人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY500B6（心理学 / Psychology 500）教育心理特論Advanced Lecture in Educational Psychology
平山 祐一郎
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X0521 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月1/Mon.1 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 心理学専攻(修士課程)-展開科目 |
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Outline (in English)
The goal of this course is to give participants the basic knowledge and the practical skills of educational psychology. It is especially important to develop psychological ways to deal with the matters that concern to education and to know the application of psychological findings to educational activities for the improvement of those qualities.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
教育心理学には少なくとも２つの目的がある。①教育という活動に心理学の光を当て、深く理解すること。②心理学の知見を教育活動に反映させ、質の向上をはかること。この授業では、受講者はそれらに加えて、学校心理士という資格とその活動から見えてくる教育にも知識を深める。
到達目標Goal
この授業に積極的に参加することにより、受講者には以下の力がつく可能性が高まる。①国内外の教育課題を多面的に把握し、心理学的に説明できる。②教育課題に関して、証拠に基づいた原因分析と対策立案ができる。③学校心理士という資格とその活動について述べることができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
毎回、発表者を決める。発表に対して出席者全員が議論する。具体的には、【テキスト(教科書）】欄に記載されている教科書を用いて、【授業計画】欄の内容に沿って授業を進める。発表者は各回のテーマに関して、①教科書の内容を深めること、②教科書の資料や考え方を最新のものにすること、③具体例を集めること、に留意しレジュメを作成する。毎回の発表と議論を通じて、【到達目標】の３点の達成を目指す。具体的には【成績評価の方法と基準】を参照すること。※月刊「教育と医学」（慶應義塾大学出版会）から論文を選択し、その発表も行う。
オンライン授業（リアルタイム配信型）の実施を予定している。
また、提出物等でよいコメント等があった場合は、授業内で紹介し、議論に活かしていく予定である。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：オリエンテーション（教育心理学の目的と課題）
授業の目的・方法を提示する。イントロダクションとして、教育心理学の歴史と今後の課題について、学校心理学と関連づけて講義する。
第2回：心理教育的援助サービスのモデル①＆「教育と医学」から発表
「４種類のヘルパー論」について概略を講義した上で、「ボランティア的ヘルパー」「役割的ヘルパー」について検討・議論する。
第3回：心理教育的援助サービスのモデル②＆「教育と医学」から発表
「４種類のヘルパー論」について、「複合的ヘルパー」「専門的ヘルパー」「被援助志向性」について検討・議論する。
第4回：心理教育的援助サービスのモデル③＆「教育と医学」から発表
「三段階の心理教育的援助サービス」の「１次的援助サービス」について現代的課題を含め、多面的に検討・議論する。
第5回：心理教育的援助サービスのモデル④＆「教育と医学」から発表
「三段階の心理教育的援助サービス」の「２次的援助サービス」について多面的に検討・議論する。
第6回：心理教育的援助サービスのモデル⑤＆「教育と医学」から発表
「三段階の心理教育的援助サービス」の「３次的援助サービス」について最新の資料を収集しつつ、検討・議論する。
第7回：学校生活の質を高め、子どもの発達を促進するために①＆「教育と医学」から発表
子どもの抱える問題を捉えるために各種資料を収集し、援助案の作成等を行うための「アセスメント」について学ぶ。
第8回：学校生活の質を高め、子どもの発達を促進するために②＆「教育と医学」から発表
子どもの発達を促進するために、子どもや保護者へ直接的に行われる援助サービスが「カウンセリング」である。その方法と注意点を学ぶ。
第9回：学校生活の質を高め、子どもの発達を促進するために③＆「教育と医学」から発表
子どもの発達を促進するために間接的に行われる「コンサルテーション」について、「問題解決型」「研修型」「システム介入型」の３つを理解する。
第10回：学校生活の質を高め、子どもの発達を促進するために④＆「教育と医学」から発表
援助の必要性が高い子どもに、学校内の援助資源（養護教諭等）を用いたり、学校外の資源（相談機関等）と連携したりすることを「コーディネーション」という。その実例検討等を行う。
第11回：子どもの問題状況を解消に導くチーム援助の在り方①＆「教育と医学」から発表
チーム援助とは複数のメンバーにより子どもを多面的に捉え、共通方針を持ち役割分担し、相補関係を築きながら援助を行うことである。そのバリエーションを知る。
第12回：子どもの問題状況を解消に導くチーム援助の在り方②＆「教育と医学」から発表
チーム援助の主たる構成メンバーである教師や保護者へのコンサルテーションを意識し、成功事例・失敗事例等を分析的に検討する。
第13回：教育心理学と倫理①＆「教育と医学」から発表
教育心理学の研究者・実践家、学校心理士が研究や調査を行う際の配慮事項や成果の公開方法について、人権の尊重や秘密保持の厳守等の観点から、具体例を扱いつつ検討を行う。
第14回：教育心理学と倫理②＆まとめ
教育心理学の実践家や学校心理士がその活動において配慮すべき人権尊重や秘密厳守、責任保持について具体例を交えて議論する。また、研修や自己研鑽の必要性について考える。最後に授業全体をまとめる。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。準備学習として、文献の読み込みなどの予習を毎回指示する。※所要時間２時間。復習として、①授業内容を要約する、②授業内で生じた「問い」へ解答する、などのミニ・レポートを毎回提出する。※所要時間２時間。
テキスト（教科書）Textbooks
①「よくわかる学校心理学」（水野治久・石隈利紀・田村節子・田村修一・飯田順子編著、ミネルヴァ書房、2400円＋税）を使用予定。《注意》ただし、変更する可能性もある。指示があるまで購入しない。②月刊「教育と医学」（慶應義塾大学出版会）の論文をもとにした発表を求める。《注意》法政大学図書館で閲覧できるため、購入する必要はない。
参考書References
参考になる書籍等は必要に応じて、授業内で紹介する予定である。
成績評価の方法と基準Grading criteria
【到達目標】に従い、以下の要素（観点）と配分（％）により、成績評価を行う。[1]発表 50％ ①質の高いレジュメを作成し、わかりやすく、簡潔な発表をしたか。②議論を呼び起こす発表をしたか。[2]議論 30％ ①積極的に議論に参加したか。②適切な質問をしたか。③斬新な問いを立てられたか。④建設的な意見表明をしたか。⑤発見的な考察ができたか。[3]提出物 20％ ①要約が適切か。②問いに的確に答えているか。※【授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）】を参照。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
毎年の授業アンケートや受講者の感想から、議論を多く取り入れた授業であることが好評であることがわかった。今季も議論の中から、大小いくつもの発見があるような授業を運営したい。ただし、議論は白熱すると本題から離れる場合があるので、その舵取りを工夫したい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
オンライン授業（リアルタイム配信型）の実施を予定しているため、その準備をしておいてください。
その他の重要事項Others
シラバスは状況に応じて変更する。授業やメールなどで連絡・説明する。
担当教員の専門分野等
〈専門領域〉教育心理学
〈研究テーマ〉①読書の心理 ②作文・表現の心理 ③学習指導と評価
〈主要研究業績〉①平山祐一郎 2008 大学生の読書状況に関する教育心理学的考察 野間教育研究所 ②平山祐一郎 大学生の読書の変化-2006年調査と2012年調査の比較より- 読書科学,56,55-64. ③平山祐一郎 2020 大学生の読書をどうするか IDE現代の高等教育,621,26-30.