人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
LAW200HA(法学 / law 200)刑法の基礎Basic Principles of Criminal Law
渡辺 靖明
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | C2012 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
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Outline (in English)
What kind of action is subject to punishment as a crime? What is the basic principle of criminal law to consider crime and punishment? We will learn it through concrete examples. And we will thik the meaning and role of criminal law in society.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「刑法」とは、「犯罪」と「刑罰」とを定めた法律(公的ルール)のことです。それでは、どのような行為が「犯罪」として処罰の対象となるのでしょうか。また、その前提となる刑法の原則とはどのようなものでしょうか。この授業では、これらについて具体的な事例をつうじてまなび、刑法の社会における意義と役割とを考えます。
新型コロナ・ウィルスの世界規模での感染拡大によって、私たちは、「新しい生活様式」に順応することがもとめられています。ワクチンの開発によって脱コロナへの光がすこしみえてきたとはいえ、まだまだいろいろと先がみとおせず、不安な日々をおくっている人もおおいでしょう。
もっとも、新型コロナ発生前から、私たちの現代社会は、環境の変動、AIの加速度的な発展などにより、VUCAとよばれる、変動し、不確実、複雑で曖昧な時代にはいっていると指摘されていました。つまり、私たちの未来は、予測不可能で不透明なものになっているというのです。
そのようなVUCA時代において未知の課題に対応するためには、これまでの価値観や伝統にとらわれず、新しく多様な発想がもとめられているともいわれています。そのような発想を伸ばし育てるには、私たちの個性をより一層尊重し、多様性を重視する社会にならなければならないというのです。
しかし、そうだとしても、個性の尊重と多様性の重視は、他の人や社会にどんなに迷惑をかけても、自分さえ幸せで自由でありさえすればいいということとおなじ意味でしょうか。
たとえ予測不可能で先行き不透明な時代であっても、私たちがお互いに助けあい、誰でも幸せに生きていける「共存の社会」が理想だとすれば、そのために変わらず守るべきものとは何かをよく理解しておく必要があるのではないでしょうか。
刑法は、このことを考えるうえでうってつけの法律です。何しろ、いまの日本の刑法ができたのは1907年であり、110年以上基本的におおきな改正をされることなく、現在でも重要な法律として通用しているからです。
それでは、この「古い」刑法が、いまも変わらず守るべきものだと考えていることとは一体何でしょうか。また、このことを前提として、現代の社会で、刑法(あるいは法)でできることと、できないこととは何でしょうか。そしてその理由とはどのようなものでしょうか。
刑法の概要をまなぶことをつうじて、こうしたことを理解することは、VUCA時代でも他の人と仲良く共存しながら誰もが幸せに生きていくためのヒントになるかもしれません。
到達目標Goal
法と倫理・道徳との異同、刑法の意義・役割・限界、刑罰の目的や刑法と他の法律との関係をふまえて、刑法の一般原則および犯罪の一般的・個別的な成立要件等や、さらにこれにかんする判例(裁判所の判断)および学説の議論を理解し、これらの基礎知識を修得することが、この授業の到達目標です。
レジュメには、〔確認問題〕・〔検討問題〕を適宜もうけます。基礎知識修得の目安は、その各問題の解答と理由とを理解し、それを文章(言語)できちんと説明できるようになることです。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本授業は、遠隔授業での講義となる予定です。
各回ごとに、講義録音とレジュメをアップし、具体的事例について検討して、各回のテーマごとの理解をはかります(第1回はレジュメのみアップする予定)。
録音は、OATubeにアップする予定です。課題提出後の授業、または学習支援システムにおいて、提出された課題からいくつかポイントを取り上げ、全体に対してフィードバックを行う。大学の行動方針レベルの変更に応じた授業形態の詳細は学習支援システムでお知らせします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:「刑法」とは何か。
法(律)の意義、法の体系および「刑法」の意義をまなぶ。
第2回: 殺人罪①-犯罪の一般的成立要件
犯罪の一般的成立要件および刑法における人の「生」と「死」をめぐる議論などをまなぶ。
第3回: 殺人罪②-犯罪の故意・過失
犯罪の故意と過失、故意犯処罰の原則、責任主義などについてまなぶ。
第4回: 殺人罪③-罪刑法定主義
胎児性致死傷と罪刑法定主義との関係などをまなぶ。
第5回: 傷害罪
傷害の意義および傷害と傷害致死との関係(刑法の因果関係)などをまなぶ。
第6回: 自殺関与・同意殺人罪
刑法における被害者の同意の意義および同意の有効性と刑法の最終手段性の原則との関係などをまなぶ。
第7回: 安楽死・尊厳死
終末期期医療における安楽死・尊厳死と刑法との関係などをまなぶ。
第8回: 刑罰論
刑法の刑罰と民法の損害賠償・行政法の行政処分との違いや、国家が市民に刑罰を科すことの正当な根拠をめぐる議論などについてまなぶ。
第9回: 脅迫罪・強要罪・監禁罪、強制わいせつ罪・強制性交等罪
意思決定の自由、性的自由に対する罪の基礎をまなぶ。
第10回: 住居侵入罪
住居権・住居の平穏に対する罪の基礎をまなぶ。
第11回: 名誉毀損罪・侮辱罪真実性の証明による免責
名誉に対する罪の基礎および刑法における名誉の保護と表現の自由の保障との関係をまなぶ。
第12回: 財産に対する罪
財産に対する罪の共通原則および個別の犯罪の基礎をまなぶ。
第13回: 放火罪・偽造罪
放火罪(公共危険犯)、偽造罪(取引の安全に対する罪)の基礎をまなぶ。
第14回: 賄賂罪
汚職の罪(国家の作用に対する罪)の基礎をまなぶ。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
配布レジュメや刑法の参考書等で予習・復習をする。とくに復習時には配布レジュメ中の各事例や〔確認問題〕・〔検討問題〕を中心に理解を深める。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間が標準となる。
テキスト(教科書)Textbooks
なし。配布レジュメを使用します。
参考書References
とくに指定はしません。おすすめの参考書は、開講時に説明します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
成績評価は、授業であつかった基礎知識を問う期末の最終レポート80%、適宜提示する小課題20%の総合評価でおこなう予定です。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
昨年度も録音聴講形式の遠隔授業でしたが、受講生からは、はじめはこの形式で理解ができるか不安だったものの、最終的には刑法の基礎知識が深くまなべた、録音形式なのでわからないところは繰りかえし確認できたのでよかったという感想を書いてくれた人もすくなくありませんでした。
その一方で、講義録音の聴講数は、小課題や最終レポートの提出期限前に集中することもおおかったです。
ゆとりをもって聴講でき、一層理解のしやすい講義となるように努力をかさねたいと思います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
学習支援システムで、レジュメや課題・レポートの提示をします。
また、ネットをつうじて講義録音を聴講できることが受講の前提となります(OATubeの視聴方法については、開講時に支援システムをつうじて連絡します)。
その他の重要事項Others
「憲法の基礎」、「行政法の基礎」、「民事法Ⅰ・Ⅱ」等の他の法律系科目もあわせて履修しておくと、「刑法の基礎」の授業内容の理解が一層深まるでしょう。また、秋学期開講の「環境法Ⅳ」(環境刑法)では、主として環境犯罪についてまなびます。「刑法の基礎」を履修しておけば、「環境法Ⅳ」の授業の内容をより深く理解できます。
なお、刑法にかぎらず、法律学は、条文、判例、学説の理解が基本です。これらを充分に理解せずに、自分のこれまでの断片的な知識・経験による見解だけを一方的に主張しても、法律をまなんだことにはなりません。受講にあたり、またレポートの作成・提出時には、このことをよく理解しておいてもらいたいと思います。
関連の深いコース
履修の手引き「D.6 専門科目一覧・コース関連科目表」を参照してください。
実務経験のある教員による授業
本科目は、「実務経験のある教員による授業」に該当しません。