文学部Faculty of Letters
HIS200BE(史学 / History 200)日本史特講Ⅶ日本史特講Ⅶ
山田 康弘Yasuhiro YAMADA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A3160 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金1/Fri.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Learn historical research methods of reading historical materials,pursuing historical facts, and drawing historical images.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
歴史学は単に「昔のことを知る」だけの学問ではない。歴史学は、過去を知り、過去と現代とを比較することによって、現代(私たち現代人が「当たり前」すぎて気づきにくい現代)をより深く理解していく、という学問である。また、歴史学は「この史料(データ)は信用できるのか」、「この史料からどのようなことを読み取ることができるのか」といったことを考えながら、事実によって裏付けられ、かつ、論理的につじつまの合った結論を考えていく――そのような学問でもある。そして、こうした「比較することで「当たり前」を相対化し、新たな気づきを得る」、「データを吟味・解釈し、そこから事実と論理に基づいた結論を導き出す」という歴史学の手法は、学生諸君が大学を卒業したあと、たとえばビジネスの世界などで活躍していく際に、きっと強力な武器になっていくことだろう。
そこで本講義では、こういった歴史学の手法を学生諸君が身につけることができるよう、これを分かりやすく解説していく。
到達目標Goal
歴史学の存在意義を認識しうるとともに、論理整合性と事実立脚性という歴史学の決まりごとを理解することができる。また、データ(史料)の正しい取り扱い方や、問題設定から歴史像の構築にいたるまでの手法を把握することができ、さらに、歴史学研究の「社会的使命」や、歴史学のもつ「限界」をきちんと理解したうえ、歴史学の隣接諸科学におけるさまざまな理論の使い方などを身につけることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
3章構成とし、講義形式で進める。配布プリントを使って解説する。授業の最後に理解度を確認するため、小テストを実施する。小テストに記入された疑問点については、次回の授業で回答する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション―歴史学は何のためにあるのか?
「過去を知って何の役に立つのか」「過去から教訓を得られるのか」「過去を知って未来を予測できるのか」「一体、歴史学は何を対象としているのか」といったことを考える。
第2回:戦国時代とは何か(1)―応仁・文明の乱までの足利将軍たち。
初代将軍・尊氏から8代将軍・義政までの事績を概観し、「なぜ足利は政権が不安定だったのか」「応仁・文明の乱の原因は何か」「天皇はなぜ存続したのか」を考えていく。
第3回:戦国時代とは何か(2)―9代将軍義尚、10代将軍義稙、11代将軍義澄の時代。
戦国初期に活躍した将軍たちを取り上げ、「将軍は無力だったのか」「明応の政変とはどのような事件か」「将軍たちは何と戦ったのか」などを考えていく。
第4回:戦国時代とは何か(3)―12代将軍義晴、13代将軍義輝の時代。
戦国中期に活躍した将軍に注目し、その事績を概観していくことで「将軍家はなぜすぐに滅亡しなかったのか」「将軍と戦国大名との関係はどのようなものだったのか」といった問題を考えていく。
第5回:戦国時代とは何か(4)―14代将軍義栄、15代将軍義昭と織田信長の時代。
最期の将軍義昭と織田信長との闘争を取り上げ、「義昭と信長の関係はいかなるものであったのか」「義昭とその同盟者たちは、なぜ信長を倒せなかったのか」などを考えていく。
第6回:戦国時代とは何か(5)―戦国社会全体の「構造」を考える。
隣接諸科学の知見を援用しながら、戦国社会全体の「構造」(骨組み)についての見取り図を描き、将軍とは戦国社会のどこに位置づけられる存在だったのか、を考えていく。
第7回:戦国時代とは何か(6)―戦国と現代の「構造」を比較することで現代を知る。
ここまでの議論を纏めるとともに、「戦国時代を研究することは、現代においていかなる意味があるのか」を考える。
第8回:歴史学とはいかなる学問か(1)―歴史学の決まりごとは何か。
遅塚忠躬『史学概論』に導かれながら「歴史学とは何を明らかにする学問か」「歴史学の決まりごとは何か」「歴史学の限界はどこにあるのか」などを考えていく。
第9回:歴史学とはいかなる学問か(2)―歴史学と歴史趣味との違いは何か。
引き続き遅塚『史学概論』をもとに「構造とは何か」「比較にはどのような種類があるのか」「発展的、反省的、尚古的歴史学とは何か」などを考える。
第10回:歴史学の手法(1)―問題を設定し、史料を集め、批判し、選択していく。
「問題はどう設定すべきか」「研究の細分化問題とは何か」「一次史料とはいかなるものか」「史料批判する理由は何か」といったことを考える。
第11回:歴史学の手法(2)―考証によって事実を明らかにし、その「意味」を問う。
「考証とは何か」「事実と真実の違いとは」「なぜ考証で歴史学の作業は終わりではないのか」「素朴実在論とは何か」といったことを論じていく。
第12回:歴史学の手法(3)―理論などを援用しつつ、自分なりの「歴史像」を構築す。
「歴史学が踏み込めない領域とは」「歴史像構築の際に留意すべき点は何か」「歴史理論はなぜ必要か」「歴史学と文学はどう違うのか」などを考える。
第13回:歴史学の手法(4)―議論し合い、仮説を修正していく。
「議論は何のためにするのか」「議論の作法とは何か」「歴史学と社会科学とはどう異なるのか」といったことを考えていく。
第14回:まとめ
これまでの内容を整理し、「過去だけしか知らない」「現在だけしか知らない」は共に避けるべきであることを説く。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
プリント、ノートを見直して復習する。また、授業時に紹介する参考文献を可能な限り読む。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特に指定しない。毎回、プリントを配布する。
参考書References
遅塚忠躬『史学概論』(東京大学出版会、2018年。初版は2010年)。
山田康弘『足利義輝・義昭――天下諸侍、御主に候』(ミネルヴァ書房、2019年)。
その他は、授業時に適宜指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
小テストの点数40%、学期末試験の点数50%、平常点10%の合計で評価する予定である。正当な理由による欠席で、小テストが受けられない場合、自作の「欠席理由書」を提出すれば考慮する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
出席カードやリアクションペーパーなどで授業に関する疑問点などを書いてもらえれば、次回授業の際に取り上げていきたい。