文学部Faculty of Letters
LIT200BC(文学 / Literature 200)日本文芸研究特講(5)近代A日本文芸研究特講(5)近代A
佐藤 未央子Mioko SATO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2673 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木3/Thu.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This course deals with Tanizaki Jun'ichiro's film theory and "film novels". It also explains actuality significance of works, and the form of literature established in the relation with other media.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義では、日本近代文学と同時期に発展した映画が、作家によってどう捉えられたか考えるため、映画との関わりが深い谷崎潤一郎の作品を取り上げる。谷崎は早くから映画のメディア的・芸術的可能性を見抜き、1920年には映画会社に招聘されて映画脚本を数本発表した。またその経験をもとにした映画論や映画小説も数多く残している。それらのテクストが持つ同時代的意義やアクチュアリティを学び、他のメディアとの関わりの中で成立する文学の在り方について考察する。
到達目標Goal
・作家の言説を相対化し、客観的に分析することができる。
・同時代資料を読み解き、歴史的に意味づけることができる。
・映画やメディアの知識を援用して、作品を論じることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義形式で行う。授業中にリアクションペーパーを記入・提出する。次回授業でコメントをいくつか取り上げ、質問や意見に関してはフィードバックを行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
授業内容と進め方に関する説明
第2回:「秘密」
盛り場・浅草に登場した映画館を、谷崎がいかなる場として描いたか読み解く。
第3回:「魔術師」
谷崎は映画を、身体性を持つ魔術的なメディアとして捉えていたことを確認する。
第4回:「人面疽」①
作中で描かれた映画女優と身体表象の問題について、映画の果たした役割を踏まえて考察する。
第5回:「人面疽」②
ヴァルター・ベンヤミンの理論を援用しながら、映画がもたらす複製の恐怖について考察する。
第6回:大正活映と谷崎潤一郎
谷崎が所属した大正活映の活動を中心に、日本映画の改良運動とその意義について確認する。
第7回:「アマチユア倶楽部」
谷崎が実作した映画について、シナリオをもとに表現の新規性を分析する。
第8回:「葛飾砂子」
泉鏡花の小説を映画の原作に選んだ根拠と、演出の特徴について考察する。
第9回:「月の囁き」
谷崎の未映画化シナリオを取り上げ、女性の狂気とまなざしのドラマツルギーについて論じる。
第10回:「アヹ・マリア」①
作中で語り手に引用されるセシル・B・デミル監督の映画や女優について資料と照合し、事実と語りの差異を分析する。
第11回:「アヹ・マリア」②
語り手が映画を過去性を持つメディアとして捉えるさまを、アンリ・ベルクソンの哲学を援用して考察する。
第12回:「青塚氏の話」①
観客の能動的な映画受容に着目し、同時代的な映画ファンの様相と欲望の問題性を明らかにする。
第13回:「青塚氏の話」②
映画が拡散する情報と物語の展開を連関させて読み解き、作品の現代的な批評性を析出する。
第14回:総括
授業内容の復習と質疑応答
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
対象作品を読んでいることを前提に講義を進めるので、毎回必ず予習をしておくこと。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・谷崎潤一郎著、千葉俊二編『潤一郎ラビリンス(11) 銀幕の彼方』(1999、中央公論社)
ほか、担当教員が作成した印刷物を授業にて配布する。また適宜、青空文庫やデジタル資料も活用する。
参考書References
・千葉伸夫『映画と谷崎』(1989、青蛙房)
・五味渕典嗣 『言葉を食べる 谷崎潤一郎、1920-1931』(2009、世織書房)
・田中純一郎『日本映画発達史』1、2巻(1975~1976、中央公論社)
ほか、適宜講義で指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・リアクションペーパーを含む授業への参加度:50%
・学期末テスト(講義で扱った事項に関する問題と、理解度を測る記述問題):50%
以上を考慮し、総合的に判断する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
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