市ヶ谷リベラルアーツセンター（ILAC）ILAC Course

本授業では、開発人類学、すなわち開発援助および国際協力のテーマを文化人類学の視点から取り上げる。現在、世界の各地で、2015年に国連で定められた「持続可能な開発目標（SDGs）」の達成に向けたさまざまな取り組みが実施され、その有効性に関する調査・研究も進んでいる。21世紀において人類に課せられた課題は数多くあるが、貧困撲滅、健康向上（国際保健）、環境問題などへの対処は重要である。本授業では、これらの同時代的なグローバル・イシューを通して、開発とローカルな社会・文化・環境の持続的共存関係について考察する。

・文化人類学、とくに開発人類学の専門的な概念や理論を習得する。
・ものごとを相対的に捉えることによって得られる他者理解の洞察力を身に付ける。
・同時代的なグローバル・イシューを理解するとともに、開発とローカルな社会・文化・環境の持続的共存関係について自らの視点から考察・検討する視点を得る。

各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科：DP3・DP4、法学部・政治学科：DP1、法学部・国際政治学科：DP1、文学部：DP1、経営学部：DP1、国際文化学部：DP3、人間環境学部：DP2、キャリアデザイン学部：DP1

日本語 / Japanese

・本授業は【オンデマンド型】で行う予定です（変更の場合は学習支援システムを通して事前に連絡します）。
・授業の理解度や平常の取り組みを評価するため、随時、授業コメントや質問・疑問を求めるリアクションペーパーを課します。
・リアクションペーパー等における興味深いコメントや質問等を授業内で取り上げ、全体に対してフィードバックを行うとともに、さらなる議論に活かします。

あり / Yes

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：イントロダクション

授業の概要、成績評価方法の説明

第2回：開発概念と関連理論①

開発の誕生

第3回：開発概念と関連理論②

社会開発への転換

第4回：開発援助とODA, そして人類学者

開発援助とのかかわり方

第5回：貧困撲滅の取り組み①

貧しい／豊かとは何か

第6回：貧困撲滅の取り組み②

マイクロファイナンス

第7回：健康な生活①

プライマリヘルスケア

第8回：健康な生活②

感染症対策とDOTS

第9回：森林開発と環境問題①

近代化と環境破壊

第10回：森林開発と環境問題②

ソロモン諸島の植林事業

第11回：温暖化と環境言説①

ツバルの「海面上昇」

第12回：温暖化と環境言説②

ツバルの浸水被害と海岸浸食

第13回：観光開発と自然

ボルネオ島のエコツーリズム

第14回：総括

授業のまとめと解説

・授業内で紹介する文化人類学や開発人類学の関連文献を読み、授業の理解を深める。
・図書館などで関連文献を調べ、自らの興味関心を広げる。
・本授業の準備学修・復習時間は各２時間を標準とする。

教科書はとくに指定せず、必要に応じて関連資料を配布する。

授業中に適宜紹介するが、以下のものを挙げておく。
信田敏宏ほか編『グローバル支援の人類学―変貌するNGO・市民活動の現場から』昭和堂、2017年。
佐藤寛・藤掛洋子編『開発援助と人類学―冷戦・蜜月・パートナーシップ』明石書店、2011年。
佐藤寛『開発援助の社会学』世界思想社、2005年。
青柳まちこ編『開発の文化人類学』古今書院、2000年。
関根久雄『開発と向き合う人びと』東洋出版、1997年。

レポート:40%、平常点（リアクションペーパー、出席状況等）:60%として総合的に評価する。この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。

文字や音声などの情報だけではなく、できるだけ多くの写真や映像資料を用いることで授業内容の理解を促すようにする。

資料配布・課題提出等のために学習支援システムを利用します。

学期中にシラバスや授業計画の変更が余儀なくされた場合は学習支援システムで周知します。