人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIN500B7(言語学 / Linguistics 500)現代日本語のしくみⅠStructure of the Modern Japanese Language I
前田 直子
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X1094 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
In this class, students learn the diversity of modern Japanese through analysis of concrete examples. Using a paperback pocket edition as a textbook, students can improve their Japanese skills and train their reading comprehension, writing, and oral presentation ability as well.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
現代日本語文法の多様性について、具体例の分析を通して学ぶ。テキストとして新書を使用し、日本語力全般の向上、読解力、書く能力、口頭発表能力の鍛錬も行う。
到達目標Goal
・現代日本語の多様性について深く理解することができる。
・日本語のことばの地域差について理解することができる。
・日本語の語用論的な特徴について理解することができる。
・日本語の運用の全国的な多様性について理解することができる。
・日本語の地域差の歴史的変化を理解することができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は、テキストの内容についての学生の発表、ディスカッション、それらに関する講義を通して行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
この授業で学ぶこと、授業の進め方について説明し、担当を決める。
第2回:序章 ものの言い方にも地域差がある
日本人のものの言い方について「個性」ではなく「地域差」が多分に見られることを学ぶ。
第3回:第1章 口に出すか出さないか
おしゃべりか無口か、挨拶をするかしないか、といった言語行動に地域差が見られることを学ぶ。 学ぶ。
第4回:第2章 決まった言い方をするかしないか(前半)
挨拶や喧嘩の場面での地域差(方言差)を学ぶ。
第5回:第2章 決まった言い方をするかしないか(後半)
言語行動に「型」を持つ地域(方言)と持たない地域(方言)があることを学ぶ。
第6回:第3章 細かく言い分けるかどうか
場面ごとに細かく言い分けるかどうか、という言語行動に地域差が見られることを学ぶ。
第7回:第4章 間接的に言うか直接的に言うか
相手に対し、間接的に言うか直接的に言うか、という言語行動に地域差が見られることを学ぶ。
第8回:第5章 客観的に話すか主観的に話すか
驚きや喜びなどのような主観的なことがらをどのように表現するかに地域差が見られることを学ぶ。
第9回:第6章 言葉で相手を気遣うかどうか
敬語を中心としたさまざまな気遣いを表す言語表現や言語行動に地域差が見られることを学ぶ。
第10回:第7章 会話を作るか作らないか
ボケとツッコミに代表される話術・会話の構成に地域差が見られることを学ぶ。
第11回:第8章 ものの言い方の発想法
第1章から第7章までをまとめ、言語行動の地域差を確認する。
第12回:第9章 発想法の背景を読み解く
社会環境の在り方が発想法と言語環境の様相に影響することを学ぶ。
第13回:第10章 発想法はどのように生まれ、発達するか
第9章で見た発想法について歴史的にその変化を分析する。
第14回:終章 ものの言い方を見る目、および、本講義のまとめ
テキストを振り返り、本講義で学んだこと、学ぶべきことを整理する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
発表担当者は、プレゼンテーションの準備をします。担当者以外の学生は、テキストを読み、質問項目を考えることを宿題とします。本講義の準備学習および復習(宿題)等の時間はそれぞれ2時間を標準とします。(前年度の受講生の平均時間)
テキスト(教科書)Textbooks
小林隆・澤村美幸(2014)『ものの言い方西東』岩波新書、780円(+税)
参考書References
授業時に章ごとに指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・授業でのプレゼンテーション:20%
・毎回の宿題・小レポート:65%
・最終レポート:15%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
教員の講義から始めるのではなく、学生のプレゼンテーションとディスカッションから始める授業は負担が大きく、最初は準備に長い時間がかかりますが、毎回「やってよかった」「だんだん短い時間で準備ができるようになった」との意見が出ていますので、ぜひ積極的に取り組んでほしいと思います。また、学生の課題の文章中に見られる日本語の誤用について解説をすることが好評を得ていますので、今学期もみなさんの希望があれば、実施したいと思います。
担当教員の専門分野等
<専門領域>現代日本語文法
<研究テーマ>複文(条件文、および原因・理由文)の記述的研究、日本語教育文法
<主要研究業績>『「ように」の意味・用法』笠間書院(2006)、『日本語の複文-条件文と原因・理由文の記述的研究』くろしお出版(2009)庵功雄・日高水穂・前田直子・山田敏弘・大和シゲミ(2020)『やさしい日本語のしくみ(改訂版)』くろしお出版、井島正博(編著)(2020)『現代語文法概説』朝倉書店