公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
SOC500P2-050(社会学 / Sociology 500)社会調査法7Social Research Method 7
見田 朱子Akiko MITA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X9526 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期前半/Fall(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 火6/Tue.6,火7/Tue.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
サステイナビリティ学専攻 (修士課程)研究科共通科目 |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Advanced class: Social statistical analysis (multivariate data analysis)
We learn:
Interaction term through variance analysis and linear regression model,
then logistic regression analysis,
at last, exploratory analysis method -- principal component analysis and factor analysis.
It is a practical class using a statistical package soft "R".
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
昨今、統計パッケージの普及によって、複雑な統計解析も容易に行えるようになってきた。しかしその反面、それぞれの統計手法の基礎や特徴を理解しないまま分析がされることも少なくない。
そこで本講義では、統計学の基礎を確認しつつ、まずは分散分析と線形回帰モデルの学習を通じて、交互作用項を中心とした多変量解析の基本的な考え方を学ぶ。さらに線形回帰モデルとの差異に注目しながら、ロジスティック回帰分析について学習する。また、探索的分析手法として主成分分析と因子分析についても習得する。これらの分析手法は、統計パッケージRによる実習を通じて、実践的に修得することが目指される。
その際には、統計パッケージの単なる使用方法の習得ではなく、各手法の考え方やその結果の意味を理解することに重点を置く。
到達目標Goal
本講義の目標は、線形回帰モデルなどの学習を通じて、多変量解析の基本的な考え方を修得することである。
座学と実習を通じて各分析手法の考え方や仮定について理解し、自ら説明できるようになることが目標である。それと同時に、統計パッケージRを用いた実習によって、実際に分析するための技術の修得も目指す。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては「DP2」「DP4」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻政策研究コースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP3」は特に強く関連している。ディプロマポリシーのうち、サステイナビリティ学専攻においては「DP2」「DP4」に関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本講では、対面の講義と実習を通じて多変量解析の考え方や仮定について学習する。各回の授業は講義とともに適宜統計パッケージの操作実習をはさむことで理解を深める形でおこなう予定である。
表計算ソフトExcelのほか、統計ソフトとしては無料のRを用いる。Rの基本的な操作方法は社会調査法3、4などで学んでいることが望ましいが、必須ではない。
履修人数にもよるが、リアクションペーパーはなく、都度の質問や対話やメールによって補足をしていきたい。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期前半
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:多変量解析に向けた準備1
社会学と多変量解析、基本統計量の算出、標準化、共分散と相関係数
2:多変量解析に向けた準備2
統計的推測と仮説検定、検定の全体図
3:分散分析
基本的な考え方、級内平均と級間平均、一元配置、多元配置、実習
4:線形回帰分析と最小二乗法(OLS)
線形回帰分析における仮定
5:基本統計量とOLS推定量の関係
分散分析表の読み方や決定係数について学習
6:重回帰分析
統制・偏相関、多重共線性、修正済み決定係数、結果のt検定・F検定
7:実習と補足:分析の準備~結果の解釈
ダミー変数とその作り方、直接効果と間接効果、交互作用
8:ロジスティック回帰分析の基礎
オッズとロジット、回帰係数の解釈、回帰係数とモデルの検定
9:分析方法の整理
仮説検定のための分析と、探索的分析
10:主成分分析と因子分析
考え方の基礎、主成分、潜在因子と観測因子、因子負荷量、寄与率
11:主成分分析の実習
主成分分析表の図示と解釈
12:因子分析の実習
因子分析表の解釈
13:データの選び方、分析方法の選択方法、補足
「データ」について、判別分析とクラスター分析の紹介
14:まとめ
まとめと成績評価にかかわる作業
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
杉野勇『入門・社会統計学: 2ステップで基礎から[Rで]学ぶ』法律文化社,2017年.
(データ資料を利用します。web上にも公開部分があり、授業プリント・資料も配布するので、初回授業では未購入で構いません。)
参考書References
G.W. ボーンシュテット/ D. ノーキ著, 海野道郎・中村隆監訳,1992,
『社会統計学―社会調査のためのデータ分析入門』ハーベスト社.
盛山和夫,2004,『社会調査法入門』有斐閣.
『入門・社会統計学』サポートウェブ(http://sgn.sakura.ne.jp/text/
textbook.html)
R Tips (http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r.html)
他、授業内で適宜紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
小課題提出(40%)と期末試験(60%)によって評価。
期末試験はレポートとする。人数によっては、発表も取り入れる。
授業時間内外でのクラスへの貢献度(クラス全体の理解を促す質問、意欲的な取り組みなど)も考慮する。
※出席が2/3に満たない場合は自動的に「不可」となる。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・学生の反応をみながら講義と実習のバランスを工夫する。双方向の授業を心がけたい。
・本講義参加者は、学生である以外に仕事を持っていることが多い。授業の進行速度や課題提出、遅刻や早退などについては初回授業で相談のうえクラス運営をする予定である。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
実習演習・資料配布・課題提出等のためにメールや授業システム等を利用予定。
必ず準備すべきものは特にないが、自習のためにはパソコンおよび周辺機器、ExcelとRのインストールが必須となる。自宅にこれらを準備できない場合は次週のために登校するなどの必要がある。
Rのインストールは授業での案内後でもよい。
その他の重要事項Others
専門社会調査士資格認定のためのカリキュラム「I」科目に相当する。
シラバス内容にある通り、多変量解析とその応用を扱う。推測統計の基礎については理解していること、少なくとも履修済みのものとして授業を進めるため、未履修あるいは同時並行して学習することは望ましくない。ただし、自信がない程度であれば本講を是非履修して、分析技術を実用的なものとしてほしい。
オフィスアワーについては、基本的に授業中に質問時間を設ける。
その他の機会については初回授業でお知らせします。
担当教員の専門分野等
<専門領域> 社会意識、比較社会学
<研究テーマ> 「幸福」の社会学
<主要研究業績>
「『幸福の基準』及びその設定における『近代化』の影響」『SSJDA Research Paper Series―World Values Survey(世界価値観調査)を用いた実証研究:労働・幸福・リスク』SSJDA-40,東京大学社会科学研究所,pp.96-117,2009年.