経営学部Faculty of Business Administration
MAN400FA(経営学 / Management 400)演習6Seminar 6
川島 健司Kenji KAWASHIMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学部Faculty of Business Administration |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A4728 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4,水5/Wed.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 4 |
単位数Credit(s) | 3 |
備考(履修条件等)Notes | ※ 原則春学期、秋学期連続で受講してください。 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
入学年度Admission year | |
カテゴリー(2019年度以降)Category (2019~) | |
カテゴリー(2018年度以前)Category (~2018) |
選択 演習 |
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Outline (in English)
This seminar is for a student who studies corporate financial accounting and/or financial reporting and writes a dissertation related to those studies. Accounting is one of the activities of our life. It is the act of recording, measuring, evaluating and reporting on the state of economic activities from perspective of money. Although it is performed daily at various levels including at the individual level, in this seminar we study corporate financial accounting. Corporate-level accounting has certain rules, as each company independently conducts accounting in its own way, resulting in social inefficiencies. Learning the rules would be one of the themes. We study such interests using generally accepted academic methods.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
企業会計(財務報告)に関する学習と研究を行い、論文を執筆する。会計とは私たちの生活の営みの1つであり、経済的な活動の様子をカネの視点で描写して、計測して、評価して、報告する行いである。それは私たち個人のレベルも含めて様々なレベルで日々行われているが、本演習ではとくに企業のレベルで行われている会計について学習・研究する。
企業レベルの会計では、それぞれの企業が勝手に独自の方法で会計の営みをすると社会的な非効率が生じるので、ある一定のルールが設けられている。そのルールを学ぶことは本演習での学びの1つである。そのルールとは具体的に会計法規や会計基準である。一通りのルールを知ると、それぞれのルールの合理性や論理性、あるいはルールの経済的な帰結などについて興味が湧いてくるかもしれない。本演習では、そのような興味を一般に認められている学術的な方法によって研究する。
また、多くの企業は、会計の営みによって財務諸表を作って一般に広く公表している。私たちはこの財務諸表を使って企業の実態を調べることができる。興味のある企業を選び、その企業の財務諸表を入手し、財務諸表の分析方法を学びながら、その企業の分析レポートを書く、ということも本演習の活動の1つである。
以上のうち具体的にどれをどのように学ぶかは履修生の関心に依存し、履修生と相談しながら計画して進める。
到達目標Goal
1 社会人として通用する文章表現力をつける。
2 会計基準を読解し、基本的な会計処理の技術を理解する。
3 問題提起と仮説・検証の方法を理解し、これを実践する。
4 学術論文(日本語・英語)を身近なものとして読解できる力を得る。
以上のうち本演習が最重視することは、文章表現力をつけること、すなわち「文献を読んで、文章を書くこと」である。次いで、会計学の演習であるから会計処理・計算も正確に行えることを重視する。要するに「読み、書き、計算」である。プレゼンテーションやグループディスカッションよりも、「読み書き計算」がきちんと行えるようになることを目指す。プレゼンやディスカッションはその後である。
具体的には、専門書を読みながら、自分で調べたり考えたりしたことについて、各自1年間にA4で合計100〜150ページの量の文章を書く。文章を書いて、それを本演習で発表し、その都度、文章や論理の修正をして、最終的に社会人として通用する文章を書けるようにする。地味な修行であると思って取り組んでいただきたい。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1-1」、「DP1-2」、「DP1-3」、「DP1-4」、「教養」、「DP2-1」、「DP3」、「DP4」に関連がかなりある
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
①会計・財務報告に関する文献の輪読:本年度は、ウィリアム・H・ビーヴァー著・伊藤邦雄訳『財務報告革命』(第3版)を1年間かけて輪読する予定である。本書を読むためには、会計学とファイナンスの基礎知識が必要であり、その必要に応じて適宜、追加的な文献を選定して知識を補足する。履修生の関心、知識量、理解度、理解の速さなどを考慮しながら、毎回の講義内容を柔軟に決定する。
②法政大学懸賞論文への応募:学習・研究の成果を発表する機会として、履修生は個人で法政大学・懸賞論文大会に論文を提出することを目指す。
③卒業論文の制作:4年生は卒業論文の提出を義務づけている。毎年、卒業論文集を制作しており、当該卒業論文集は本演習の教材としても活用している。研究の遂行および論文の執筆にあたり、研究方法に関する文献を輪読する。本年度は、高根正昭『創造の方法学』を輪読する予定である。
④合宿:夏または春に日本国内で1泊2日のゼミ合宿を開催する。費用は1回につき2万円程度。
⑤インターゼミナール:研究成果を発表する機会の場として、インターゼミナールを開催する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
Ⅱ 秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:輪読『財務報告革命』:第1章「革命」
20世紀に財務報告の分野で起きた「会計革命」を概観、主要論点を認識。主要なステークホルダーにとって会計の役割とは何かを考察する。
2:輪読『財務報告革命』:第1章「革命」(つづき)
望ましい「発生主義会計」とは何かを考察する。
3:輪読『財務報告革命』:第2章「情報」
会計の役割を、会計情報の利用者にとっての意思決定を支援する情報、という観点から捉えて考察。
4:輪読『財務報告革命』:第2章「情報」(つづき)
会計情報利用者の意思決定モデルとして、ファイナンス分野におけるポートフォリオ理論について学ぶ。
5:輪読『財務報告革命』:第2章「情報」(つづき)
ポートフォリオ理論を前提に、会計情報の機能やその兼ね備えるべき特性について考察。
6:輪読『財務報告革命』:第3章「確実性」
完全・完備市場を前提に、理想的な望ましい会計利益とは何かを考察。
7:輪読『財務報告革命』:第3章「確実性」(つづき)
資本利子としての経済(学)的利益、およびEdwards and Bellの主観的のれんの概念を理解する。
8:輪読『財務報告革命』:第3章「確実性」(つづき)
経済学的利益をベンチマークとして、会計利益を評価する。
9:輪読『財務報告革命』:第4章「不確実性」
完全・完備市場という理想的条件を取り外した場合、経済的利益の性質はどのように変化するかを検討。
10:輪読『財務報告革命』:第4章「不確実性」(つづき)
より現実的な不完備・不完全市場という条件下での会計利益を評価する。
11:輪読『財務報告革命』:第4章「不確実性」(つづき)
会計利益に関する研究課題および論点を整理する。
12:輪読『財務報告革命』:第5章「証拠」
会計領域における実証的研究の概要とその論文の読み方を知る。
13:輪読『財務報告革命』:第5章「証拠」(つづき)
会計情報のイベントスタディーに関する研究の方法と主な結果を概観する。
14:輪読『財務報告革命』:第5章「証拠」(つづき)
会計利益の価値関連性、会計方針の選択に関する実証論文を概観。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
輪読に際し、全員が指定範囲を精読する。発表担当者は指定範囲を要約したレジュメを作成する。研究成果を発表する際にはレジュメを作成する。なお、本授業の準備学習・復習時間は、各 2 時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
①ウィリアム・H・ビーヴァー著・伊藤邦雄訳『財務報告革命』(第3版), 白桃書房, 2010年. ②高根正昭『創造の方法学』講談社現代新書, 1979年.
参考書References
①ウィリアム・R・スコット著・太田康広他訳『財務会計の理論と実証』中央経済社, 2008年. ②苅谷剛彦『知的複眼思考法ー誰でも持っている創造力のスイッチ』講談社+α文庫, 2002年. ③伊丹敬之『創造的論文の書き方』有斐閣, 2001年. ④Craig, D. Financial Accounting Theory, 3rd edition, McGraw-Hill, 2009. ⑤Kieso, D.E. et al. Intermediate Accounting, 15th edition, Wiley, 2013.
成績評価の方法と基準Grading criteria
C評価: 演習に原則的に毎回出席し、かつ、興味のある研究テーマをもち、論文執筆について意欲がある。
B評価: C評価に加えて、演習で扱った学習内容を理解している。
A評価: B評価に加えて、自ら文献を読解し、研究を遂行している。懸賞論文大会またはこれと同等の論文大会に、研究成果を提出していること。かつ、4年生は卒業論文を提出していること(またはその見込みがあること)。
A+評価: A評価に加えて、演習の他の履修生に対して、自らの経験と知識を教える能力がある、またはその姿勢がある。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
卒業生との交流の場を増やしてほしいという指摘がある。このため、例年開催しているOB・OG会に加えて、合宿および卒論発表会に卒業生を招待し、現役生と卒業生が交流する機会を増やす。
関連科目
簿記入門、会計学入門、財務会計論、経営分析、企業評価論