人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
ARSa400GA(地域研究(ヨーロッパ) / Area studies(Europe) 400)地域協力・統合Regional Cooperation and Integration
大中 一彌
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | C2026 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月4/Mon.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
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Outline (in English)
What is Europe? This question, which many present-day Europeans ask themselves, is the main theme of this course. Starting with the geographical notion of Europe as a “continent", students will familiarize themselves with its basic archaeological, ethnic, religious, philosophical, and historical aspects. Students will be encouraged to explore these areas to reflect on the modern idea of Europe as a haven of peace and the possibility or impossibility of a single European identity.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「ヨーロッパとは何か」という問いに、自分なりの答えを言えるようになるのがこの授業の目的です。この授業を適切に位置づけるために、法政大学Webシラバスの検索結果(2020年度)を参考にしながら、ヨーロッパの問題を扱うさいに、どのような切り口がありうるかを以下簡単にご紹介させてください。まず、法学部なら、第二次世界大戦後の統合をめぐる政治過程に焦点をあてるやり方がありえます(「ヨーロッパ統合論」「EUの政治と社会」)。経済学や経営学を学ぶ立場からは、同じく第二次世界大戦後のヨーロッパ経済史に焦点をあてるやり方があるでしょう(「ヨーロッパ経済論」「EU経済とドイツ」)。農業経済学の観点からEUの共通農業政策(CAP)を扱う授業も開設されています(「農業経済論A」)。グローバル教養学部(GIS)には、連合王国の外交関係の観点から、英語を使用言語として、対EU関係を論じている授業もあります("UK: Society and People")。これらの授業と比較した時の、本授業「地域協力・統合」の特色は、上述のような実学的な切り口はとらず、高校までの世界史の知識を確かめながら、これからの国際社会で活躍する人材が身に付けておくべき基礎教養として、思想史や文化史に焦点をあてつつ、「ヨーロッパとは何か」について認識を深めることにあると言えます。
到達目標Goal
①「ヨーロッパ」の地理的広がりについて、みずからの考えを述べることができる。
②古代ギリシア、ヘレニズム、古代ローマの文化的・政治的・哲学的遺産と「ヨーロッパ」を関連付けて(専門家としてではなく)学部学生にふさわしいレベルで論じることができる。
③西ローマ帝国崩壊前後以降、10世紀にいたるゲルマン人、ノルマン人、スラブ人の民族大移動と「ヨーロッパ」の形成を、各国史との関係で(専門家としてではなく)学部学生にふさわしいレベルで論じることができる。
④カトリシズムを軸として形成される中世の西ヨーロッパと、正教を軸として形成される東ヨーロッパや、イスラームの拡大を関係づけつつ(専門家としてではなく)学部学生にふさわしいレベルで論じることができる。
⑤ルネサンス期を特徴づけるユマニスムの人間論上の意義、大航海時代における非ヨーロッパ地域への影響、宗教改革後の諸戦争がもたらした信仰と政治の関係性について、(専門家としてではなく)学部学生にふさわしいレベルで論じることができる。
⑥ヨーロッパ各国における絶対主義および啓蒙専制主義のもとでの商業の発展をつうじて発生した「ヨーロッパ中心主義」的な意識に関し、肯定・否定の両面から論じることができる。
⑦イギリス、アメリカ、フランスや他のヨーロッパ諸国にみられる人権や民主主義にもとづく思想・制度の発達について、(専門家としてではなく)学部学生にふさわしいレベルで論じることができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・基本的に、授業時間(100分)の前半65分程度は、受講者全体へのフィードバック(10-15分)と講義(45-55分)にあてている(2020年度実績)。
・授業時間(100分)の後半35分程度を、グループディスカッションにあてている(2020年度実績)。
・第14回(最終回授業)では、希望する学生(強制ではない)による報告や発表を行ってきている(2020年度まで毎年継続している)。
・毎回の授業資料は学習支援システムやGoogle Classroomをつうじて事前に配布している(2020年度実績)。
・学習支援システムを利用し、小テスト(全員必須)や期末レポート(希望者のみ)の提出を行う(2020年度まで毎年継続している)。
・この授業は秋セメスター(後期)科目である。このシラバスを執筆している2021年1月の段階で、2021年9月~2022年1月の感染拡大状況を予想するのは困難であり、教室における対面授業ができる場合、オンライン授業になってしまう場合、両方を想定しているが、どのような比率になるかは秋セメスター開始以降の感染状況、法政大学の方針を踏まえ決定する。ただし、いずれの授業形態の場合も、授業の進め方や方法には、あまり影響はないと考えている。
・授業内容の録画や録音の一部、ならびに授業時間内に扱い切れなかった内容を補足する動画を、受講者の個人情報の保護に留意しつつ、受講者のみが視聴できる形で共有している(2020年度実績)。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:受講上の約束事
授業内容の紹介、注意事項の説明 ※プリント「地域協力・統合 受講者への注意」を配布
2:ヨーロッパの地理的定義
ユーラシア大陸から突き出た「半島」としてのヨーロッパ:東の境界は?
3:人の移動と石器・青銅器・鉄器時代
ヨーロッパ各地に広がるケルトの文化
4:考古学的定義
ギリシア世界
5:神話と政治
「ヨーロッパ」の語源とされる諸神話や、「アジア」と対比した際のギリシア世界の特質とされるものについて学ぶ
6:ヘレニズムと地中海世界
「ギリシア文明」の地理的拡大
7:古代ローマ
ローマの盛衰と遺産としての法制度や建築
8:西ローマの崩壊と民族大移動
統一的な地中海世界の終わり=「文明」の崩壊のイメージ及びアジア諸民族の侵入
9:「周縁」としてのヨーロッパ
いわゆるノルマン人の全ヨーロッパへの進出、スラブ人の中東欧への進出
10:フランク王国と「12世紀のルネサンス」
西ヨーロッパにおけるカトリシズムを軸とした中世的秩序の形成
11:大航海時代とルネサンス、宗教改革
ポルトガルによるアフリカ大陸西岸の航海、ユマニスム的な「人間の尊厳」の観念、プロテスタンティズムの発生によるカトリック圏としての西ヨーロッパの分裂
12:16世紀-17世紀のヨーロッパ政治史
ハプスブルク家、オスマン・トルコ、テューダー朝のイギリス、ユグノー戦争、三十年戦争。西ヨーロッパ諸国間の紛争の新大陸やアジアにおける展開
13:「主権」の発動たる戦争、その悲惨を目の当たりにした人々による平和の希求
ジャック・カロ「戦争の悲惨」。クリュセ、コメニウス、ペンらに芽生えた統合の思想
14:啓蒙思想と革命
君主を含めた主権者同士の連合から、民主主義、ナショナリズムの時代への移行
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・小テストを実施します。これは全員必須で、学習支援システム(インターネット)上で受験します。
・本授業の準備・復習時間:準備に関しては、次回授業の資料をダウンロードする時間、復習に関しては、学習支援システムにおいて小テストを受験するのに必要な時間が、最低限必要である。ただし、日本語を必ずしも母語としない学生を含め、多様な学生が受講する授業であり、また情報環境やITリテラシーにも学生間で違いがあるため、一律の時間数の形では表記しない。
テキスト(教科書)Textbooks
学習支援システム-HoppiiやGoogle Classroom上でPDFファイル等のかたちで配布する。
参考書References
授業内で指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
下記の成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の 60%以上を達成した者を合格(レターグレードでCマイナス以上)とする。
・期末テストは行わない 0%
・小テストの受験【全員必須;授業終了後、次回授業の開始時刻までの1週間を受験期間として設定するので、その間に必ず受験してください。Hoppiiを使うので、体育会や就職活動中の学生、多摩キャンパスの学生もネット上で受験できる】45%
・運営への協力【希望者のみ;配布資料の誤字や、内容の誤りの指摘。オンライン授業となった場合は、オンライン授業の受講に必要なスキルを学生間で共有するなどのかたちの運営協力を含む】10%
・グループディスカッション&学生間の共働【グループディスカッションへの参加や、Google Classroom 上での意見のとりまとめ、とりまとめた結果の教員への送信、等】10%
・期末レポート【希望者のみ】35%。(ただし、教員に指名され期末レポートの内容を口頭発表した人には、特別点を加算する。)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・オンラインで行う授業回が混じった場合、あまり過剰な学習負担とならないよう配慮しています。
・「成績評価の方法と基準」の「グループディスカッション&学生間の共働」は10%と低めの配点にしてあります。これは、オンライン授業となった場合に、システム側の接続障害や、学生の操作ミスでうまく参加できないことが予め想定されているためです。グループディスカッションに熱心に参加してくれる受講者が多数派ですが、配点は10%であり、あまり点数にはなりません。ただし、対面授業ができない状況でも、講義に加え、学生同士の対話や交流ができる環境を整備するという意味で、重要だと考えています。
・2020年度、1年間オンライン授業をやりましたが、初めての体験でした。そこから感じたのは、ソフトウェアを使って文章を書いたり、プレゼンテーションを行ったりすることに加え、リアルタイムのビデオ会議や録画を使って、みずからの考えや思いを伝えていくことが、学生にも教員にも、これからの時代は必須になっていくのだろうということでした。オンライン授業があまり好きでない、苦手と感じている学生さんも一部おられることは承知していますが、オンライン上でのコミュニケーション・スキルを身に付けていくことも、大学における学びの一環であると前向きに捉えていただければ幸いです。
・特に4年生以上でみられる現象ですが、1月に入ってから、単位がとれないと困るという相談をしてくる方がいます。定期試験の欠席が認められるような疾病等の正当な事情がある場合に限り配慮を致します。この場合は、教員に直接メールを送信する前に、まずは所属学部の事務室にご相談ください。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
・対面授業の場合も、教材の配布や小テストの受験は、すべてLMS(学習支援システム-HoppiiとGoogle Classroom)上で行うため、スマートフォンでも可だが、できればパソコンやタブレットの利用に習熟していることが望ましい。
・感染拡大の状況によるが、ブレイクアウトルーム(学生数名でのグループディスカッション用)機能を含め、オンライン授業の場合はZoom(バックアップとしてGoogle Meet)を使う。そのため、できれば有線接続で、通信容量に制限のない状態にしておくのが望ましい。
・この科目を単位履修する場合、学習支援システム-HoppiiやGoogle ClassroomといったLMSに、初回授業後、仮登録を各自行ってください。
・学習支援システム>「成績簿」でリアルタイムの自分の成績を見ることができる。ただし、期末レポートの得点を除く(成績入力が間に合わないことが多い)。
・連絡はメールでお願いします。メールアドレスは学習支援システムを見てください。