公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
POL500P1-127(政治学 / Politics 500)自治体政策実践論3Local Government Policy Studies 3
宮﨑 一徳、渡邊 勝道、青山 貴洋Kazunori MIYAZAKI, Katsumichi WATANABE, Takahiro AOYAMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X9063 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期後半/Spring(2nd half) |
曜日・時限Day/Period | 土3/Sat.3,土4/Sat.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
公共政策学専攻 (修士課程)公共マネジメントコース専門科目 |
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Outline (in English)
Financial problem of today’s Japanese government and local governments by development of the declining birthrate and a growing proportion of elderly people, and difficulty of the correspondence to personal various needs and occurrence of pursuit of the quality are making necessity of the new policy development which isn’t seized with an institutional structure from the past gain.
"Sharing society" is made a subject in this lecture as the state of the society of which new policy development is desired. People try to settling various problems by cooperating with active concerning to society in those.
Watanabe deals with theory of an urban planning, theory of regional economic by an ideology and a case in the actual area from manifestation in the city as a stage of regional economic.
A case of "Contemporary So-yu" is indicated as the case in the actual area. That's a development trust, is an employee property company and is a community business.
Watanabe aims to understand the role to those local government, regional economic and society by a member of a class's learning these systems and the form of the property and the management.
Miyazaki pays attention to the role of "legislation by member" in particular. It's to study pluralism-like policy proposal and sovereign awareness and indicates the reality with which a bureaucratic institution and a citizen “share” in policy making.
Aoyama practices area the regional disaster prevention power by "citizen" with a theme of a lecture. A case by mutual assistance in an early stage is studied at the time of an accident, and the reality of the “share” in disaster prevention of "self-help, mutual assistance and official help " is indicated.
3 lecturers always participate in a lecture basically, and it's advanced while sharing argument.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
『シェアリング・ソサイエティ』(都市政策・地域防災・立法政策)
少子高齢化の進展等を起因とする様々な社会問題への対応の困難さは、従来からの制度の枠組みにとらわれない、新たな政策展開の必要性を生じさせている。『シェアリング・ソサイエティ』は、人々が社会に対し能動的な関わりを持ち協力することによって、様々な問題を解決していこうとする取組であると考える。
渡邊は、地域経済のステージとしての都市の発現から都市計画の理論、イデオロギーによる地域経済の理論と実際の地域での事例のうち、特に都市における「シェアリング」の実践理論である「現代総有」の事例であるデベロップメントトラスト・従業員所有会社・コミュニティービジネスなどの事業体の制度や所有と管理の形態について学ぶことで、これらの自治体と地域経済、社会に対する役割の理解を目指す。
宮﨑は、多元的な政策提言、それを支える主権者意識等を論ずることにより、政策立案を官僚機構と議員立法が「シェアリング」している実態、必要性に関する理解を目指す。
青山は、「市民」による地域防災力をテーマに、災害時初期段階の共助による事例から、「自助・共助・公助」の防災における「シェアリング」の実態と必要性に関する理解を目指す。
本講義は、3人の講師がそれぞれの部分のみを担当するのではなく、基本的に常時3人で、それぞれの事象の中にある「シェアリング」の内容を認識し、議論しながら行うものである。
到達目標Goal
院生が『シェアリング・ソサイエティ』の事例を通して、そうしたものの政府・自治体と経済、社会に対する役割を理解することができる。講義を通し、院生がそれぞれの研究対象の背景にある社会の動きについて、自ら考えを深め、既定概念にとらわれない研究の展開をもたらすことを目指す。人々の能動性を、一般的な政策展開と言われるものと比べ、より多く求めるとも考えられることから、人々の関わり方についての議論は普遍的なものという点で、どんな研究対象を扱う院生に対しても幅広く有益なものになると考える。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては、「DP1」「DP4」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻政策研究コースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP4」は特に強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本、対面での講義方式で行う。知識の蓄積に応じ、グループディスカッション等により汎用的能力の育成を図る。状況によりオンライン併用もあり得る。適宜、各人の研究における関心事項に関し、講義で得た知見との関係等について発表をしてもらい、それに各講師が所見を述べることや、レポート作成に関し、個別に協議を行うこと等で、フィードバックを行いたいと考える。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
春学期後半
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:『シェアリング・ソサイエティ』のイノベーションとルールメイキング(渡邊、宮﨑、青山)
イントロダクション、3講師から担当概要等説明。土地基本法改正、現代総有の展開。
第2回:「議員立法の役割」(宮﨑)
内閣官房・内閣府の拡大と対応、「基本法類」の分析、「議員立法の役割」。
第3回:コミュニティと社会改良家の都市(渡邊)
都市と地域経済についての基礎知識。協働型コモンズとコミュニティについて学ぶ。産業革命以後の社会改良家の都市について学ぶ。
第4回:レッチワース田園都市(渡邊)
レッチワース成立の背景について学ぶ。都市の経営と地域経済について理解する。
田園都市が近代都市計画に与えた影響について。
第5回:社会主義と地域経済、開発トラスト(渡邊)
社会主義圏では地域経済をどう考えたかを理解する。英国のD.T.などのシステム等について理解する。
総有型社会の成立について考える。
第6回:総有型事業地区研究・ネットコミュニケーション(渡邊)
①丸亀商店街のシステムを学ぶ。②富山市八尾町、松阪市御城番屋敷のシステムを学ぶ。③大丸有地区のシステムを学ぶ。④神奈川県真鶴町の美の条例の背景と地域経済への影響について。ネットテクノロジーが都市に与える役割について学ぶ。
第7回:「自助・共助・公助」概論(青山)
①自助、共助、公助とは(福祉と防災の視点)
②広領域を担う共助(互助領域と公共領域)
③共助と市民
第8回:公助と自助の実態(青山)
①公助(自治体の食料備蓄状況と配布の課題)
②自助(家庭備蓄の現実と重要性、なぜ「備蓄」は進まないか)
第9回:災害時空白期間における二つの共助(青山)
①避難所における共助とリーダーシップ
②ボランティアによる避難所良好運営の刺激
第10回:「自助・共助・公助」による地域防災力(青山)
①被災地域での共助の取り組み
②シェアリング・ソサエティと地域防災力
第11回:多元的政策提言(宮﨑)
議員立法の実態、国会審議のしくみ、多元的政策提言(「市民立法」、「草の根ロビイング」、パブリックアフェアーズ)。
第12回:地方分権と政策提言(宮﨑)
提案型地方分権改革。シティズンシップ教育とアドボカシー。
第13回:地域の問題の解決のために1(渡邊・宮﨑・青山)
<大手町周辺でフィールドワーク>
大丸有のまちづくり調査
第14回:地域の問題の解決のために2(渡邊・宮﨑・青山)
<大手町周辺でフィールドワーク>
全体のまとめ。何を学んだのか、何に問題意識を持ったのか。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
参考書を事前に読むほか、講義資料に関連する案件につき、調査・検索し、まとめる。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
青山貴洋『地域防災イノベーション 自助・共助・公助で「空白期間」を乗り切る』文芸社、2020年。
その他、講師が配布する講義資料。
参考書References
五十嵐敬喜編著『現代総有論』法政大学出版局、2016年。
五十嵐敬喜『議員立法』三省堂、1994年。
宮﨑一徳『議員立法の役割』法政大学大学院学術機関リポジトリ(後掲参照)
青山貴洋『「自助・共助・公助」と「市民」による地域防災力 ―食料危機管理政策からみた災害時空白期間における相互補完的防災体制の可能性―』法政大学学術機関リポジトリ(後掲参照)
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業での学習状況や参加度である「平常点」30%、期末試験(レポート)70%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
講義とは別に講師と受講生の有志で行った大手町周辺でのフィールドワークが好評であったので、講義の中で行うこととする。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
授業終了後に教室で質問を受け付ける。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
<研究テーマ>
<主要研究業績>
渡邊勝道
<専門領域>公共政策学(都市政策)、都市・建築計画学
<研究テーマ>共有・協同(総有)によるポスト資本主義社会の構築
<主要研究業績>
①渡邊勝道「空間共有への軌跡」、『現代総有論』五十嵐敬喜編 法政大学出版局2016年
②渡邊勝道「ユートピアと田園都市」、『KEIKAN』日本景観学会誌2015年
③渡邊勝道「五十嵐都市論を読み解く」法政大学法学誌林2014年
宮﨑一徳
<専門領域>公共政策学(立法過程論)
<研究テーマ>議員立法、多元的政策提言、内閣官房・内閣府の拡大
<主要研究業績>
①宮﨑一徳『議員立法の役割』法政大学学術機関リポジトリ
https://hosei.repo.nii.ac.jp/で論文検索。
②宮﨑一徳「議員立法を結実させる取組み」『公共政策志林 第6号2018年3月』法政大学大学院公共政策研究科
③宮﨑一徳「「基本法類」の構造分析」『公共政策志林 第5号2017年3月』法政大学大学院公共政策研究科
青山貴洋
<専門領域>公共政策学(災害時食料危機管理政策)
<研究テーマ>地域の食料安全保障、災害食、自助・共助・公助論
<主要研究業績>
①青山貴洋『「自助・共助・公助」と「市民」による地域防災力 ―食料危機管理政策からみた災害時空白期間における相互補完的防災体制の可能性―』法政大学学術機関リポジトリ
②青山貴洋「地域の食料安全保障」緊急時の地域食料対策によるミクロ的食料安全保障政策の探求と定量的分析への挑戦 (http://furusato-genki.jp/local_food_security_aoyama_20160212.pdf)
③青山貴洋「日本の食料安全保障政策における課題と解決に向けた一考察一農地と生産者問題からみた食料安全保障政策と緊急事態食料安全保障指針分析-」『公共政策志林第3号2015年3月』法政大学大学院公共政策研究科(PP.61-78)
④青山貴洋「平成28 年(2016 年)熊本地震の自治体対応からみる食料供給時系列検証」『日本災害食学会誌(VOL.5 NO.1)』(PP.7-17)
⑤青山貴洋「災害の脅威に立ち向かうための合理的備蓄体制への道筋~熊本地震による食料供給状況と各都道府県の食料備蓄状況の検証より~」『現代社会の脅威にいかに立ち向かうか』公益財団法人公共政策調査会,警察大学校警察政策研究センター,平成28年度懸賞論文集(PP.78-93)
⑥青山貴洋「災害時初期段階の良好な避難所運営をめぐる地域力と共助組織に関する論考」『公共政策志林 第6号2018年3月』法政大学大学院公共政策研究科(PP.39-54)