国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
POL500G1-115(政治学 / Politics 500)異文化社会論ⅠBPerspectives on Diverse Cultures & SocietiesⅠ B
植民地社会と国際関係
今泉 裕美子Yumiko IMAIZUMI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X2013 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
This course will introduce students to understand colonial society consisting of diverse cultural backgrounds under colonial system of international relations. As we focus on "Pacific Islands," students will seek to understand them through themes include global process of colonization and decolonization, nationalism and identity, militarization as neocolonialism reflecting the complex nature of contemporary global issues. Students will be also familiar with International Studies and Regional Studies.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
植民地社会を、異なる文化をもつ人(及びその集団)同士の関係から捉え、それが国際関係をどう作り出し、支え、変化させ、現代世界を特徴づけているのか、を学びます。本年度は”Pacific Islands”を対象としますが、ここに関する理解を深めることに加え、世界の諸地域社会に生じる事象、問題を考察するための視点と方法を学びます。
到達目標Goal
①植民地社会を人の移動、諸運動、くらし、経験などから考察し、これに必要な基本的な概念、理論、思想が理解できる。
②国際関係の展開を、植民地支配体制と地域社会の相互の連関から理解し、現代世界に生起する事象、問題との関係性を分析できる。
③広領域学としての国際関係学(International Studies)、および地域研究の方法を学び、自分の研究にどのようにいかせるかを検討する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」,「DP2」,「DP3」の達成のために特に重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
①授業はオンラインで行う可能性がある(ただし【その他の注意事項】を確認すること)。レジュメや資料は、教員からの指示に応じて事前に、あるいは授業中にダウンロードして閲覧、視聴する。
②毎回担当者を決め、割り当てられた文献や資料について報告し、議論する。
③自分の研究テーマや専門分野に引き付けて理解する。
④本授業に関連する国内外の情勢、受講生の理解度、関心に応じて授業計画を一部変更することがある。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:オリエンテーション-
授業内容と進め方、注意事項の確認。本授業について受講生の関心を聞き、意見交換する。
2 :"Pacific Islands"とは?①
広義の"Pacific Islands”について、これら地域への人類の進出とくらし、外来者から与えられた名称・区分、それらに対する住民側からの捉え直しをEpeli Hau'ofaなどを取り上げて理解し、植民地化の歴史を把握する。
3 :"Pacific Islands"とは?②
狭義の"Pacific Islands”について、人々のくらし、植民地化の歴史を把握する。
4 :委任統治と信託統治①
委任統治制度を第一次世界大戦の特徴から理解する。
5 :委任統治と信託統治②
信託統治制度を第二次世界大戦の特徴から理解する。
6:委任統治と信託統治③
信託統治のなかで唯一「戦略的信託統治」となった”Pacific Islands”について学ぶ。
7:中間のまとめ
ここまでの授業の論点を整理し、後半の授業につなげる。
8:「ナマコの眼」からみた”Pacific Islands”①
「ナマコの眼」で見るとは?テキスト:鶴見良行『ナマコの眼』
9:「ナマコの眼」からみた”Pacific Islands”②
「ナマコの眼」から何を見るか?
テキスト:鶴見良行『ナマコの眼』
10:「ナマコの眼」からみた”Pacific Islands”③
「ナマコの眼」からどう見えるか?:鶴見良行『ナマコの眼』
11:隔てる海を、ふたたび、つなぐ海へ①
"Pacific Islands"をめぐる人の移動を考える。
12:隔てる海を、ふたたび、つなぐ海へ②
"Pacific Islands"をめぐるさまざまなレベルの「地域」協力・交流を考える。
13:隔てる海を、ふたたび、つなぐ海へ③
環境、ジェンダー、軍事基地化などを事例に、脱植民地化について学ぶ。
14:まとめ
本授業の内容を総括する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・【成績評価の方法と基準】に記した内容にそくして予習、復習し、授業には質問や議論したいことをそれぞれ二つ以上用意する。
・本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
今泉裕美子「太平洋の「地域」形成と日本―日本の南洋群島統治から考える」李成市他編『岩波講座日本 歴史第 20 巻(地域論)』岩波書店、2014年。
鶴見良行『ナマコの眼』筑摩書房、1990年(文庫版は1993年)。
ジェーン・ディブリン(沢田朋子他訳)『太陽がふたつ出た日-マーシャル諸島民の体験』紀伊國屋書店、1993年(原著は1988年)。
Epeli Hau'ofa, "Our Sea of Islands," The Contemporary Pacific, Vol. 6, No. 1 (1994):E-publication https://www.jstor.org/stable/pdf/23701593.pdf?refreqid=excelsior%3A0d51c570bc45b93d68fe6ac0eb872349.
参考書References
大島美穂他編『「国際化」する地域研究』文化書房博文社、2009年。
加藤一夫『ビキニ・やいづ・フクシマ』社会評論社、2017年。
吉岡政徳監修、遠藤央他編『オセアニア学』京都大学学術出版会、2009年。
百瀬宏『国際関係学』東京大学出版会、1993年。
百瀬宏『国際関係学原論』岩波書店、2003年。
Bruce Cumings, "Boundary displacement: Area Studies and
International Studies during and after the cold war," Bulletin of Concerned Asian Scholars, 29:1(1997):E-publication https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14672715.1997.10409695
Sasha Davis, The Empires' Edge: Militarization, Resistance, and Transcending Hegemony in the Pacific(2013):E-publication https://muse.jhu.edu/book/35746.
その他、授業時に提示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
基準:①報告者も非報告者も、前回までの授業内容を踏まえ、その回のテキストを適確に理解し、不明な点を調べて参加、②授業では情報提供、意見・質問・論点の提出、ディスカッションの進行などによる貢献、③レジュメの内容と様式、プレゼンの仕方、求められた提出物の内容、により評価する。
配分:授業への参加度・貢献度50%、報告や提出物を総合して50%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
前年度に担当していため記入する内容がない。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
・オンライン授業では、パソコンかタブレットを準備することが望ましい。
・オンライン授業ではZoomを使う予定であるが(他を使用する場合はあらためて指示する)、提出物は学習支援システムを通じて提出してもらう。
・動画や画像を配信する場合があるため、有線接続など安定的な接続環境で、通信容量に制限がない状態にしておくのが望ましい。
その他の重要事項Others
・社会情勢の変化、これに伴う大学の方針によって授業形態が変化する場合は通知する。
・およそ30年にわたって行ってきた日本国内、ミクロネシアでの聞き取りを踏まえ、沖縄県県史、市史などの編さん、執筆に関わって来た。また米国議会図書館のNan’yo Collectionや琉球大学付属図書館矢内原忠雄文庫(http://manwe.lib.u-ryukyu.ac.jp/yanaihara/about.html)など複数の機関で、旧南洋群島関係の史料の発掘、整理、公開に関わった。「大文字の歴史」と「小文字の歴史」の関係を、史資料の発掘、分析と同時に、地域住民の経験をどう記録し、歴史として次世代に継承するか、そのための聞き取りの方法、地域外の研究者として地域にいかに関わるのか、から取り組み続けている。この経験に基づく「地域研究」の方法を紹介し、受講生とともに考えてゆきたい。
担当教員の専門分野等
法政大学学術研究データベース http://kenkyu-web.i.hosei.ac.jp/Profiles/18/0001794/profile.html を参照。