デザイン工学部Faculty of Enginneering and Design
ADE100NB(建築学 / Architecture and building engineering 100)デザインスタジオ1(建築)YDesign Studio 1
阿部 智樹Tomoki ABE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | デザイン工学部Faculty of Enginneering and Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | B2449 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3,金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | 建築:建築士 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | 必修 |
入学年度Admission year | |
カテゴリー(2023年度~)Category (2023~) | |
カテゴリー(2019~2022年度)Category (2019~2022) |
建築学科 専門科目 導入科目 |
カテゴリー(招聘学科)Category | 建築 |
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Outline (in English)
Architecture is constructed through design. The objective of learning architectural design is not only to acquire the technical skills, but to consider the purpose of architecture and its relation to society/environment/history in order to facilitate comprehensive decisions and views. In this course, as a first step students will learn about expressing architecture through its basic structures, diagrams and models.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
建築はデザイン(設計)して建設されるものです。建築のデザインを学ぶことの最終的な目的は,建築を実現させるための技術の習得だけではなく,建築のあり方,建築と社会・環境・歴史との関わりなどを思考し,建築に関わる総合的な判断力・思考力を養うことにあるといえます。この授業では,そのための第一歩として,建築の構成の基礎,および,図面と模型による建築の表現について学びます。
到達目標Goal
本授業では,以下の4点を到達目標とします。
1. 設計に必要な道具の使い方を身につける
2. 建築を表現するための図面や模型の基本を身につける
3. 立体と図面の関係を理解する
4. 身体から規定されるスケール感を身につける
(以下,教科書『建築のしくみ/住吉の長屋,サヴォワ邸,ファンズワース邸,白の家』の「はじめに」より)
建築は,物理的に3次元の〈形態〉をもつと同時に,その内部あるいは外部に何らかの〈空間〉を現象させる。空間という言葉は多様な意味をもつが,建築の空間は,建築形態が生み出す場所の総称だと考えることができる。たとえば,建築形態で囲まれた建築の内部には,生活・仕事などを行うための部屋や,設備の設置,物品の収納などのための空間が配置される。建築形態の外部には,入口へのアプローチや庭などの空間が配置される。その他,場所や部屋を「開放的な空間,美しい空間,詩的な空間」などという場合のように,空間は,心理的な事象であることもある。形態と空間は一体となって建築の特質を規定する概念に他ならない。
したがって,建築は必ず何らかの空間・形態をもつ。建築デザインの最終的な目的は,美しく調和した建築の空間・形態を実現することだといえるだろう。もちろん,過去の建築の歴史を眺めればわかるように,一見,美しくないと思えたものが認識の変化により美しいものに変わることもあるし,調和していなかったことが次の時代の調和であったりするから,美しさを固定的なものととらえることはできない。概念的に過ぎる美しさという言葉を,使いやすさ・住みやすさというやや身近な言葉に置き換えたとしても,やはり,建築の使いやすさ・住みやすさを固定的に考えることは困難である。建築のデザインは,このように一意には捉えられない問題に立ち向かわなければならない難しさをもっている。
【修得できる能力】*【修得できる能力】*
- 総合デザイン力:◎
- 文化性:
- 倫理観:
- 建築の公理:
- 芸術性:◎
- 教養力:
- 表現力:◎
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デザイン工学部建築学科ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本授業では建築設計製図の基本を学びます。
授業は10の課題より成ります。
【課題1:自室の実測】では,自室の実測から始まり,建築の部位や家具のスケールを知り,その図面化を行うことによって,空間を表現方法を学びます。
【課題2:線の練習】は,図面表現の基本である線の表現について学ぶとともに,美しい図面を仕上げるための,図面構成(レイアウト)について学びます。また,製図に必要な道具の使い方も学びます。
【課題3〜6:箱形建築の模型/平面図/立面図/断面図/立体図】では,建築の単純モデルを題材として,その空間を図面よって記述し表現することを学びます。最初に,壁,床,開口部からなる模型を製作し,その水平切断図としての平面図,垂直切断図としての断面図の表現の原理を学びます。同時に,課題1「自室の実測」に基づき,平面に階段,家具等を配置し,建築の平面構成,断面構成のあり方と表現について学びます。
【演習7〜8:住吉の長屋の模型と図面】では,実在の鉄筋コンクリート構造の住宅を題材として,実際の建築の平面構成,断面構成,立面構成について学ぶとともに,その平面図,断面図による記述・表現の方法について学びます。ここでも,最初に模型を製作し,建築の立体構成を理解した後に,その図面表現について学んでいきます。
【課題9〜10:ギャラリーのある家】は,上記の学習の成果を踏まえて,建築を構想し,物理的に架構し,図面と模型写真により表現する演習に取り組みます。
毎回の課題は,正確であるだけではなく,美しい作品として製作されなければなりません。
冒頭の解説をよく理解するように努め,疑問点があれば質問してください。演習への回答時には,教員の他,TAも質問等に対応します。演習はまずはTAにチェックを受け,間違いがあれば修正をしてください。そして,指定された時間内に完成するようにしてください。作品の製作においてはスピードも重要です。繰り返し練習をすれば,より早いスピードで製作が進められるようになるはずです。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:ガイダンス
●課題1:自室の実測
教科書・参考書,製図道具の説明。建築を測る
2:●課題2:線の練習
【要製図道具】点と線の表現。課題1の講評と次回課題3の説明【型紙の準備】
3:●課題3:箱形建築/模型
【要模型製作道具】模型の製作
4:●課題4:箱形建築/平面図と立面図
【要製図道具】立体の水平切断図としての平面図と投影図としての立面図。階段の配置。自室の実測に基づく家具の配置
5:●課題5:箱形建築/断面図
【要製図道具】
立体の垂直切断図としての断面図。切断面の向こうに見える投象図としての姿図(階段,家具など)の表現
6:●課題6:箱形建築/立体図
【要製図道具】
アイソメトリック,アクソノメトリック,透視図。次回課題7の説明【型紙の準備】
7:●課題7:住吉の長屋/模型
【要模型製作道具】実際の鉄筋コンクリート住宅の構成
8:●課題8:住吉の長屋/平面図・断面図
【要製図道具】鉄筋コンクリート住宅の平面図と断面図
9:●課題9:ギャラリーのある家(1)
【課題説明】
これまでの課題の講評と期末課題の提示。住空間の設計に関する解説
10:課題9:ギャラリーのある家(2)
スケッチ(エスキス)とスタディ模型
11:課題9:ギャラリーのある家(3)
スタディ模型,平面図,立面図
12:課題9:ギャラリーのある家(2)
断面図,立体図
13:【講評会】ギャラリーのある家
図面と模型の提出,クラス内講評会,総合講評会
14:●課題10:模型写真,アフターレビュー
課題10(模型写真)と夏休み課題(デザインスタジオ2)の提示,「ギャラリーのある家」のフォローアップ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業内で図面の理解に時間を要し,作業の時間がとれない傾向が見受けられます。前もっての図面の理解(予習)と,次の課題に向けてのこれまでに学んだことの自己チェック(復習)が必要です。
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
1.『建築のしくみ/住吉の長屋,サヴォワ邸,ファンズワース邸,白の家』安藤直見・柴田晃宏・比護結子著(丸善)
2.『住まいの空間 独立住居』日本建築学会編(彰国社)
3.『建築のカタチ: 3Dモデリングで学ぶ建築の構成と図面表現』安藤直見・石井翔大・浅古陽介・種田元晴著(丸善)
参考書References
1.『建築設計演習基礎編』武者英二・永瀬克己著(彰国社)
2.『建築設計演習応用編』独立住居から集合住居の設計まで、武者英二・永瀬克己著(彰国社)。
成績評価の方法と基準Grading criteria
課題の評価により成績評価をします(100%)。
以下が各課題の評価基準です。
課題1(自室の実測):見落としなく実測図が作成できているか。実測をもとに正確な平面図,室内立面図,天井見上図,家具図等が描けているか。家具の寸法が把握できているかどうか。
課題2(線の練習):線が正確に描かれ,図面が美しく構成されているかどうか。
課題3と7(模型):正確で美しい模型が完成しているかどうか。端部の処理などの細部にも配慮されているかどうか。
課題4〜6と8(図面):建築の空間(立体構成)が正しく表現されているかどうか(切断面と切断面の向こうに見えるものが正しく表現されているかどうか)。図面が美しく仕上がっているかどうか。
課題9(設計課題):総合的評価。
課題10(模型写真):模型が正しく,美しく製作されているかどうか。建築が正しく表現されているかどうか。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生のみなさんの課題制作のスピードにかなりの個人差があります。解説は冒頭に集約し,その後に演習に取り組んでもらいます。遅刻をすると冒頭の解説の理解が遅れることになるので,遅刻をしないようにしてください。また,演習時間には積極的に質問をしてください。学生のみなさん同士が教え合うことも重要です。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
平行定規は各スタジオに用意されていますが,その他の製図道具は各自が用意する必要があります。また,模型材料も各自で用意してください。
製図および模型製作に必要な各種道具(各自が用意する):
●製図道具
1. 三角スケール(30cm,ポケット型) ※15cmのものもあるとよい。
2. 勾配三角定規(20cm)
3. 円定規
4. 字消板(メッシュステンレス)
5. 製図用ブラシ
6. ドラフティングテープ
7. 製図用シャープペン(0.3mm,0.7mm) ※0.5mmのものもあるといい
8. シャープペンの芯 ※HBの他,HまたはBを使用してもいい
9. アジャストケース(図面収納筒) ※図面の持ち運びに使用
10. プロジェクトペーパー(A3版,5mm方眼) ※課題1で使用
その他,ロールトレペもあるとよい。
●模型製作道具
11. カッター
12. カッター替刃(30°) ※替刃にはさまざまな種類がある
13. ステンレス直定規(30cm) ※カッターと併用するための定規
14. カッティングマット(620×450mm) ※カッターを使用する際の作業用マット
15. スチのり
その他,金尺,木工用ボンドもあるとよい。
●パソコン
情報教室のパソコン,大学が貸与するノートパソコンも使用するとよい。
●模型材料
スチレンボードなどの模型材料は各自で用意。
その他の重要事項Others
授業内容の解説にプレゼンテーション機器(液晶プロジェクターによる映像表現)を用います。