文学部Faculty of Letters
LIT300BC(文学 / Literature 300)日本文芸研究特講(14)沖縄文芸A日本文芸研究特講(14)沖縄文芸A
福 寛美Hiromi FUKU
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2699 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
The Omoro Soshi is the first written compilation of sacred songs and poems collected by Ryukyu kingdom. The Ryukyuan folklores in the Irousetsuden and the Okinawan cultural background may have affected the development of its oral traditions. In this course, you will learn the Ryukuan sacred songs and literature are related to the cultures of surrounding areas and developed their own unique styles.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
琉球王国初の文字資料である神歌集、『おもろさうし』のおもろ(神歌)に親しむ。また琉球の口頭伝承を記した『遺老説伝(いろうせつでん)』の説話や口頭伝承に影響を及ぼしたと考えられる事象を知る。
到達目標Goal
『おもろさうし』は簡単な漢字とひらかなを用いた神歌集であるが、内容は難解で日本本土のどのような歌とも似ていない。その不思議な神歌(おもろ)の世界に分け入り、独特の世界観と信仰を知ることを目的とする。あわせて、琉球王国時代の口頭伝承を書き記した『遺老説伝(いろうせつでん)』、おもろや口頭伝承に影響を及ぼした、と考えられる日本本土由来の説話のことも考察していく。その過程を通し、琉球の神歌や文芸が周辺諸地域と関わりを持ちつつ、独自の世界を形成していることを知ることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義を中心とする。琉球・沖縄の文学を知るためには、民俗や音楽も知る必要があり、音源を鑑賞する時間も設ける。また、授業数回に一回程度、リアクションペーパーの提出を求める。リアクションペーパーに対しては、次回の授業でフィードバックする。具体的には質問にこたえ、感想に対して所感を述べる。状況に応じて学習支援システムを用い、簡単な課題を出す。課題に目を通し、各自に対し所感を述べる。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:『おもろさうし』の鷲1
『おもろさうし』のおもろの読み方と、おもろ世界の鷲の用例をみていく。
第2回:『おもろさうし』の鷲2
おもろの中で「鷲をつかむ」という用例がある。その用例を詳しくみていく。
第3回:鷲をとる
「鷲をとる」というおもろの意味を考えていく。
第4回:鷲の霊能1
おもろ世界の鷲は霊能を持つ存在である。それが具体的にどのようなものかをみていく。
第5回:鷲の霊能2
おもろ世界の鷲は不可視のものをみる、とされる。その意義を考えていく。
第6回:鷲の地名
おもろ世界では鷲のつく地名がある。その地名を考察していく。
第7回:鷲と王権
おもろ世界の鷲と王権は深く結びついている。そのことを考察していく。
第8回:鷲と戦い
鷲、鷲羽には戦勝の霊力があるとみなされていた。そのことを考察していく。
第9回:船と鷲
おもろ世界では船が猛禽類とダブルイメージされることがある。そのことを考察していく。
第10回:琉球船と猛禽類
琉球船は猛禽類と同一視されることがある。そのことを考察していく。
第11回:『遺老説伝』の鷲羽
琉球の口頭伝承を集めた『遺老説伝』にある鷲羽の事例をみていく。
第12回:鷲のイメージ・神話・矢羽根
巨大な鷲のイメージがいかに形成されたかを神話、鷲の尾羽が矢羽根として珍重されていた事象などから考察していく。
第13回:鷲のイメージ・鳥の墓
南西諸島には宇佐八幡の唱導文芸、百合若大臣が伝わっている。その物語に登場する鷹のイメージを考察していく。
第14回:鷲之鳥節の鷲
八重山諸島で現在も愛される鷲之鳥節の鷲のイメージを考察していく。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
教科書の『火山と竹の女神』の「おもろ世界の鷲」を読むこと。また、おもろを読んでいく上で必要なことは、別にプリントを作成する。学習支援システムにアップするので、教科書の理解を進めるために、読んでいくこと。本授業の準備・復習時間は、各1時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
『火山と竹の女神』(福寛美、七月社、2021年)を教科書として使用する。2021年3月末に出版予定につき、価格は未定。
参考書References
『喜界島・鬼の海域』(福寛美、新典社、2008年)
『『おもろさうし』と群雄の世紀』(福寛美、森話社、2013年)
『ぐすく造営のおもろ』(福寛美、新典社、2015年)
『奄美群島おもろの世界』(福寛美、南方新社、2018年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・記述式の期末試験を行う。問題をいくつか提示し、その内2つを選んで、それぞれ300字以上記述する、という形をとる。
・平常点も参考にする。最低6回は出席すること。
・期末試験で70%、平常点で30%の配分とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業内容を『おもろさうし』主体にすると、必ず難解である、という学生からの意見がある。それは仕方がない部分もあるが、なるべくわかり易く説明するように努める。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料は学習支援システムにアップするので、それらを参照しながら授業を受講することが好ましい。