人文科学研究科Graduate School of Humanities
PHL500B1(哲学 / Philosophy 500)古代哲学史研究Ⅱ-1Study on History of Ancient Philosophy II - 1
奥田 和夫
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0008 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金6/Fri.6 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 哲学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
In this class we read Plato’s "The Apology of Socrates"and "Crito". The objects of the class are careful reading , underestanding of the ways the characters think (and the auther thinks) and estimation of their (his) thoughts, and by practicing these works students will go into training for their own thinking.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では、西洋哲学の大本にあるギリシア哲学の古典の中から『ソクラテスの弁明』と『クリトン』を読む。ソクラテスはどのような理由で裁判にかけられ、何を法廷で語り、どのようにして死刑判決は確定したのか。また、死刑執行を目前に脱獄の準備をととのえ、ソクラテスを連れ出そうとする親友クリトンに対して、ソクラテスはどのような理由で獄中にとどまったのか――。ソクラテス
の弟子プラトンが著わした、これら二つの作品をとおして、ソクラテスその人の思想を探り、その思想はわれわれにとってどのような意義をもつのかを考察する。このような考察により、哲学・思想がもつ生命力をわがものとしてとらえてみることがテーマである。
なお、この授業は夜間授業として、社会人の履修も予想している。実際の履修者の状況により、授業テーマの修正もありうる。
到達目標Goal
『弁明』と『クリトン』の内容(各場面)を思い描きながら、そこで扱われている「問題」を正確にとらえ、その「問題」についてみずから考え、その考えを他者に伝えることができるようになること、そして上の【授業の目的】に記した主旨をふまえ「哲学とは何か」について自分なりの考えをもつことが到達目標である。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は毎回報告者(発表者)が担当箇所の「要旨」、「重要事項」、「疑問点・考察」を発表し、それを糸口にして出席者で討議し内容理解を深める。履修者は必ず 1 回は報告(発表)を担当する。詳細は春学期の初回時に説明するので、必ず出席すること。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:イントロダクション
授業の進め方の詳細説明と『ソクラテスの弁明』『クリトン』の概略説明。
2:『ソクラテスの弁明』
(以下『弁明』)第 1 -
5 章の発表にもとづく
検討・理解
ソクラテスの法廷における基本姿勢、神託事件
3:『弁明』第 6 - 10 章
の発表に基づく検討・理解
無知の自覚
4:『弁明』第 11 - 15 章
の発表に基づく検討・理解
メレトスへの反論
5:『弁明』第 16 - 20 章
の発表にもとづく検討・理解
ソクラテスの愛知・哲学
6:『弁明』第 21 - 25 章
の発表にもとづく検討・理解
ソクラテスの正義
7:『弁明』第 26 - 30 章
の発表にもとづく検討・理解
有罪判決へのソクラテスの対応
8:『弁明』第 31 - 33 章
の発表にもとづく検討・理解/『弁明』のまとめ
ソクラテスの生死
9:『クリトン』第 1 - 5
章の発表にもとづく検討・理解
クリトンによる脱獄の説得
10:『クリトン』第 6 -10 章の発表にもとづく検討・理解
ソクラテスの基本姿勢、よく生きること
11:『クリトン』第 11 -
15 章の発表にもとづく検討・理解
国家・国法と国民のありかた
12:『クリトン』第 16 -
17 章の発表にもとづく検討・理解/『クリトン』まとめ
なぜ脱獄しないのか
13:『弁明』、『クリトン』
における思想の検討・理解
ソクラテスの哲学・思想
14:全体のまとめ/レポート提出
哲学とは何か
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
毎回の授業で疑問点を提出できるように『ソクラテスの弁明』、『クリトン』を熟読し内容をよく考えること。参考文献を読むこと。
テキスト(教科書)Textbooks
田中美知太郎訳を使用する。新潮文庫、中公クラッシクス(『世界の名著』)、岩波書店版『プラトン全集』などにある。各自用意すること。
参考書References
『ソクラテス』(岩波新書)。その他は必要時応じて適宜、指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
「到達目標」に記した内容の到達度に照らして、① 授業での報告・発表 (20%) ② 毎回の討議への貢献度 (20%) ③小レポート (20%) ④ 期末レポートの内容(40%) により評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
テクストを正確に読解することが授業の第一の目標であるが、可能なかぎり、第二次文献も読解・検討したい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
な し
その他の重要事項Others
秋学期の「古代哲学史研究Ⅱ―2」とともに履修することが望ましい。
担当教員の専門分野等
<専門領域> ソクラテス、プラトンを中心とする古代ギリシア哲学
<研究テーマ> 現在の持続的テーマはプラトンの政治哲学である。
<主要研究業績>
「正しい人の快楽―プラトン『国家』第九巻における快楽論の意味―」(『法政大学文学部紀要』第48号 2003年)
「プラトンの人間観―『国家』における国家と人間の類型論を中心に―」(『プラトニズムにおける人間観の変遷』平成14~17年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(1))研究成果報告書 2006年)「自然と人間―プラトンの自然思想から」(共編著『自然と人間』梓出版社 2006年)「哲人王の行方」(日本西洋古典学会編『西洋古典学研究』第59号 岩波書店 2011年)「「哲人王の行方」補説」(『西洋古典研究会論集』第21 号 2012年)「最善の国家と次善の国家―プラトン『法律』708E-712B,739A-E,875-C-D-」(『法政大学文学部紀要』第80 号2020年)