人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIT500B7（文学 / Literature 500）女性文学ⅠWomen's Literature I
藤木 直実
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X1098 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
We will focus our scrutiny on works of literature by contemporary female authors. After ascertaining Japan’s contemporary gender norms, we will attempt to discern aspects of the interplay. between these norms and women’s literature in line with specific works, reflecting on how the gender of the writer has influenced their works and expressions. In addition, making references as appropriate, we shall work to apprehend the historical course of modern women’s literature. Through these tasks, we seek to provide students with the opportunity to master the perspectives, techniques, and methods for critical reading of women’s literature. In doing so, students will discover and think about challenges that are also relevant to today's society, as well as suggestions for their own research.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
男女を再生産する文化構造、および性差そのものの見直しなど、性の制度に対する根本的な再審の潮流は、いわゆる第二波フェミニズムを画期として世界規模で広がった。日本においても、戦後の新体制と教育環境の中で成人した女性たちが、女性としての存在、身体性、関係性などを問い直す作業のなかから、男性作家主導の戦後文学の理念や方法への批評性にもとづいた新たな文学世界を拓いていった。これらの新しい表現は、男性文学を本流として前提する「女流文学」ではなく、「女性文学」として再定位されるのにふさわしい。以上の視座に立ち、現代女性作家の作品を具体的に検討することで、女性による文学表現やその基盤となった女性文化の評価、また女性文学がそなえる性差を変容し越境する志向などの論理化を、演習形式で実践する。
到達目標Goal
この授業においては、現代の女性作家による文学テクストを取り上げ、精読を行う。現代日本のジェンダー規範を確認し、それらの規範と女性の文学との交渉の様相を具体的な作品に即して読み、書き手のジェンダーが作品や表現にどのような影響を及ぼすかを考える。また、近代女性文学史の流れを適宜参照し、把握に努める。これらの作業を通して、女性文学を精読するための視点と技術と方法を身につけ、実社会にもつながる課題や自身の研究への示唆を、受講者それぞれが発見し、考える、きっかけとなることを目指す。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
演習形式による。2000年代以降の芥川賞受賞作品のうち、女性作家による作品を精読する。担当者はあらかじめ対象作家作品にかかわる調査をハンドアウトまたはスライドにまとめて報告し、それにもとづいて受講生全員で討議をおこなう。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：ガイダンス①
授業の目的、計画、方法についての概説
第2回：ガイダンス②
担当作品の決定
第3回：大道珠貴「しょっぱいドライブ」
担当者による報告と受講生による討議
第4回：金原ひとみ「蛇にピアス」
担当者による報告と受講生による討議
第5回：綿矢りさ「蹴りたい背中」
担当者による報告と受講生による討議
第6回：絲山秋子「沖で待つ」
担当者による報告と受講生による討議
第7回：青山七恵「ひとり日和」
担当者による報告と受講生による討議
第8回：川上未映子「乳と卵」
担当者による報告と受講生による討議
第9回：楊逸「時が滲む朝」
担当者による報告と受講生による討議
第10回：津村記久子「ポトスライムの舟」
担当者による報告と受講生による討議
第11回：赤染晶子「乙女の密告」
担当者による報告と受講生による討議
第12回：朝吹真理子「きことわ」
担当者による報告と受講生による討議
第13回：鹿島田真希「冥土めぐり」
担当者による報告と受講生による討議
第14回：今期のまとめ
今期の学修内容の振り返り
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
【予習】報告者は、担当の作家作品について調査と考察を行い、ハンドアウトを作成する。他の受講生は、対象作家作品を読み、必要事項を確認して、私見をまとめておく。
【復習】授業での討議や教員のコメントを踏まえて、対象作品への調査考察を深める。
テキスト（教科書）Textbooks
開講時に指示する
参考書References
岩淵宏子・北田幸恵編著『はじめて学ぶ日本女性文学史【近現代編】』（ミネルヴァ書房、2005）、岩淵宏子・北田幸恵・長谷川啓編『編年体近代現代女性文学史』（至文堂、2005）、与那覇恵子『後期20世紀女性文学論』（晶文社、2014）、新・フェミニズム批評の会編『昭和後期女性文学論』（翰林書房、2020）、その他授業中に指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末レポート（50％）に加えて、報告の内容と水準（30％）、授業中の貢献度（20％）を勘案し、総合的に判断する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生の興味関心を広げるための話題提供につとめる。学生の意見を尊重し、その発想に学問的裏付けが得られるようサポートし、自由に発言しやすい環境をつくる。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
ノートパソコンが自宅にあることが望ましい。プリンターがあれば学習効率がより高くなると思われる。オンライン会議用アプリケーションのダウンロードを求める可能性がある。
その他の重要事項Others
質問については学修支援システムとメールで対応する。メールでの質問の場合は、件名を「女性文学 学籍番号 氏名」とすること。メール宛先：fujiki@olive.ocn.ne.jp
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞日本近代文学、フェミニズム・ジェンダー批評
＜研究テーマ＞森鷗外と女性、女性文学
＜主要研究業績＞『〈妊婦〉アート論』(共編著)、『日本文学の「女性性」』(共著)