理工学部Faculty of Science and Engineering
MEC300XB(機械工学 / Mechanical engineering 300)製品開発工学Product Engineering
吉田 一朗Ichiro YOSHIDA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学部Faculty of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | H5075 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月4/Mon.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<理工学部>Category |
機械工学科機械工学専修 学科専門科目 |
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Outline (in English)
The product development is a complex and organizational activity, and various organizations should cooperate closely to plan products and produce products of required quality within a specified period. In order to understand such product development, in this lecture, students understand the whole product development process based on the knowledges of each lecture of Mechanical Engineering Department.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
製品開発は,多様な組織が密接に協調しながら,製品を企画し指定された期間内に要求される品質の製品を生産するまでの複雑で組織的な活動である。機械工学科の各科目の知識を基礎に,製品開発プロセスの全体を理解する。
また,社会での実践経験(実戦経験)の豊富な方々を招き,開発事例や経験を講義して頂く。これらを通し,製品企画や仕様決定,製品アーキテクチャ,製品プロトタイピング,製品開発管理などの基礎手法を学ぶ。また,産業界の事例により製品開発や研究活動の流れを具体的に把握する。
以上の内容を通し,自発的に学ぶ意識や問題を発見できる意識を自ら養い,製品開発,研究活動や問題設定を具体的に進められる基本的な能力をつける。(この能力や意識は, 3年後期の PBLや 4年の卒業研究,博士前期課程(修士)での研究活動に役立つ)
上記のような素養が身につけられれば,機械工学の王道系企業に限らず,電機メーカや食品メーカ,医薬品メーカ,建設業界などの企業への就職を目指しても魅力的な人材として高い評価を受けるだろう。
授業担当者は,本講義を通して企業人の視点を学び・感じ取ってもらい,今後の進路や就職活動に役立ててもらいたいと思っている。
到達目標Goal
複雑な実務活動である製品開発の基本的考え方を学び,事例を通じて現代の製品開発の様相を理解する。機械工学の他の関連科目の役割りや重要性を理解し,製品開発や研究の流れを理解する。
以上の理解によって,自ら進んで自発的に学ぶ意識や自ら問題を発見できる意識を養い,製品開発や研究活動,課題設定を具体的に進められる基本的な能力を養う。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
製品開発工学に関連する機械工学の科目は多い。また,必要な基礎知識を復習しながら,製品開発工学に必要となる手法を学んでもらいたい。授業計画では大きく分けて,製品開発工学の概要,企業の製品開発で必ず必要となる特許,最新の製品開発事例,研究や製品開発での実験,検証おいて重要な計測学の基礎,研究,製品開発において多用される手法などについて学ぶ。理解度を上げるため,理解の状況や進捗に合わせて授業計画の順序などを柔軟に変更する。また,ほぼ毎回レポート課題を課す。適時,課題の解説などや質疑応答などを通じてフィードバックを行なう。
本授業では,海老裕介氏(伊藤・海老国際特許事務所,パートナー弁理士),梶原優介氏(東京大学,准教授),後藤智徳氏(㈱ミツトヨ,部長,Ph.D.),近藤雄基氏(中京大学,人工知能高等研究所,Ph.D.),田中秀岳氏(上智大学,准教授),圓谷寛夫氏(㈱ニコン,元ゼネラルマネージャ),西村公男氏(日産自動車㈱パワートレイン生産技術本部パワートレイン技術企画部,エキスパートリーダー)橋本信幸氏(シチズン時計㈱,研究開発センター,上席研究員,Ph.D.),藤井章弘氏(オリンパス㈱,イノベーション推進部,フェロー,Ph.D.),宗像令夫氏(㈱PQM総合研究所,代表取締役社長,元リコー),山本和久氏(マツダ株式会社,元・人事室,現・商品戦略本部),湯島 彰(株式会社東芝,元東芝デザインセンター長)(五十音順)ら,研究・開発経験の豊かな方々をお招きし,企業・大学での開発現場における実践的な事例を学ぶ。
以上の方々と授業担当者の講義を通し,研究開発に加え人々の役に立つことや社会貢献の精神・考えを学び,将来の就職活動や自己実現にも役立ててもらいたいと考える。
新型コロナウイルスの状況や政府からの非常事態宣言および東京都からの緊急事態措置が発出された場合を鑑み,春学期中,必要に応じてオンラインでの開講となる。それにともなう各回の授業内容や計画の変更,成績評価の方法などの変更等については,学習支援システムでその都度提示する。また,本授業の開始日も必要に応じて学習支援システム:Hoppii等から通知する。本シラバスに記載の全事項は新型コロナ禍前や非常事態宣言時以外を想定して作成されているため,オンライン式,対面式を含め具体的な授業の進め方などは,学習支援システム:Hoppii等で提示する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:製品開発プロセス,研究,開発について
製品開発とそのプロセスの全貌,研究・開発について講義する。
2:特許入門(1)
弁理士の方を招いて特許の基礎から出願の仕方,特許につながるアイディアの出し方まで講義いただく。
3:特許入門(2)
担当教員の 2016年 3月迄の企業経験や企業での特許実績を踏まえた特許の基礎や事例,コツについて講義する。
4:企業における製品開発事例(1)
大手自動車メーカの方を招いて,企業における製品開発の事例や製品開発における大事なポイントや求められる人材について講義いただく。
大学における学び方や姿勢は,高校までとは全く異なること,また,就職活動を有利にするためにも,学生時代に意識改革をしておくことが良いことなどを講義いただく。
また,所属される企業の求める人材などについても紹介いただく。
5:企業における製品開発事例(2)
大手光学機器メーカの方を招いて,企業における製品開発の事例や製品開発における姿勢について講義いただく。
また,所属される企業の求める人材などについても紹介いただく。
6:企業における製品開発事例(3)
大手光学機器メーカの方を招いて,企業における製品開発の事例について講義いただく。また,企業における製品開発や設計業務において,大学の講義内容がいかに重要であるかを講義いただく。
また,所属される企業の求める人材などについても紹介いただく。
7:企業における製品開発事例(4)
大手計測機器メーカの方を招いて,企業における製品開発の事例や製品開発における姿勢について講義いただく。
また,所属される企業の求める人材などについても紹介いただく。
8:企業における製品開発事例(5)
担当教員の 2016年 3月迄の約8年間の企業における研究・製品開発経験を交えた製品開発の考え方や製品開発事例,大学との共同研究などについて講義する。
9:大学における研究・開発の事例(1)
東京大学の教員の方を招いて,大学における研究・開発の事例や企業との共同研究などについて講義いただく。
10:大学における研究・開発の事例(2)
上智大学の教員の方を招いて,大学における研究・開発の事例や企業との共同研究などについて講義いただく。
11:計測学の基礎
製品開発には計測が必要不可欠である。その絶対不可欠な計測について講義する。
計測における考え方や必要性,事例,測定機の種類などを講義する。
計測分野は,機械工学系出身の者にとって,もっともノーベル賞に近い分野の一つであるほど重要である。
12:統計学の基礎(1)
製品開発には計測が必要不可欠であるが,測定データは必ず統計処理を行う。統計処理を誤れば,間違った分析をしてしまい,製品開発も研究も暗礁に乗り上げる。それほど統計処理は重要である。
統計学の基礎中の基礎から,表,グラフによるデータ処理,度数分布表やヒストグラムの作成方法,企業の現場で使用する統計学などについて講義する。
3回の講義で統計学の概要がつかめるように,毎回のレポート課題とその答え合わせを実施する。
13:統計学の基礎(2)
製品開発には計測が必要不可欠であるが,測定データは必ず統計処理を行う。統計処理を誤れば,間違った分析をしてしまい,製品開発も研究も暗礁に乗り上げる。それほど統計処理は重要である。
統計学の基礎として,ヒストグラムの分析の仕方,累積度数分布の作成方法,数値による統計処理の種類・計算方法などについて講義する。
3回の講義で統計学の概要がつかめるように,毎回のレポート課題とその答え合わせを実施する。
14:統計学の基礎(3)
製品開発には計測が必要不可欠であるが,測定データは必ず統計処理を行う。統計処理を誤れば,間違った分析をしてしまい,製品開発も研究も暗礁に乗り上げる。それほど統計処理は重要である。
統計学の基礎として,数値による統計処理の種類・計算方法などについて講義する。
3回の講義で統計学の概要がつかめるように,毎回のレポート課題とその答え合わせを実施する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】
1.身近にある機械を観察し,その本質的機能は何か,なぜそのような構造になっているのか,もっと良い構造は考えられないか,などを考え,問題意識を持って授業に臨むことが期待される。
2.大学は,社会に出て就職する前の最後の準備期間(学習期間)である。社会に飛び立つと,学生時代のような手厚い教育を受ける機会は激減する。そのため,ぜひ社会に出るまでに,自力で学習できる技術と能力,精神,考えを身に付けられると良いと考える。この能力は一生ものであり,社会に出た後,どの分野に進んだとしても必ず役に立つ。
3.機械工学に関する基礎的な科目および設計工学について,よく復習し身につけておくことが重要である。製品開発のための実用的な設計手法は多いが,授業で学んだだけでは真の理解には至らない。自ら課題を設定し,自発的に学ぶ学習態度が望まれる。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書については,初回のガイダンスで説明する。
1.必要に応じて授業資料を配布する。
2.トリーズ (TRIZ)の発明原理 40あらゆる問題解決に使える [科学的]思考支援ツール,高木芳徳,ディスカヴァー・トゥエンティワン社(2014年),2,640円(税込).
3.『生産性革命のためのプロジェクト型品質マネジメント手法 PQM: お客様ファーストの新製品開発から商品化までのプロセス変革』,宗像 令夫,リコーテクノロジーズ(株)PQM推進チーム,日科技連出版社(2018),3,080円(税込).
参考書References
1.『101デザインメソッド―革新的な製品・サービスを生む「アイデアの道具箱」』,ヴィジェイ・クーマー, Vijay Kumar,渡部典子(翻訳),英治出版(2015年),2,750円(税込).
成績評価の方法と基準Grading criteria
講義中に設定される課題についてのレポート提出状況,レポートの内容および期末試験の結果を総合して成績評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
① 授業を聞くだけでなく,自ら具体的な製品開発課題を想定し,授業で学ぶ考え方や手法を積極的に実践し深く理解していくことが望まれる。
② 大学の授業は高校までの授業と異なり,授業の内容を勉強するだけでなく,教師がいなくても自分で学ぶことのできる能力:勉強の仕方を身につける場です。この能力を身に付けて,養えている学生は,卒業研究を含む3・4年生科目で能力を発揮し,更に,企業に勤めてからも活躍しています。
③ 授業の理解を支援する資料を授業支援システムにアップロードすることで学びの自由度を向上させ,授業内容の理解を深めることを可能とした。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
1.必要に応じて貸与ノートPCや関数電卓が必要になる。
2.レポート・課題の提出用紙は,A4もしくはA3のみを受け付ける。提出用紙サイズは,授業中に指示するので厳守のこと。
その他の重要事項Others
本授業は,「実務経験のある教員による授業」である。授業担当者の吉田は,精密機器メーカで約8年間,実際に販売する製品の開発および最先端の超精密機器の研究開発の実務経験がある。また,特許・知財管理業務の実務経験,および,研究開発者として特許出願経験や登録特許も保有する。
加えて,企業人として大学・研究機関への共同研究の依頼・契約締結の経験,および,逆に大学人として企業・研究機関への共同研究の依頼・受託・契約締結の業務経験を有する。
フィールドワークについては,課題を課す。具体的には,学生本人が興味のある製品や商品,サービスについて市場で流通しているものと比較して考察・発案する課題を課す。