生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry
MAC200YB(材料化学 / Materials chemistry 200)物理化学概論 IIBasic Physical Chemistry II
見附 孝一郎Koichiro MITSUKE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | H7513 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes |
成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学 生:教員の受講許可が必要(オンライン授業の場合は、学習支援システムで許可を得るようにする) |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<生命科学部>Category |
生命機能学科 学科専門科目 |
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Outline (in English)
Equilibrium thermodynamics is the basic theory of chemistry, the fundamental concepts of which had reached their present form at the end of the 19th century. Any system containing the vast number of particles can be satisfactorily described by eight state functions alone. This aspect of thermodynamics has been fascinating many scientists for more than 150 years. A request will be made to pay particular attention to the state functions called internal energy, enthalpy, entropy, and free energies, as well as the energy transferred between the systems as heat and work.The main objective of this class is to acquire the knowledge of these quantities and learn the problem solving skills on phase transitions and chemical equilibrium.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
平衡状態の熱力学は化学の根本理論の一つであり、19世紀末、その基本概念については現代の姿にまでおよそ達していた。アボガドロ数個の粒子の集団が演ずる自然現象を、たった8個の状態関数だけで定量的に記述できるということが、熱力学の特質であり、学ぶ者にとっての醍醐味であるとも言える。この授業では、内部エネルギー、エンタルピー、エントロピー、自由エネルギーといった状態関数およびエネルギーの移動形態である仕事と熱に焦点を当てて、それら諸量の本質的意味を理解し、練習問題を通して相転移や化学平衡現象への応用力を養う。
到達目標Goal
(1)熱力学の基本概念である系と外界を設定し、それらの間のエネルギー移動の形態を知る。(2)熱力学第一法則と第二法則に慣れ親しみ、熱機関の発達や永久機関の不合理性と関連付ける。(3)閉鎖系のエントロピー増加則と熱力学第二法則に関する数学的表現を、微分形・積分形の両方で使いこなせるよう習熟する。(4)熱化学を様々な実例に応用できるよう、標準生成エンタルピーや絶対標準エントロピーの運用手順を把握する。(5)8つの状態関数とそれらの変化量が関わる数学的表現を学ぶ。(6)化学反応が関わる自然現象を追究するに当たり、ギブズ自由エネルギー変化を評価することの有用性を実感し、気相化学反応や相転移現象を例にして開放系の熱力学理論の初歩を理解する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
DP2
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
(1)9月に入ってから対面授業の場合
主にパワーポイントを使って説明し、式変形の詳細などには黒板書きも利用します。パワーポイントの全内容を、4スライド分1ページにまとめて配布します。ときどき質問を投げかけて、答えや解答方針を口頭で説明してもらいます。第7回前後に中間テストを実施します。
(2)9月に入ってからハイブリッド授業の場合
パソコン、液晶ペンタブを用いて、教室内の学生にはプロジェクターとスクリーンでパワーポイントのスライドを示します。黒板書きではなく液晶ペンタブに文字や数式を書きます。自宅の学生にはzoomミーティングに参加していただき、画面共有で教室内の学生と同じスライドやペンタブへの記入内容を見ていただくことができます。自宅学生は、zoomの接続記録と「学習支援システム」の課題提出をもって出席とみなします。課題の得点は締切後にフィードバックします。
(3)9月に入ってから完全オンライン授業の場合
学生にはzoomミーティングに参加していただき、画面共有でパワーポイントのスライドや液晶ペンタブへの記入を見ていただくやり方で授業を進めます。場合によっては、固定カメラで教室を撮影し、黒板書きを見ていただくこともあります。zoomの接続記録と「学習支援システム」の課題提出をもって出席確認を行います。YouTubeで講義録画をストリーム配信する場合もあります。課題の得点は締切後にフィードバックします。
(1)~(3)とも、課題等の提出・フィードバックは「学習支援システム」を通じて行う予定です。また、提出された課題に対する解答の中からいくつか取り上げ、全体に対してフィードバックを行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:授業の紹介、熱力学の歴史、必要性、意義や恩恵
アンケート、2回目以降の授業内容の紹介、熱力学を学ぶ理由、熱力学の系譜
2:熱力学の基本概念、状態関数
系と外界、8つの状態関数、可逆過程と不可逆過程
3:熱力学の基本概念、
温度とエントロピー
量子準位への粒子配分、ボルツマン分布、熱力学的宇宙のエントロピー増加
4:熱力学第一法則
エネルギー保存則、内部エネルギー、仕事と熱、体積膨張と収縮
5:熱力学第二法則の概念
クラウジウスの記述、ケルビン卿の記述、循環過程と熱機関
6:熱力学第二法則の利用
相転移、等温変化、断熱変化、自由膨張
7:中間試験
熱力学第一法則と第二法則の復習、試験の解答と問題解説
8:エンタルピーとギブズ自由エネルギー
熱力学の基本方程式、定圧過程でのエンタルピー変化と熱、等温定圧過程での自由エネルギー変化
9:熱測定、熱容量
発熱過程と吸熱過程、熱容量の定義、定積熱容量と定圧熱容量、固体や液体の熱容量
10:化学反応とエンタルピー
標準生成エンタルピー、標準反応エンタルピー、物性表の見方
11:化学反応と相転移に関する状態関数変化の一般的表現
化学量論係数、反応進行度、反応エンタルピーと反応エントロピーの温度依存性、
12:化学反応と自由エネルギー
自由エネルギーの圧力依存性と温度依存性(理想気体)、化学ポテンシャル、反応の自発性、化学平衡
13:化学平衡の法則
気相化学反応、圧平衡定数と標準ギブズ自由エネルギー変化、モル分率と分圧、アンモニアの合成反応、
14:相転移と化学ポテンシャル
蒸気圧の計算、状態図、気液平衡線、クラペイロン・クラウジウスの法則
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】式変形や具体的計算に必要な高校生レベルの数学、とくに指数・対数関数と微分・積分を復習しておきます。前週のプリントの内容を授業前に見て、記憶を呼び覚ましておきます。
テキスト(教科書)Textbooks
とくに指定しません。熱化学や化学平衡の最終式や実例に関しては、高等学校の「化学」の教科書に載っていることが多いので、高校時代の教科書や問題集を見返すことには意義があります。
参考書References
「ブラディ・ジェスパーセン 一般化学(下)」、小島 監訳、東京化学同人
「P.Atkins・J.Paula 物理化学(上)」、千原・中村訳、第8版、東京化学同人
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(10%)、期末試験(50%)と中間試験(40%)に基づいて評価します。いずれの試験も、電卓のみ持ち込みを認めます。ハイフレックス授業における自宅からの参加学生に対しては、各授業に付随する課題の得点も評価に加えます。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
2016年度には、「抽象的な法則の説明が多いのでもっと実例をあげて欲しい」との意見が出された。試験答案をみると、繰り返し言及したことについても抜け落ちている学生が多いので、内容を少し平易にし、要点のみ伝える必要があると感じている。2017年度以降の3年間は特段のコメントはなかった。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
とくになし。授業に出席の際は、毎回、忘れずに電子登録してください。
その他の重要事項Others
前期の物理化学概論Ⅰを履修していなくても問題ありません。関数電卓は必需品なので準備しておいてください。