市ヶ谷リベラルアーツセンター（ILAC）ILAC Course

日本近現代文学（特に明治・大正・昭和期）の〝アダプテーション〟について学ぶ。〝アダプテーション〟とは、ある作品を元に別の作品を創造すること、および創造された作品を指す言葉であり、小説やマンガの映画化・舞台化のように私たちの周囲に数多く存在する。この授業では、その中から文学テクストとして読むことが可能な小説と戯曲（演劇台本）を中心に取り上げ、既存の物語がいかに作り替えられてきたのか、また、その変容に影響するものは何かを考える。

私たちはアダプテーションの良し悪しを〝原作〟に忠実か、その雰囲気を再現し得ているかという点で評価する傾向にある。しかし、この授業ではそうした視点を離れ、アダプテーションの中にみられる原作の多様で自由な解釈や、原作に対する批評を読み解くことを主な目標とする。また、原作からの変容のしかたと、その変容の背景（時代・場所・作者など）の関係についても考察を試みる。

各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科：DP3・DP4、法学部・政治学科：DP1、法学部・国際政治学科：DP1、文学部：DP1、経営学部：DP1、国際文化学部：DP2、人間環境学部：DP2、キャリアデザイン学部：DP1

日本語 / Japanese

オンライン授業・オンデマンド形式（資料配信型）で行う。授業の要点を解説した音声付きパワーポイントと、引用文などをより詳しく掲載したＰＤＦの別紙資料を配布する。毎授業資料の公開後、一定期間（４日程度）の間に、リアクションペーパーに相当する短い課題（講義の感想・質問、および講義に関連する問に対する自分の考えなど）を学習支援システムから提出してもらう。次の回の授業では、その課題の中からいくつかを取り上げ、フィードバックや質問への回答を行う。

なし / No

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：イントロダクション

授業内容・進め方について

第2回：〝アダプテーション〟と〝間テクスト性〟

授業で用いる概念の解説

第3回：小説／演劇における〝語り〟の性質①

芥川龍之介「地獄変」

第4回：小説／演劇における〝語り〟の性質②

三島由紀夫「地獄変」

第5回：古典演劇から近代文学へ　

志賀直哉「クローディアスの日記」

第6回：説話から近代文学へ①

浦島伝説と近代文学

第7回：説話から近代文学へ②

太宰治「浦島さん」

第8回：アダプテーションと時代背景

木下順二「夕鶴」

第9回：アダプテーションと原作への疑問　

泉鏡花「海神別荘」

第10回：近代戯曲の現代上演

「海神別荘」のミュージカル化

第11回：原作への忠実さ・原作からの距離①

尾崎紅葉「金色夜叉」

第12回：原作への忠実さ・原作からの距離②

宮本研「新釈・金色夜叉」

第13回：ちりばめられた作品イメージ

泉鏡花「南地心中」

第14回：総括

授業内容のまとめ

予習として、「授業計画」に挙げた作品を事前に読み、内容を把握する。（授業内ではあらすじの説明にはあまり時間を割かないので、必ず事前に読んでくること。長編作品の場合は、目を通すべき章を授業内で指示する。）
復習として、ＰＤＦの別紙資料に改めて目を通し、理解度を確認する。またリアクションペーパーに相当する短い課題（「授業の進め方と方法」に記載したもの）を提出する。
本授業の準備・復習時間は各３時間を標準とする。

特に指定しない。適宜資料の配布を行う。

授業内で適宜紹介する。

・レポートによる評価　60％
・学習支援システムを利用した「小テスト」（半期につき２回予定・時間制限付き）による評価…20％
・平常点（毎授業後のリアクションペーパーの提出率・内容）による評価…20％
　以上を総合して判断する。ただしレポートの提出を行わなかった場合、単位は認定しない。

授業資料冒頭で、前の回の課題に記入いただいたコメントの共有や、質問への回答を行うことは好評であるため、今年度も継続します。
小テストの難易度は、やや高く感じられるかもしれませんが、受講生の皆さんには改めてそれまでの授業内容を見直した上で、自身の理解度を確認していただきたいという考えから、事前に授業内容の復習・確認が必要となる難易度で、今後も実施する予定です。
また、昨年度もオンデマンド型授業でしたが、資料配信が遅れ、ご迷惑をおかけすることがありましたので、今年度はそのようなことがないよう、十分に注意して実施します。

資料配布・課題提出・事務的な連絡などは、学習支援システムを通じて行う。