人文科学研究科Graduate School of Humanities
OTR600B7(その他 / Others 600)国際日本学演習ⅠSeminar: International Japan Studies I
小口 雅史
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X1026 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-必修科目 |
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Outline (in English)
In this lecture, in order to learn a new analytical method of Japanese ancient history, we introduce the method of international Japanese study.
We will study the classic "Mutsuwaki" on Japanese ancient northern world. We will read until the 12th episode this time.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
国際日本学として、日本史を客観的に見ようとするとき、一つの重要な視点として、「日本のなかの異文化」を検討するという方法がある。とくに日本古代という時代は、中央の地方に対する異文化観が強いため、そうした分析の格好の舞台である。この演習では、日本古代における「日本のなかの異文化」を分析する素材として『陸奥話記』を選ぶこととする。その著者は北方史について相当の見識を有していたものと思われ、その内容を、演習形式で原典史料をじっくりと読み解いていくこととしたい。春学期は第12話までの検討を行う。
到達目標Goal
中央史料から北方世界の実態をどのように読み取るのか、その方法論を取得することを目標とする。
あわせて、自力で日本史を客観的に分析する能力を身につけることをも目標とする。
またディベート能力の向上も目標とする。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は、受講者による文献の精読・発表、教員による補足・講義、全員での討論を織り交ぜて行う。
また適宜パソコンを用いて、デジタルテキスト検索実習や用語解析などの実習も行う。
本演習参加者には、あらかじめ担当を指定するので、上記の目標をふまえて事前に十分予習してから本演習に臨むことを期待する。事前に最低限行うこととしては、本文の書き下し、現代語訳、語句註解、論点の整理、先行研究のまとめ、自分の見解などである。発表原稿の作成の仕方は、第1回目の講義で詳しく説明する。なお第1回目の講義において、実際の参加者のレベルや興味に応じて、素材を一部変更することもあり得る。
発表へのフィードバックについては、次回の授業の初めに、前回の授業で提出資料からいくつか取り上げ、全体に対してフィードバックを行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
自己紹介、授業方法の説明、報告担当の調整、概説
第2回:陸奥話記講読(1)
1 俘囚長安倍頼良叛す
第3回:陸奥話記講読(2)
2 追討将軍源頼義の登場
第4回:陸奥話記講読(3)
3 安倍頼良帰順す
第5回:陸奥話記講読(4)
4 阿久利川の事件
第6回:陸奥話記講読(5)
5 頼義、平永衡を切る
第7回:陸奥話記講読(6)
6 亘理経清の離反
第8回:陸奥話記講読(7)
7 頼義重任し征討に努む
第9回:陸奥話記講読(8)
8 黄海の戦い
第10回:陸奥話記講読(9)
9 佐伯経範の奮戦
第11回:陸奥話記講読(10)
10 藤原景季の忠死
第12回:陸奥話記講読(11)
11 和気致輔・為清らの奮死
第13回:陸奥話記講読(12)
12 藤原茂頼の忠節
第14回:春学期のまとめ
陸奥話記前半部の内容整理と陸奥話記史観の検討
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
テキストは難解なので、発表者はいうまでもないが、他の参加者も事前に必ず担当テキストを熟読しておくこと。発表者は準備学習に標準的に3時間程度。他の受講者は標準的に1時間程度は必要である。復習にはそれぞれ1時間程度。発表者は、発表終了後に再構成した発表レジュメをアップロードしてもらうが、それに別途1時間程度。
テキスト(教科書)Textbooks
新編日本古典文学全集本(小学館)
参考書References
特に指定しない。発表に応じてその都度指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表55%、討論への参加30%、期末レポート15%
現地側の視点を明確に読み取り、中央側の視点と比較できたかどうかを重視する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
前年度サバティカルにつきなし
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料のデジタル分析をするので携帯できる電子機器を持参できることが望ましい。
所有していない場合はこちらでゼミ室のパソコンなどを使用できるように用意する。
その他の重要事項Others
受講希望者の専門は問わないが、大学学部史学科卒業程度の知識は最低限でも持っていることを前提に演習を進めていく。また古文・漢文を読解する能力は必須である。
担当教員の専門分野等
〈専門領域〉
日本古代史・法制史・北方史・国際日本学
〈研究テーマ〉
日本古代社会経済史・日中比較律令法史・古代中世北方史
〈主要研究業績〉
2010年、『古代末期・日本の境界-城久遺跡群と石江遺跡群』
2008年、『エミシ・エゾ・アイヌ』(編著)、岩田書院
2008年、「近時の在欧吐魯番出土漢文文書の整理・公開等をめぐって」『古文書研究』66
2007年、「『在ベルリン吐魯番出土漢文世俗文書総合目録』のその後-FileMakerによるDatebaseのWeb公開の一例として」『漢字文献情報処理研究』8