人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY500B3(心理学 / Psychology 500)音声言語科学特論Advanced Lecture in Spoken Language Science
田嶋 圭一
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0230 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 英文学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
This course introduces students to the fundamentals of linguistics.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
言語学について基礎から学ぶ。
到達目標Goal
母語話者として言葉を操るには,その言語の音(音声学,音韻論),語彙(形態論),文の作り方(統語論),語句の意味(意味論),他者との対話の中での言葉づかい(語用論)など,様々な知識が必要である。この言語知識を科学的な観点から追究する言語学の諸分野について,基礎概念を学び,問題を解く能力を身に付けることを本授業の目標とする。授業では言語学を初めて学ぶ学生を想定しているが,受講生の既有知識に応じて進度を適宜調整する。授業終了時には,言語に関する様々な現象や疑問について吟味・解決できるようになることを目指す。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
人間に特有の能力とされる言語がどのような原理によって成立しているのかを科学的に追究する言語学について概観する。言語学の諸分野の中でも音声学,音韻論,形態論,統語論の中から適宜重要なトピックを取り上げる予定である。日本語や英語などの諸言語から様々な具体例を検討し,問題を実際に解く作業を通して,言語学の基礎概念や分析方法を身に付ける。また,音声学分野で広く利用されているフリーソフトPraatの実習を行う。授業は,教員による講義,課題に関するディスカッション,教員から全員に向けてのその場でのフィードバックなどを織り交ぜながら進める予定である。授業後半では,言語に関係する学術論文を学生が自ら選定し,その内容を授業にて発表する機会を設ける。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:導入,言語と言語学
シラバスの説明,言語学とは?,言語学の諸分野,二種類の言語
2:形態論:形態素,語形成
心内辞書と一般辞書,形態論と形態素,形態素の種類,偶発的な語形成,少し規則的な語形成
3:形態論:複合,派生
主要部,複合語の種類,複合語の意味,派生語の樹形図
4:形態論:屈折,形態素解析
屈折と活用,形態素解析の方法,練習問題
5:統語論:導入,カテゴリー,意味役割,マージ
構成素,句構造,句の主要部,文を作り上げるための材料:カテゴリー,項と意味役割,文を組み立てる仕組み:マージ,様々な種類の句
6:統語論:文の組み立て
英語の文・日本語の文の組み立て,動詞句の組み立て,屈折辞と格,一般的な句の構造
7:統語論:補文
動詞句の拡張,補部と指定部,文の中の文=補文
8:音声学・音韻論:母音と子音
発話のメカニズム,母音,子音
9:音声学・音韻論:音素
音素,音素分析
10:実験音声学:音声分析
Praatを使った音声の録音・可視化・編集・分析・ラベリング
11:実験音声学:音声合成
Praatを使った音声の再合成
12:実験音声学:音声知覚
Praatを使った音声知覚実験
13:論文発表(1)
言語に関わる学術論文の発表
14:論文発表(2),総括
言語に関わる学術論文の発表,授業のまとめ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
(1)毎回,テキストの指定範囲を読み,課題に取り組み,次回の授業で議論をするための準備をすること。(2)学期の後半では言語に関わる学術論文を各自選定し,学期末にその内容について発表すること。本授業の準備学習・復習時間は,計4時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
以下の文献の一部を授業で使用する予定。
西光義弘(編集)(1999).日英語対照による英語学概論:増補版 くろしお出版.
北原真冬・田嶋圭一・田中邦佳(2017).音声学を学ぶ人のためのPraat入門 ひつじ書房.
参考書References
参考書は適宜授業内にて紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点20%,課題50%,発表30%の割合で評価する。言語学は知識の段階的な学習とともに,問題を解く能力の習得が求められるので,授業参加と課題を重視する。原則として,4回を超えて授業への出席や課題の提出がなかった場合,または論文発表を行わなかった場合は,単位が授与されないものとする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
2018年度春学期は,回答者4名全員が「履修してよかったか」「工夫されていたか」「理解できたか」という問に「4」か「5」で回答してくれました。授業外学習時間については「週1~2時間」が2名,「週2~3時間」が2名でした。コメント欄への記入はあまりありませんでしたが,「Praatの使い方が身についてよかった」という感想をいただきました。
その他の重要事項Others
授業計画や運営方針の説明などをしますので,受講者は初回授業に必ず出席してください。
担当教員の専門分野等
<専門領域> 言語学・音声学・認知科学
<研究テーマ> 音声言語の知覚・産出・学習に関する実証的研究
<主要研究業績>
北原真冬・田嶋圭一 (2011). 音声分析ソフトウェアPraatを用いた聴取実験:F0再合成による刺激作成と実験の制御 日本音響学会誌, 67, 345-350.
田嶋圭一・川上紗代子 (2010). 依頼に対する回答の仕方が話し手の性格印象に与える影響:回答表現の直接性と間の取り方に注目して 法政大学文学部紀要, 69, 147-158.
Tajima, K., Kato, H., Rothwell, A., Akahane-Yamada, R., and Munhall, K. G. (2008). Training English listeners to perceive phonemic length contrasts in Japanese. Journal of the Acoustical Society of America, 123:397-413.