社会学研究科Graduate School of Sociology
SOC500E1-2211(社会学 / Sociology 500)取材文章実習Methods of News Gathering and Writing
髙瀬 文人
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 社会学研究科Graduate School of Sociology |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X6029 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金6/Fri.6 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
Story in Jounalism Can be expressed as "It was thought based on the fact and its expression." The way to gather facts, evaluate the derived conclusions and express them properly is fundamental not only for journalism and academic things but also for all ideas, its importance is increasing more and more I will. In this classloom, you will master the sentences of journalism (writing interviews) linked with your own way of thinking.
It aims at "learning skills".
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
取材文章とは「事実に基づいた思考とその表現」と言い表すことができる。事実を集め、評価し、導き出される結論を展開し、適切に表現する方法は、ジャーナリズムや学問に限らず全ての思考の基本であり、その重要性はますます高まっている。この授業ではジャーナリズムの文章(取材文章)を自分の思考法とリンクして身につけ、受講者の「学びのスキル」とする。
到達目標Goal
・取材文章がどのような構造でできているかを分析し、理解できる。
・新聞、雑誌、書籍、ウェブなどの媒体ごとに、文章の特徴を理解できる。
・問題意識、事実の見かた、収集と整理、論理の展開と論証の基本的な技術を身につける。
・事実の確認と評価の方法を理解できる。
・インタビューをはじめとする取材方法を学ぶ。
・学んだ方法論をもとに、事実を知らせる文章を書く。
・学んだ方法論をもとに、複数の事実から新しい価値を生み出す文章を書く。
・他者が書いた文章を読解し、校正し、向上のための方針を立てる。
・媒体に合わせた発信方法を考え、文章を書き、仕上げる。
・取材者・表現者としての自らとメディア、そして社会との関わり合いについて考えられる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
ハイフレックス授業(対面授業を同時に配信)を予定している。新型コロナウイルス感染症の感染状況、また学生のニーズによって、オンラインのみとすることがありうる。
「書く」ことで思考を深める授業の特性上、全体を通じて時間内に、あるいは課題として短い作文、あるいは取材に関連する簡単な作業を課し、それについての討論・添削を予定している。
授業は基本的に討論形式とし、講師と受講者、または受講者同士の討論を活発化することで気づきや深まりを期待する。
また、文法などの短いレクチャーを適宜行い、より文章のスキルを高められるように授業を設計する。
受講生の関心などを考慮し、授業計画を変更する場合がある。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ジャーナリズムの文章とその思考法
新聞・雑誌記事を題材に、記事や新聞紙面・雑誌レイアウトの見せ方などの構造を分析し、そこにどのような思考や意図が含まれているかを知る。
第2回:表現方法の構造と変化①新聞・放送・雑誌・書籍
メディアごとの記事や表現方法の特徴と歴史の中での変化を知る。また、それぞれの文章の違いを知る。
第3回:表現方法の構造と変化②ネット媒体の勃興とレガシーメディアの変容
デジタルメディアの歴史と情報の検索・伝播の構造を知り、旧来のメディアがどう変容しているかを知る。
第4回:問題意識、事実の収集・分析、展開と論証
最近の記事やメディアをめぐる状況の実例から、記事の基本的構造を知る。必要な要素を整理し、自分が記事を書く際のスキルとして意識化できる。
第5回:フェイクニュースとその攻防——事実を確認するには
「フェイクニュース」は、意図的なデマとして流される場合も多いが、きちんと仕事をしていても作ってしまうことがある。防ぐポイントは事実の裏付けにある。その手法を学び、簡単な実践をしてみる。
第6回:取材文章思考①テーマとリサーチ
取材の出発点である「発想」、方向性を決めるための情報収集である「リサーチ」はどのようにしたらよいか、どんな手段があるか。簡単な実践をしながらそれらの「方法」を身につける。
第7回:取材文章思考②取材と情報整理
「取材」とは何をするのか。取材文章思考①での準備を踏まえて取材計画をどのように立て、実行するかを、「取材執筆実習」の回に向けて計画する。また、取材をどのように記録し、情報を整理するかを学ぶ。簡単なワークショップを行う予定。
第8回:取材文章思考③伝えるための文章の構造・執筆のルール
取材で得、整理した事実を組み立て、執筆の方向性を決め、執筆にかかる。その論理の組み立てと、文章の基本について、簡単なワークショップを行う中で学ぶ。
第9回:取材執筆実習①テーマ設定とリサーチの実際
この回から13回まで、受講生はテーマを設定して取材文章を仕上げ、発信する実践を行う。テーマ設定の問題意識と、それを取り上げる必然性を説明できるように考え、発表する。必要なリサーチを行う。
第10回:取材執筆実習②取材・インタビューの実際
講師が設定するテーマにより、実際にインタビュイー(被取材者)にインタビューし、取材のノウハウを学ぶ。
第11回:取材執筆実習③情報整理と執筆の実際
取材で得た情報を整理し、筋書きにまとめ、執筆する作業を行う。授業時間内に終えることができない場合は、課外の時間を使って仕上げることも想定される。
第12回:取材執筆実習④発信を踏まえた編集実習
他の受講生が仕上げた原稿を、編集者の立場になって読み、校正し、よりよい内容になるよう添削・アドバイスする。受講生はそのアドバイスに従い、自らの原稿をさらにブラッシュアップする。
第13回:取材執筆実習⑤活字媒体の発信、ネット媒体の発信
新聞、雑誌、放送、ネットなど、媒体によって適した文章の書き方がある。自分の記事をそれぞれの媒体で発信することを考えて、バリエーションを作ってみる。
第14回:取材スキルとジャーナリズム、そして社会
講義全体を通して得たスキルを振り返り、受講生自身の、これからのものの見方、考え方、表現のしかたにどう影響したかを考える。それを踏まえ、ジャーナリズムの社会における役割、さらに表現者としての自らのあり方について考えを進める。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。実習で使用する参考書は適宜案内するが、必ずしも購入する必要はない。
参考書References
『(新版)日本語の作文技術』(本多勝一著、朝日文庫)『大人のための国語ゼミ』(野矢茂樹著、山川出版社)『報道記者のための取材基礎ハンドブック』(西村隆次著、リーダーズノート)『校正記号の使い方』『原稿編集ルールブック』(ともに日本エディタースクール)
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業への積極的な貢献度(50%)。討論で貢献のある学生にはさらに加点する。取材文章の評価(50%)。文章の評価は、文章の完成度とともに、問題設定や情報収集の方法や思考プロセスとその過程、さらに表現に意を払っているかに重点を置く。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
文法など文章テクニックの短い講義・実習を織り込むことなどで、授業の目的である「問題意識の立て方」「事実の見かた・評価のしかた」「展開・結論づけ」について、受講生は多面的な観点から問題意識を立て、インタビューし、文章表現にまとめるところまで達成できた。今期は、より受講生の実力を高める工夫を行いたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
スマホ、タブレット、PCなど、ネットに接続できる機器があるとよい。
その他の重要事項Others
教員は現役の記者、ノンフィクションライター、雑誌・書籍編集者、校正者として幅広い領域で活動しており、いま現在の実例を用いて、多様な観点をふまえて受講者と討論しながら取材文章に必要な思考と技術を学べるよう授業を設計している。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
調査報道の雑誌記者・ノンフィクションライター、広告コピーライター、雑誌編集者・単行本編集者・校正者として執筆・編集業務全般にわたり携わる。
<研究テーマ>
調査報道の現代的あり方、リサーチ教育
<主要研究業績>
『リーガル・リサーチ』2003年、日本評論社
『ひと目でわかる六法入門 第2版』2018年、三省堂
『鉄道技術者 白井昭』2012年、平凡社