人文科学研究科Graduate School of Humanities
ART500B7(芸術学 / Art studies 500)国際日本学特殊講義GⅠLecture: International Japanese Studies G I
高橋 悠介
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X1179 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(博士後期課程) |
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Outline (in English)
A Study of the biography and image of Prince Shotoku.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
日本の中世には、聖徳太子関連寺院を中心に、太子の伝記が連綿として編まれた。こうした太子伝には、聖徳太子をめぐる伝承のみならず、仏教教説や寺院における注釈学、太子関連の諸寺院の動向など、様々な背景がうかがえる。また、聖徳太子の伝記は絵画化されて絵解きが行われ、特徴的な太子像も造像された。ここでは、後世への影響力の大きかった『聖徳太子伝暦』と、鎌倉後期の『正法輪蔵(聖法輪蔵)』という二つの太子伝から、特徴的な場面を取り上げて、読み比べつつ、これらと関連の深い太子絵伝や太子像などの造形作品について検討したい。
到達目標Goal
・図像資料とその背景にある文献資料を、複合的に読解する技術を身につける。
・寺院圏で成立し享受された文献の性格を学び、これを読解する技術を習得する。
・日本の寺院における学問についての基礎知識を身に付け、中世の聖徳太子信仰をはじめ、日本の仏教文化に関する理解を深める。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
最初は、聖徳太子伝の展開に関する概要と太子関連の造形作品、講読にあたっての基本的な知識について、講義形式で授業を進める。続いて、担当を決め、受講者による報告と討議を行っていく。授業内で議論できなかったことも、リアクションペーパー等の方法により意見を集め、次回に取り上げる。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション
講義の概要・進め方について説明。
第2回:『聖徳太子伝暦』と太子伝諸本
『聖徳太子伝暦』と太子伝諸本について講義。
第3回:太子絵伝の展開
聖徳太子の伝記の造形化(彫刻・絵画)について講義。
第4回:太子十六歳条
用明天皇の葬送・六角堂建立等の記事を講読し、その造形を検討。
第5回:太子十七歳条
四天王寺の瓦を造る等の記事を講読し、その造形を検討。
第6回:太子十八歳条
牛飼に穀倉の鍵を与える等の記事を講読し、その造形を検討。
第7回:太子十九歳条
戴冠等の記事を講読し、その造形を検討。
第8回:太子二十一歳条
猪の献上・崇峻天皇暗殺等の記事を講読し、その造形を検討。
第9回:太子二十二歳条
推古天皇即位等の記事を講読し、その造形を検討。
第10回:太子二十四歳条
淡路国に霊木漂着等の記事を講読し、その造形を検討。
第11回:太子二十五歳条
法華経の落字・法興寺落慶等の記事を講読し、その造形を検討。
第12回:太子二十六歳条
百済より阿佐太子来朝等の記事を講読し、その造形を検討。
第13回:太子二十七歳条(一)
黒駒で富士山に登る等の記事を講読し、その造形を検討。
第14回:太子二十七歳条(二)
膳大娘との婚礼・新羅からの孔雀献上等の記事を講読し、その造形を検討。及び最後のまとめ。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。指定した講読文献の当該記事をよく読んで利解すると共に、関連する複数の造形を見て比較検討すること。また、授業中に言及する参考書を読むこと。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。
参考書References
・『東大寺図書館蔵文明十六年書写『聖徳太子伝暦』影印と研究』(桜楓社、1985 年)
・『日本庶民文化史料集成』第二巻(三一書房、1974 年)
・慶應義塾大学附属研究所斯道文庫編『中世聖徳太子伝集成』(勉誠出版、2005 年)
・『日本の美術442 中世の童子形』(至文堂2003 年)
・図録『聖徳太子展』(NHK・NHK プロモーション、2001 年)
その他、授業の中で指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表50%、平常点50%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
該当なし。
担当教員の専門分野等
<専門領域>日本中世文学・中世宗教思想史・書誌学
<研究テーマ> 中世仏教文学・芸能・寺院資料論
<主要研究業績>
・『禅竹能楽論の世界』(慶應義塾大学出版会、2014 年)
・「荒神の図像について―如来荒神を中心に―」(仏教美術論集第二巻『図像学Ⅰ―イメージの成立と伝承(密教・垂迹)』竹林舎、2012年5 月)
・「律院称名寺と聖徳太子伝―釋了敏の写本を中心に」(『説話文学研究』52 号、2017 年9 月)