公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
SOC500P1-213(社会学 / Sociology 500)文化政策研究Study on Cultural Policy
松本 茂章Shigeaki MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X9075 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期前半/Spring(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 月6/Mon.6,月7/Mon.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
公共政策学専攻 (修士課程)政策研究コース専門科目 |
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Outline (in English)
This course is designed for students who want to learn the actual situation and problems of community development with cultural activities in Japan. We are going to focus especially on municipal cultural policies, including tourism promotion, landscape conservation, and revitalization of central urban area. At the same time, however, it is possible to deepen your understanding of governmental cultural policies, with which municipalities have to build a mutually complementary relationship in order to realize these policies. Each of the cities or towns familiar to students is an important subject for our study. The main objective of this course is to extend the whole knowledge of cultural policies through concrete examples enough to discuss with each other and consider together the community development with arts and culture in the 21th century. Sometimes field research in Tokyo will be conducted.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
自治体の文化政策についての理解を深め、論議することをテーマとする。狭義の自治体文化政策は文化施設の設置と運営、文化事業の展開が中心になるだろうが、本授業では広義の自治体文化政策にも話を広げたい。観光振興や景観保全など文化を通じたまちづくりにも言及する。
(対面授業を予定するが、感染拡大の状況次第で、ZOOM等を用いたリアルタイムのオンライン授業に変更される可能性がある)
到達目標Goal
中央政府の文化政策を総括したうえで、近年に展開されている自治体文化行政あるいは文化政策の経緯と現状を修得する。その後、都内を中心とした自治体文化政策の事例を学ぶ。現地を踏査することで、現状把握に努める。
視察をもとに、受講生は自らの出身地あるいは現在の居住地のありようについて調べ、討議し、21世紀の地域づくりを考える。
観光振興や景観保全に関する政策についても取り上げ、受講生の視野を広げたい。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては「DP1」「DP3」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻政策研究コースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP3」は特に強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本研究科では、21年度において、原則として対面授業を行う。(感染拡大等に伴い緊急事態になった場合、オンライン授業に変更される可能性もあり、その際は追って指示する)
授業では、広義の文化政策を積極的に取り上げようと考えている。文化による地域活性化、まちづくりである。文化施設の設置あるいは文化事業の実施によって、まちの空気が変わっていく……。そのような先駆的事例を紹介しつつ、都内を歩いて現場を体験したいと想定している。
身近な課題である都心再開発、観光振興、都市景観などについて、具体的な事例を挙げながら論議を重ね、わが国の将来像を検討する。受講生とともに21世紀のまちづくりを考えていく。
しかし、政策は「生きもの」なので、適宜、新しいニュースが入れば、授業計画を変更して、新たなことに言及する可能性があることを了承願いたい。
視察については、シラバス作成時点で具体的な場所を明記できない。市ヶ谷という都心に立地する法政の地理的利点を生かしたいと考えている。
受講生は自らの関心のある都市、たとえば出身地や居住地の取り組みについて調査を行い、適宜、発表することで、論議の材料を提供する。
授業の際にはリアクションペーパーの提出を求める。先述の論議や同ペーパーを受けて受講生と意見交換を重ね、フィードバックしていく。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
春学期前半
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:◆ガイダンス/授業の進め方
・授業目的の説明。どのように授業を展開するかの言及。および大学院での勉学の心得。
第2回:◆中央政府が展開した文化政策の歴史と特徴
・明治以降に展開した中央政府の文化政策の過程を振り返る。
第3回:◆自治体が展開した文化政策の歴史と特徴
・戦後に始まった県や市町村の文化政策の歩みを振り返る。
第4回:◆東京での試み
・東京各区は、競い合いながら文化のまちづくりを進めており、経緯と現状を学ぶ。
第5回:◆京都市の文化政策
・京都芸術センターの設立過程と現状を報告する。自治体の文化施設のありようと指定管理者制度に触れる。
第6回:◆横浜市等の文化政策
・横浜市などの動きについても言及する。黄金町での取り組みやアート系映画館「シネマ・ジャック&ベティ」の活動などである。
第7回:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時は未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第8回:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時は未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第9回:◆京都市の観光政策
・京都の観光政策について説明を行い、東京のまちづくりと比較する。
第10回:◆京都市の景観政策
・わが国で最も厳しいとされる京都市の景観条例について説明を行い、東京のまちづくりと比較する。
第11回:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時は未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第12回:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時は未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第13回:◆受講生からの報告
・受講生が自ら関心のある都市の現状を報告して論議する。
第14回:◆まとめ
・これまでの学びや視察を踏めて全員で討議する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
(授業開始前、あるいは授業初回に受講生と相談して、以下のうちから指定する)
・松本茂章『日本の文化施設を歩く 官民協働のまちづくり』水曜社、2015年
・松本茂章編『岐路に立つ指定管理者制度 ー変容するパートナーシップ』水曜社、2019年
・松本茂章編『文化で地域をデザインする 社会の課題解決と文化をつなぐ現場から』学芸出版社、2020年
・松本茂章編『はじまりのアートマネジメント』水曜社、2021年3月刊行予定
参考書References
松本茂章『官民協働の文化政策 人材・資金・場』水曜社、2011年
このほか、必要があれば、適宜、授業中に指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
出席点50%(単位取得には3分の2以上の出席が必要)
平常点20%(授業中の発表、発言、出席カードのコメントなど)
期末レポート30%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
文化施設等を訪ねるフィールドワークは毎年好評なので継続する。
法政大学公共政策研究科は都心にあり、地理的に恵まれている。この環境を生かして都内各地に足を運ぶ予定である。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
文化政策研究は、市民社会ガバナンスコースの専門科目に含まれているものの、自治体文化政策を主に取り上げるので、ぜひ公共マネジメントコースの院生にも受講していただきたい。自治体職員やNPO職員、あるいはこれらを目指す院生にも参考になる、と考えている。
政策は日々動いているので、新たな取り組みが展開したり話題になったりした場合、ニュースとして直近の動きを取り上げる場合がある。視察に関しても、ゲストの都合や天候などを考慮して変更される場合がある。このため、上記の授業計画の内容や順番は変更される可能性があることを事前に了承願いたい。
視察に関しては、交通費、入館料は自己負担であることを、あらかじめ了承して受講すること。
社会人受講生の場合、仕事に追われるため、日々の通学は大変だと思われるが、頑張って出席していただけければ……と願う。やる気のある院生の受講を期待する。
講義のなかで、おりをみて、修士論文作成に臨む姿勢や図書館の利用等についても助言する。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
政策科学、文化政策学、まちづくり政策論
<研究テーマ>
自治体文化政策の現状と課題、文化による地域デザイン、文化施設研究、指定管理者制度
(日本アートマネジメント学会や日本文化政策学会などに所属)
<主要研究業績>
◆単著
松本茂章『芸術創造拠点と自治体文化政策 京都芸術センターの試み』)(水曜社、2006年)
松本茂章『官民協働の文化政策 人材・資金・場』(水曜社、2011年)
松本茂章『日本の文化施設を歩く 官民協働のまちづくり』(水曜社、2015年)
◆共編著
中川幾郎、松本茂章編『指定管理者は今どうなっているのか』(水曜社、2007年)
など
◆共著
『入門 文化政策』(ミネルヴァ書房、2008年)
『地域の自律的蘇生と文化政策の役割』(学文社、2011年)
『都市自治体の文化芸術ガバナンスと公民連携』(公益財団法人日本都市センター、2018年)
など