人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIN500B7（言語学 / Linguistics 500）英語発音法ⅡEnglish Pronunciation II
髙橋 豊美
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X1107 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月6/Mon.6 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
The goal of this course is to acquire practical knowledge and skills of English pronunciation through studying the features of spoken English as well as practicing its models.
Together with English Pronunciation A (English Pronunciation I), English Pronunciation B (English Pronunciation II) aims to study an effective and efficient method of improving oral/aural communication skills by well understanding the English sound system prior to practical exercises.
This course discusses prosodic aspects of English pronunciation. Its topics include the location and interpretation of stress in different domains (word/phrase/sentence), the components of intonational phrase and their pitch patterns, the location of nuclear accents and their focusing function, and the types and usage/meaning of tunes. These topics are first theoretically explained and then this knowledge is put into practice by describing and analysing recorded materials and by practicing pronunciation exercises.
This course should enable students to observe and improve their own pronunciation skills. For those who aspire to be English teachers, this course should provide background knowledge useful for preparing effective materials to teach pronunciation/listening skills as well as teaching tips and techniques.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
個人の力量に依存する「習うより慣れる」という方法ではなく、「十分に習ってから慣れる」ことで効率良く発音・聞き取りの技能を高める方法を学ぶ。これにより、履修者自身の英語コミュニケーション・スキルの向上が期待できる。また、英語教員を志す学生には、効果的な発音・リスニングの教材を準備するための知識を得る機会にもなるはずである。
＜講義題目＞
英語音声の記述・分析と発音の実践的知識・技術の習得
到達目標Goal
韻律の特徴を理解し、その知識を実践に反映できる技術の習得を目指す。到達目標は次のとおりである。
・音節の強さと発音の特徴、強勢の配置と役割、イントネーションのパターンと機能について、理論的に説明できる。
・発話を聞いて、強勢とイントネーションを含めて発音記号で正確に書き取ることができる。
・発音記号を適切な発音で読むことができる。
・与えられた英文について、音声変化を予測し、発音モデルを示すことができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語・英語併用 / Japanese & English
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
授業では、英国標準英語（Received Pronunciation）を主な対象とし、日本語との比較を適宜行いながら、リズムが形成される仕組みと、イントネーションの形式と機能を学び、韻律を含めた基本的な発話モデルの組み立てや、談話分析の方法を理解する。
配付資料を使用して理論を学び、さらに、その理解を実際に応用できる力を身につけるために、音声教材を使用した発音・聴き取りの練習、発音記号で発話モデルを提示したり発話を書き取ったりする練習などを行う。
課題の提出及び返却には学習支援システムを用いる。
授業は、対面で受講できない場合は、ビデオ会議システムと学習支援システムを併用してオンラインで受講する。（事前に学習支援システムのお知らせで受講方法等の詳細を確認すること。）
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：授業案内／語・句強勢
授業概要／参考文献／強勢の音声的特徴／複合語と句の強勢／課題1
第2回：文強勢（理論）
強勢移動／文強勢の配置／韻脚／課題2
第3回：文強勢（実践）
文強勢モデルの記述と実践／課題3
第4回：イントネーション概説
イントネーションの形式と機能／音調アクセント／課題4
第5回：イントネーション理論(1)：声調
イントネーション句の構成／核声調／課題5
第6回：イントネーション理論(2)：調性
イントネーション句の機能／課題6
第7回：イントネーション理論(3)：核配置
イントネーション句の焦点／核配置と焦点領域／課題7
第8回：イントネーション理論(4)：音調曲線
イントネーション句の頭部と核声調の組合せ／課題8
第9回：イントネーションの意味(1)：下降声調
下降声調の表す意味と用法／課題9
第10回：イントネーションの意味(2)：非下降声調
非下降声調の表す意味と用法／課題10
第11回：イントネーションの定型(1)
複文・重文の音調曲線
第12回：イントネーションの定型(2)
対照的な要素を含む文の音調曲線
第13回：イントネーションの定型(3)
慣習的な音調曲線
第14回：課題報告、試験
音声現象の理論的記述と実践
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を目安とする。
資料は事前に配布されるので、授業に臨む前に内容を確認すること。
この授業では、10回の課題を予定している。この課題の目的は発音モデルの作成をとおして知識の定着を図るとともに実践力を伸ばすことである。配布資料と授業内容をしっかりと復習した上で、最初は何も資料等を参照しないで取り組み、それから資料や辞書を利用しながら丁寧に見直しを行うこと。その際、最初に間違えたり記入できなかったところは、赤字で訂正・加筆をすることが望ましい。（訂正・加筆箇所の多寡は評価に影響しない。）提出された課題は担当教員がチェックと評価を行った上で返却される。チェックを受けた部分をよく確認し、作成したモデルの発音練習を行うこと。
授業で学ぶ知識と技術を実践で活かすには課外の積極的な取組が不可欠である。上記課題のほかに、授業で適宜示す参考資料やウェブサイトを利用するなどして、発音・聴き取りの練習を重ねることが望ましい。
テキスト（教科書）Textbooks
教科書は使用せず、配布資料にそって授業を進める。
参考書References
・Wells, John C. (2006) English Intonation: An Introduction. Cambridge: Cambridge University Press.
・Tench, Paul (2011) Transcribing the Sound of English. Cambridge: Cambridge University Press.
・Wells, John C. (2008) Longman Pronunciation Dictionary (third edition). London: Longman.
・Cruttenden, Alan (2014) Gimson's Pronunciation of English (8th edition). London: Routledge.
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業への取り組み(35％)、課題(35％)、試験(30％)に基づき成績を評価する。
・授業への取り組みでは、練習問題の解答や小テストの成績と、授業中の発言・質問の頻度と内容を、総合的に評価する。授業外の学習活動（授業に臨むための準備）を欠かさず、積極的な姿勢で授業に臨むこと。
・課題では、授業で学んだ基礎を発展させて発話モデルを示す力を評価する。授業内容を十分に確認しながら、また、辞書で丁寧に発音を調べながら取り組むこと。
・試験では、授業で学んだ知識の定着度と技術の修練度を評価する。実技を含むので、毎回の授業を時間をかけて復習しておくこと。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
課題で毎回同じ誤りが繰り返されている場合が複数あったので、次年度は授業の最後に質疑応答、リフレクションの時間をとるようにして、理解の定着を図っていく。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配付、課題提出、リフレクションに学習支援システムHoppiを使用する。
その他の重要事項Others
この授業は英文学専攻では「英語発音法Ａ」、日本国際学専攻では「英語発音法Ⅰ」の内容を前提としている。「英語発音法Ａ」・「英語発音法Ⅰ」を履修していない場合は、授業が始まるまでに、参考書に挙げたTench (2011)のPart 1をよく読んで理解しておくこと。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞
音声学、音韻論
＜研究テーマ＞
音韻理論、英語音声学・音韻論、日本語音声学・音韻論、英語教育
＜主要研究業績＞
・Toyomi Takahashi (2014). Identity avoidance in the onset. Nasukawa, Kuniya & Henk van Riemsdijk (eds.) Identity Relations in Grammar. Boston/Berlin: De Gruyter Mouton.101-120.
・Toyomi Takahashi (2008). Unique Path. 『音韻研究』2008 (第11号). 3-10.
・高橋豊美（2005）．弁別素性理論．西原哲雄・那須川訓也（編著）音韻理論ハンドブック．英宝社．131-142.
・Toyomi Takahashi (1999). Constraint interaction in Aranda stress. In Hannahs, S. J. & Mike Devenport (eds.) Issues in Phonological Structure. Amsterdam/Philadelphia: John Benjamins. 151-181.