人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY700B6(心理学 / Psychology 700)心理学特殊研究ⅠSeminar: Advanced Research Methods in Psychology I
島宗 理
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0545 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 土2/Sat.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 心理学専攻(博士後期課程) |
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Outline (in English)
The purpose of this course is to learn and master research methods in behavior analysis, including functional analyses of behavior, systematic observation and recording procedures, single-case designs, and visual inspection of time series data to evaluate effectiveness of an intervention. Students will select their own research topic, conduct a literature review, develop a research proposal, and run experiments.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
社会的・個人的に重要な行動問題の解決策を科学的に発見、開発する方法論として、行動分析学の研究法を学びます。受講生は、それぞれ自分の問題意識から研究テーマを選び、標的となる行動を決め、その制御変数を実験によって見つけながら、この方法論を習得します。博士論文を書き上げ、発表するまでを支援しますが、その過程で、修了後、それぞれの仕事に役立つ技術を習得することを目指します。
到達目標Goal
この授業で主に目指すのは以下の知識や技術の習得です。
(1) 標的行動を具体化し、測定方法を決めること、
(2) 標的行動の制御変数に関する先行研究を調べること、
(3) 制御変数の候補を複数推定し、その中から実験で検討する変数を選び、実験計画を立案すること、
(4) 実験計画書を作成し、発表すること、
(5) 実験装置や測定システムなどを準備し、予備実験からそれを改善すること、
(6) 本実験を実施し、データを分析すること、
(7) 実験結果をまとめて図表や文章、口頭発表などでコミュニケーションすること。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
受講生各自の博論の進捗にあわせ、毎週、課題を出します。授業はゼミ形式で、課題の発表と討論を中心に進めます。課題へのフィードバックは授業および掲示板で行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
授業内容と方法、約束事を説明します。実験計画のプレゼン方法、注意すべきこと、研究倫理(倫理委員会に提出する書類など)について解説します。
第2回:実験計画の発表1
独立変数と従属変数、変数の統制、実験計画法、行動の観察と記録、仮説の立案や変数の探索などについて、博論実験の計画をしながら討論します。
第3回:実験計画の発表2
博論の研究テーマについて討論し、予備実験の準備を進め、報告します。
第4回:実験計画の発表3
博論の予備実験の準備を進めます。刺激や装置、教示や記録用紙など、具体的な材料を持ち寄り、確認と質疑応答をします。
第5回:予備実験の報告1
予備実験の結果を報告し、データ視覚化と分析、傾向や変動の判断、データに基づいた改善(本実験の計画)などについて討論します。
第6回:予備実験の報告2
予備実験の結果をまとめ、プレゼンします。データから「わかったこと」「わからなかったこと」をわかりやすく、見て伝わる資料を作成できているか、相手にわかるように話せているかどうかを評価し、フィードバックします。
第7回:予備実験の報告3
次の予備実験あるいは本実験の実験計画についてプレゼンし、話し合います。
第8回:先行研究をまとめる1
先行研究や参考書、統計資料などを読み、現在の研究の流れや社会のニーズの中に自分の実験を位置づけます。
第9回:先行研究をまとめる2
先行研究の中に本実験をどのように位置づけるかを話し合い、討論します。
第10回:本実験の準備
本実験の準備を進め、予備実験から改訂した刺激や装置、教示や記録用紙など、具体的な材料を持ち寄り、確認と質疑応答をします。
第11回:本実験の報告1
本実験の結果を報告し、データ視覚化と分析、傾向や変動の判断、データに基づいた改善(次の実験計画)などについて討論します。
第12回:本実験の報告2
本実験の結果をまとめ、プレゼンします。データから「わかったこと」「わからなかったこと」をわかりやすく、見て伝わる資料を作成できているか、相手にわかるように話せているかどうかを評価し、フィードバックします。
第13回:次の実験の計画
次の実験計画についてプレゼンし、話し合います。
第14回:まとめ
自分の研究のセールスポイントを抜き出し、これを伝える題目を考えて発表します。
博論のストーリーを端的に伝える練習をします。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎週、課題をだしますので、各自取り組み、提出して下さい(以下に一例)。
○興味がある実験について標的行動(従属変数)、介入方法(独立変数)、実験計画法の3つを考え、提案する資料を作成する。
○本授業の準備・復習時間は、それぞれ平均4時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
島宗 理 (2019). ワードマップ 応用行動分析学 新曜社
参考書References
以下、シングルケースデザイン法に関する参考書です。
○ Barlow, D. H., & Hersen, M. (1984). Single case experimental designs: Strategies for studying behavior change. Pergamon. (バーロー, D. H.・ハーセン, M. 高木俊一郎・佐久間 徹(監訳)一事例の実験デザイン —ケーススタディの基本と応用— 二瓶社)
○ Cooper, J. C., Heron, T. E., & Heward, W. L. (2007). Applied Behavior Analysis. Pearson Education. (クーパー, J. C., ヘロン, T. E., & ヒューワード, W. L. 中野良顯(訳)(2013) 応用行動分析学 明石書店)
成績評価の方法と基準Grading criteria
○学期初めに受講生が計画し,承認した研究計画to-doリスト上の達成率(最大100%)にもとづいて成績を評価します。
○欠席が5回以上になると自動的にE評価になります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
(この授業では授業改善アンケートを実施していないので個人的な気づきです)
今年度は昨年度から引き続き,企業からの研修生を迎え,博士ゼミ生1名,企業研修生1名,研究員1名で授業を行いました。他のゼミの博士課程の院生も参加し,活発な議論が展開しました。行動分析学の研究アプローチを土台に,言語行動に関する基礎研究,企業における実践研究,コーチングに関する応用研究と,多様なテーマに関する深い討論と考察ができたのではないかと思います。
その他の重要事項Others
オフィスアワーは春学期は金曜日の4限、秋学期は火曜日の2限、場所は研究室(富士見坂校舎6F9号室)です。
担当教員の専門分野等
<専門領域> 行動分析学
<研究テーマ>
組織行動マネジメント、広告・消費者行動、教材開発
<主要研究業績>
① 島宗 理 (2019). ワードマップ 応用行動分析学
新曜社
② 島宗 理 (2015). リーダーのための行動分析学入門 日本実業出版社
③ 島宗 理・若松克則 (2016). 会計事務所で働くパート従業員を対象とした参加型マネジメント 行動分析学研究, 31, 2-14.