理工学部Faculty of Science and Engineering

現代制御理論は，精緻なモデルを要求するが，「内部変数の変化を知ることが出来る・多入出力系を扱える」など，古典制御理論よりも表現力が高い側面があり，最適制御法などの数学的に体系化された枠組みを利用すれば厳密な制御性能を引き出すことが可能である．本講義では，現代制御理論における基礎知識の習得を目標とする．

現代制御理論の勘所を理解し，標準的な制御系を設計できるようになる．

ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP4」に関連

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講義資料の事前公開により予習（いずれもテキストに準拠した理論と例題）を促す共に，講義では理論を説明するのみならず例題を解いて見せることで学生にフィードバックを与える．
また，制御工学はともすると数式のみの無機質な講義となるため，実社会での応用例に関しても可能な限り盛り込むこととする．積み上げ式の講義でもあるため，途中でつまづいてしまわないよう，同一内容に繰り返し触れるよう振り返りをしながら講義を進める．
各種連絡は基本的には学習支援システムの「お知らせ」で行うので，頻繁に確認すること．

なし / No

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

1：現代制御とは
～状態空間表現の基礎～

現代制御の概要を説明すると共に，各講義における習得目標を概説する．また，実社会での有用性や課題なども俯瞰する．

2：状態空間表現

動的システムの数学モデルとその状態空間表現との関連を説明する．

3：行列とベクトルの基本事項

現代制御の基盤となる数学知識を整理する．ベクトルおよび行列の各種演算などが具体的内容となる．

4：状態空間表現と伝達関数表現の関係

伝達関数表現と状態空間表現の関連などを説明する.

5：状態変数線図と状態変数変換

システムの構造理解を助ける状態変数線図を習得し，状態変数に変換を施した際の状態変数線図や各種表現の振る舞いを説明する．

6：状態方程式の自由応答

自由システムに限定した状態方程式の解法(零入力応答)を説明する．

7：状態方程式の応答

状態方程式の一般解法を説明する．

8：システムの応答と安定性

システムの安定性の条件と分類を説明する．

9：状態フィードバックと極配置

不安定システムの安定化を実現する状態フィードバックの概念と構造を説明し，極配置法に基づく設計方法について説明する．

10：システムの可制御性と可観測性

システムの可制御性と可観測性の概念を理解し，それらの判別法やそれらの間に存在する双対性などを説明する．

11：オブザーバの設計

オブザーバの概念を理解し，その基本構造や設計法を説明する．

12：状態フィードバック制御とオブザーバの併合システムの設計

状態フィードバックとオブザーバを併合したシステムの構造および設計法について説明を行う．

13：サーボ系の設計

目標値追従をその目的とするサーボ系の構造および設計法を説明する．

14：最適制御

最適制御法の概念を理解し，設計方法を使用例と共に説明する．

【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】教科書により次回の講義内容を予習し，不明点などを明確にしておくこと．
前回の講義内容を復習し，理解しておくこと．

佐藤和也，下本陽一，熊澤典良：「はじめての現代制御理論」，講談社，2012

郷寛，美多勉：「システム制御理論入門」，実教出版株式会社，1979

実施方式によって評価が異なる．
各種連絡は学習支援システムの「お知らせ」で行うので，頻繁に確認すること．

オンライン講義となった場合には，以下を成績評価の基本方針とする．
課題が隔週ペースで計5回課され，その総合成績によって決定する．


対面講義となった場合には，以下を成績評価の基本方針とする．
期末試験(80点)，出席点(20点)により総合評価する．

実施方式が途中で切り替わった場合などは，両方を織り交ぜた評価を行う．

講義時間を超過しないよう，時間配分に留意する．また，応用先を挙げるなどで利用イメージの定着を図る．
学生に予習を促すとともに，時間が許すようであれば演習の時間も設ける．

講義用ハンドアウトを各自で持参すること．
学習支援システムを利用しての事前配布を検討している．

また、オンライン講義の場合には，ITツールはzoomを利用予定である．
事前に接続テストをしておくと良い．