ⅱ
和田 幹彦Mikihiko WADA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0133 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
To learn the new issues of "Law, Behavioral Genetics, Evolutionary Biology & Psychology, and Neuroscience".
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
★この授業は「他学部公開科目」でもあります!
●授業の概要:21世紀の遺伝学・法・法学 そして…「人間の行動と、遺伝子・脳科学の関係」
そこの人! ハイ、この頁に目をとめたあなたです。ちょっと考えてみて下さい。【以下の概要を、この授業では学びます。】
人間の行動って、どこまで遺伝子と脳で決まっちゃっているんでしょう?例えば、
①なぜ民法の「親族法」には、そもそも結婚についての法律があるの? その根源的な理由って何? ヒトの進化と関係があるの?(あります!)
②なぜ民法の「相続法」により相続はできるのか?「あかの他人」である配偶者でも相続できるのはナゼ? その根源的な理由って何? ヒトの進化と関係があるの?(あります!)
③憲法や民法の詳しい法律の根底には、他の生物と共通の「法の根源的基盤」があるのか?(あります!)
この中の一つでも関心があれば、この授業に参加する意味があります。ただ、ちょい待ち…
答は一つではない。世界中で、だれもこの三つの問に絶対的な答を出した人はいないのです。答は一人一人が自分の頭で、自分のために、考えるのです。論理的に。そして法学的に。法学部生以外の方は市民の目線で。
【以下がこの授業の目的(何を学ぶか)です。】
「自分の頭で考える:答は一つではない!」:日々の生活で実践できる、論理的・法学的思考を訓練します。<法と遺伝学>の問題には、いまだに世界中のどこにも「一つの正しい答」はありません。だから「誤った発言」はありえない。安心して自分の心の中で議論して下さい。その中で、法学的思考が少しずつ身に付くように、教師が工夫します。
発言が恥ずかしいという学生も、毎年、皆すぐ慣れて発言しています。それに「モノ言う能力」なしに21世紀を生きていけると思わないこと!これこそ国際市場と日本の社会で、今、求められている技能です。
同時に、<法と遺伝学>は、21世紀の人類社会の構図を決める問題です。ならば、21世紀の遺伝学・行動遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳神経法学の発展を踏まえ、「法と遺伝学」の関係を、法学の専門家だけでなく、市民が自分の頭で考え、自ら考察し、理解を深めるべきである、というのがこの授業の問いかけであり、目的であり、「何を学ぶか」です。
この科目は「文化・社会と法コース」に属します。
到達目標Goal
学生は、21世紀の遺伝学・行動遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳科学の発展の中で、これらの自然科学との連動して、新たに(主には)「法とは何か?」という法学の根源的な問いと向き合い、この問いへの「答えは一つではない」という大前提の下に、「自分の頭で考える」「この問いに『応える』」能力を身につけること。それがこの授業の到達目標です。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
●法学部生以外の方にも解りやすく、行動遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳科学と法学との関係を解説していきます。
●基本的に講義形式を取ります。しかし学生の自由な発言・質問を歓迎します。そのために教室の前後にマイクを置きます。
●また、「質問用紙」を教室の前後に常備し、学生はいつでも質問を書いて教員に提出できます。
●学生は、学期中に数回、「質問用紙」に授業の質問、感想、批判、自分の説などを書き、提出します。(匿名可能です。)次回の授業でこれを教員が発表し、質問には応え、その他にはコメントします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション
「法とは何か?」の自然科学による再分析の可能性の解説と、ディスカッション
第2回[対面/face to face]:法の新たな定義と新たな法源
定義に先立つ、遺伝学・行動遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳科学の基礎的解説とディスカッション
第3回[対面/face to face]:事例1-霊長類(チンパンジー)の社会集団におけるルールと制裁
フランス・ドゥヴァールの霊長類研究と、それが「法学」にもたらしたインパクトの解説と、ディスカッション
第4回[対面/face to face]:事例2-ミツバチ・アリの社会集団における行動パターン
世界、中でも日本におけるミツバチ・アリ研究における「第三者罰」の可能性、それが「法学」にもたらしたインパクトの解説と、ディスカッション
第5回[対面/face to face]:ヒトの「法」と動物の「法」の差違=言語;補論-「文化(culture)」の新たな定義
「共創言語進化学」という新しい学問領域における、「文化」「文化進化」「法・法学」の位置づけの解説と、ディスカッション
第6回[対面/face to face]:「法と進化生物学」序論:ダーウィンの進化生物学とその発展-自然淘汰・性淘汰
「法と進化生物学」の基礎となるダーウィンの自然淘汰・性淘汰の解説と、ディスカッション
第7回[対面/face to face]:「法と進化生物学」の可能性
「法はどこまで進化生物学で解明できるか?」の解説と、ディスカッション
第8回[対面/face to face]:「法と進化倫理学」
太田勝造教授ほかによる「進化倫理学」という学問史と、「法と進化倫理学」という学際研究法により何が明らかになり得るか?の解説と、ディスカッション
第9回[対面/face to face]:「法と進化心理学」の可能性
「法と進化心理学」の基礎となるL.コスミデスの「4枚カード問題」実験の解説と、ディスカッション
第10回[対面/face to face]:ゲーム理論と「法と進化生物学」・「法と進化心理学」・「法と行動遺伝学」
これらの4つの学際分野の連携と、特に「行動遺伝学」とは何か? 「法はどこまで行動遺伝学で解明できるか?」の解説と、ディスカッション
第11回[対面/face to face]:法と脳科学(神経科学)
2015-16年の、「法と脳科学」という学際研究のブレークスルーの解説と、ディスカッション
第12回[対面/face to face]:「法と遺伝学II」総括:進化を通じて「法」の本質を探る
この授業の第12回目までを通じて、「進化」を手掛かりに、「法」の機能と本質がどこまで解明できたかの解説と、ディスカッション
第13回[対面/face to face]:授業内試験【とその振り返り:次回】
本授業「法と遺伝学II」の「到達目標」に達したかを、問題を通じて考え、論述する。
第14回[対面/face to face]:授業内試験の講評
本授業「法と遺伝学II」の「到達目標」に達したかを、問題の模範解答の講評・採点基準を通じて考え、振り返る。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
●学生は、各回に必ず教科書の予習箇所を指定するので、各自自宅で予習をすること。
●学生は、授業で扱った教科書の箇所と授業内容を必ず復習すること。
●準備(予習)・復習時間は、1回の授業につき各々2時間(合計4時間)である。
テキスト(教科書)Textbooks
最新の文献を含めて初回および各回の授業で指示する。教員の和田が、すべてプリントして配布する予定。
加えて:経塚淳子(監修)『遺伝のしくみ』新星出版社、2021年刊、1,400円+税【春学期の「法と遺伝学I」で使う本と同一】
参考書References
必要に応じて指示する。【購入は必須では無い。】
成績評価の方法と基準Grading criteria
【予定】:●期末の「授業内試験」90点。●「授業内試験」の「講評」出席で平常点10点。
●期末試験では、到達目標である:≪遺伝学・行動遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳科学の発展の中で、これらの自然科学との連動して、「法とは何か?」という法学の根源的な問いと向き合い、この問いへの「答えは一つではない」という大前提の下に、「自分の頭で考える」「この問いに『応える』」能力が身についた≫かどうか、を基準に評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
●質問をしやすい環境をより良く整備します。
●授業のスピードを速くしすぎず、ゆったりしたテンポで、学生がフォローし、ついていきやすいように工夫します。
●ビデオ、DVD、ブルーレイ教材を多用する予定です。
●時々、教科書や参考書にもないが、法学・法そのものの理解、遺伝学・遺伝子操作・生命工学・最先端医学などの理解に役に立つ「手がかり」を挿入し、授業を聞きやすくします。
●時々、教科書や参考書にもないが、法学・法そのものの理解、遺伝学・行動遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳科学などの理解に役に立つ「手がかり」を挿入し、授業を聞きやすくします。
その他の重要事項Others
●「実務経験のある教員による授業」に該当します。日本・スイスにおける銀行業務で日本法・英米法・スイス法・ドイツ法に基づく法務を経験しており、それに関連して、各国の法・法律・法制度の共通点に着眼し、「法とは何か?」という主題を、実務の観点からもこの授業で取り上げます。
●法学部以外の学生も、誰でも履修ができます。
この科目履修以前の、他の法律科目の履修も必要ありません。
●法学部法律学科の学生は、通常の選択必修科目、選択科目を適正に履修していれば、準備としては十分です。
●法学部政治学科・国際政治学科生は「法学を学際的に学ぶ!」姿勢をしっかり持って下さい。
●全学部生に、同じく私による春学期の「法と遺伝学I」との合わせての履修を強く勧めます。義務ではありません。