経営学部Faculty of Business Administration
ECN301FB(経済学 / Economics 300)組織経済学Ⅰ (2018年度以前入学者)組織経済学Ⅰ (2018年度以前入学者)
奥西 好夫Yoshio OKUNISHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学部Faculty of Business Administration |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A4394 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月1/Mon.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 3 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
入学年度Admission year | |
カテゴリー(2019年度以降)Category (2019~) | |
カテゴリー(2018年度以前)Category (~2018) | 経営学科専門科目 |
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Outline (in English)
・Traditional micro-economics has emphasized the role of firms as players of markets. But it did not fully study non-market transactions such as those within firms and between firms. Such a situation has changed greatly, however, since the advent of "organizational economics," whose basics are the topic of this course.
・Students will understand human behaviors and decision-making within an organization, and the influence of environmental or institutional factors. Furthermore, they can think of how to improve the present situation.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
・伝統的なミクロ経済学は、企業を市場取引の参加者として重視してきたが、企業組織内の意思決定や雇用関係などの非市場取引、企業グループや系列などの企業間関係についてはほとんど立ち入らなかった。しかし、1980年代以降、組織や人事制度を経済学的な手法を用いて分析する「組織の経済学」が徐々に形成されるのに伴い、こうした状況は大きく変化した。本授業はそうした「組織の経済学」の基本的内容を講義する。
・学生は、本講義を通じて組織内の人間行動や組織の意思決定、それらに影響する環境・制度要因の作用を理解し、さらに改善の方途を考案することを学ぶ。
到達目標Goal
・学生は、組織経済学の基本的な方法論、分析ツールを説明できる。特に人間の行動原理、組織や取引の評価基準、組織デザイン、インセンティブ問題など。
・経済合理性を主たる方法論とする伝統的経済学が組織のさまざまな問題を理解し解決する上でどこまで有用なのか、そしてどのような点で限界があるのかを説明できる。
・そうした理解を踏まえ、現実の組織の問題を分析し、何らかの改善策を具体的に考案できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1-3」、「DP4」に関連が特に強く、「DP1-1」に関連がかなりある
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・授業に必要な教材は、学習支援システム(Hoppii)にアップするので、各自ダウンロードすること。
・対面授業が原則だが、コロナ感染の状況によっては困難が予想される。その場合はZoomを用いて行う。アクセスに必要なID、PWはHoppiiを通じて連絡する。最低限、事前に講義レジュメに目を通して参加すること。
・課題提出等もHoppiiを通じて指示する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
Ⅱ 秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1.:講義概要、人間の行動原理(1)
・組織経済学の内容、方法論
・経済合理性に関するアンケート
2.:人間の行動原理(2)
・経済合理性
3.:人間の行動原理(3)
・経済非合理性
4.:人間の行動原理(4)
・不完全情報下の経済合理的行動
5.:取引・組織の評価基準(1)
・効率性
・公正性に関するアンケート
6.:取引・組織の評価基準(2)
・さまざまな公正性概念
7.:コースの定理(1)
・効率性概念の応用
8.:コースの定理(2)
・市場と組織の選択
・ルール化の損得
9.:組織デザイン(1)
・組織構造
10.:組織デザイン(2)
・コーポレート・ガバナンス
11.:組織デザイン(3)
・職務設計
・多様性管理
12.:インセンティブ問題(1)
・インセンティブの強度
・ナッジ
13.:インセンティブ問題(2)
・人事制度への応用
14.:インセンティブ問題(3)
・賃金制度への応用
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・学生は、授業前にHoppiiにアップした講義レジュメや資料に目を通しておくこと。
・事前にアンケートや小課題の回答を求めることがあるので、それらを誠実にこなすこと。
・講義内容に関する質問は、なるべく当該授業の間か、次回授業の冒頭に全員の前で行うこと。(その方が、受講生全員の理解向上につながるため。)
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・単一のテキストは特に用いない。
・担当教員が作成する授業レジュメ、参考資料等はHoppiiを通じて配付する。
・より進んだ学習を希望する学生は、下記の【参考書】を参照のこと。
参考書References
・ポール・ミルグロム、ジョン・ロバーツ『組織の経済学』NTT出版、1997年。組織経済学の包括的かつ基本的教科書。
・エドワード・P・ラジアー、マイケル・ギブス『人事と組織の経済学・実践編』日本経済新聞出版社、2017年。人事制度や組織デザインを扱っている。
・ジョン・ロバーツ『現代企業の組織デザイン』NTT出版、2005年。上記、ミルグロム、ロバーツ著と重複するが、組織問題のエッセンスを扱っている。
・ロバート・H・フランク『日常の疑問を経済学で考える』日経ビジネス人文庫、2013年。経済合理性というレンズで身の回りの事象を眺めるとどうなるかという思考訓練になる。
・リチャード・セイラー『行動経済学の逆襲』早川書房、2016年。経済非合理性に立脚した経済学のパイオニアによる自伝的入門書。
・マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2011年。経済学者が重用する「効率性」(功利主義)以外のさまざまな正義観を知ることができる。
・ロナルド・H・コース『企業・市場・法』東洋経済新報社、1992年。取引費用やコースの定理など著者の主要論文を全て所収したもの。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・定期試験は行わない。その代わり、学期中に3〜4回程度の課題提出を行い、それらの合計点でコース全体の評価結果とする。ただし、各回のウェイトは課題に要する時間、難易度等によって異なる。
・課題の内容は、上記【到達目標】の達成度を評価できる内容とし、講義の参考文献等を使った質問に対して答えてもらう。
・また、課題内容の告知から提出期限まで2週間程度の期間を設ける予定である。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・2020年度は、全てZoomを通して行ったが、学生の顔が見えず、問いかけへの反応も乏しかったため、どこまで授業内容を理解できたか不安であった。実際、課題のフィードバック時に初めて、「合理性」と「効率性」の意味の違いが分かったという学生もいた。
・今年度は、そうした問題を減らすよう工夫したい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
・授業はZoomを用いて行う可能性が高いこと、またHoppiiへのアクセスが必須であるため、オンライン接続可能なPCないしタブレットの利用が不可欠である。
その他の重要事項Others
・本科目はI、IIの通年開講授業だったが、2018年度以降、新カリキュラムに合わせてIのみの開講となる。このためIIの主要テーマであった人事制度に関する部分は大幅にカットされる。ただし、それに該当する内容は、より詳細にGBP用の「HRM I/II」(Iは秋学期、IIは春学期)でカバーする。履修にあたっては一定の英語力が必要だが、興味ある学生は是非そちらも受講してほしい(ただし、日本語の「人的資源管理I/II」との重複履修は不可)。
・担当教員は、1980〜89年、(旧)労働省で労働経済の分析、労働政策の企画・調整、労働基準行政の現場業務等の実務経験を有する。本講義の内容と直接的には重ならないが、組織での仕事経験から得られた知見は、本講義でも必要に応じ伝えたい。
関連科目
・ミクロ経済学、組織行動論、人的資源管理等が関連科目だが、本科目の履修にあたっての前提条件とはしない。