人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY700B6(心理学 / Psychology 700)心理学特殊研究ⅡSeminar: Advanced Research Methods in Psychology II
島宗 理
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0546 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 土2/Sat.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 心理学専攻(博士後期課程) |
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Outline (in English)
The purpose of this course is to learn and master research methods in behavior analysis, including evaluation of single-case design data with visual inspection, and interpretation of functional relationship between dependent and independent variables. Student will also aim to master how to write a research paper, by learning about paragraph writing, Japanese Psychological Association's publication manual, and other miscellaneous rules in academic writing.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
社会的・個人的に重要な行動問題の解決策を科学的に発見、開発する方法論として、行動分析学の研究法を学びます。この授業では、博士論文の実験計画書や研究論文を書き上げ、発表するまでを支援しますが、その過程で、論理的な文章作成や根拠に基づいた提案、プレゼン、討論の練習をしていきます。
到達目標Goal
この授業で主に目指すのは以下の知識や技術の習得です。
1) 自分の実験を社会的、学術的な文脈に位置づけること、
2) 実験から得られたデータを分析し、わかったこと、
3) わからなかったことを整理し、わからなかったことはどうすればわかるようになるかを実験計画として提案すること,
4) わかったことを数量化し、図表にまとめ、読み手や聞き手にわかりやすいように発表すること、
5) 論理的に一貫した、読みやすい文章を書くこと。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
毎週、受講生各自の博論研究の進捗にあわせた課題を出します。授業はゼミ形式で、課題の発表と討論を中心に進めます。課題へのフィードバックは授業および掲示板で行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
授業内容と方法、約束事を説明します。
博論実験の内容を1分間でプレゼンする練習をします。
第2回:論文を書く:
アウトラインを書く
アウトラインを書いてから本文を書く方法を解説します。「方法」の章を使って練習をします。
第3回:論文を書く:
データの視覚的な提示
実験の中心的なデータを選び、それを視覚的に伝える図を描きます。独立変数と従属変数の関係性がわかりやすく提示できているかどうか、「手引き」やゼミの「チェックリスト」にそっているかどうかを確認します。
第4回:論文を書く:
推敲する(1)
方法の章の完成版を提出し、チェックリストに基づいて推敲します。読み手がその実験を追試できるように書かれているかどうか、読み手の立場から自分の論文を読み直して推敲する練習をします。
第5回:論文を書く:
事実を書く
アウトラインから書く方法を結果の章を使って練習します。読み手に自分の研究のセールスポイントをわかりやすく伝えるために、順序や論理展開を工夫する練習です。
第6回:論文を書く:
先行研究をまとめる
先行研究をまとめて表にし、「手引き」に即した作表方法を学びます。先行研究を紹介する段落を書き、文献引用の作法を練習します。
第7回:論文を書く:
研究を位置づけるアウトラインを書く
第6回でまとめた先行研究の展望を活かし、また春学期に作成したストーリーを振り返り、序論のアウトラインを作成します。パラグラフ・ライティング法を解説し、練習します。
第8回:論文を書く:
推敲する(2)
第5回で作成したアウトラインに肉付けをして結果の章をまとめます。データの分析や統計が適切に、かつ充分に行われているかどうかを確認します。
第9回:論文を書く:
推敲する(3)
パラグラフ・ライティング法を使って序論を完成させます。チェックリストを使って推敲する練習を続けます。
第10回:論文を書く:
執筆ルールに基づいて校正する
引用文献一覧を作成します。本文と見合わせて、引用の方法が適切かどうかも確認します。
第11回:論文を書く:
推敲する(4)
研究論文の初稿を用い、推敲の練習をします。また、自分で書いた文章を自分で推敲するのは困難であることを自覚するために、他の受講生の論文を校正する練習もします。
第12回:論文を投稿する:
学術雑誌への投稿手順
論文を学術雑誌へ投稿する手順やその後のやりとりについて解説します。
第13回:研究計画(1)
次年度に行う実験の計画を発表し、討論します。
第14回:研究計画(2)
次年度に行う実験の計画を発表し、討論します。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎週、課題をだしますので、各自取り組み、提出して下さい(以下に一例)。
○日本心理学会の『執筆・投稿の手びき』およびゼミの『論文執筆チェックリスト』を用いて「結果」の章を推敲し、提出する。
○本授業の準備・復習時間は、それぞれ平均4時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストはありませんが、研究テーマや課題に応じて、適宜、資料を配付し、参考文献などを紹介します。
参考書References
以下、パラグラフライティング法に関する参考書です。
○倉島保美 論理が伝わる世界標準の「書く技術」 ブルーバックス
○野田直人 小論文・レポートの書き方—パラグラフ・ライティングとアウトラインを鍛える演習帳— 有限会社人の森
成績評価の方法と基準Grading criteria
○学期初めに受講生が計画し,承認した研究計画to-doリスト上の達成率(最大100%)にもとづいて成績を評価します。
○欠席が5回以上になると自動的にE評価になります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
(この授業では授業改善アンケートを実施していないので個人的な気づきです)
今年度は昨年度から引き続き,企業からの研修生を迎え,博士ゼミ生1名,企業研修生1名,研究員1名で授業を行いました。行動分析学の研究アプローチを土台に,言語行動に関する基礎研究と企業における実践研究が交差する,深い討論と考察ができたのではないかと思います。
その他の重要事項Others
オフィスアワーは春学期は金曜日の4限、秋学期は火曜日の2限、場所は研究室(富士見坂校舎6F9号室)です。
担当教員の専門分野等
<専門領域> 行動分析学
<研究テーマ>
組織行動マネジメント、広告・消費者行動、教材開発
<主要研究業績>
① 島宗 理 (2019). ワードマップ 応用行動分析学
新曜社
② 島宗 理 (2015). リーダーのための行動分析学入門 日本実業出版社
③ 島宗 理・若松克則 (2016). 会計事務所で働くパート従業員を対象とした参加型マネジメント 行動分析学研究, 31, 2-14.