人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIN500B7(言語学 / Linguistics 500)現代日本語のしくみⅡStructure of the Modern Japanese Language II
前田 直子
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X1095 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
In this class, students learn the new change of pronunciation, vocabulary, grammar and expressions of modern Japanese. Using a paperback pocket edition as a textbook, students will also improve their Japanese language skills and improve their reading, writing and oral presentation ability as well.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
現代日本語の音韻・語彙・文法・表現に関する変化の様相を、具体例の分析を通して学ぶ。テキストとして新書を使用し、日本語力の向上、読解力および口頭発表能力の鍛錬も行う。
到達目標Goal
・現代語に特徴的に見られる「新しい表現」について正確な理解を深めることができる。
・現代語の標準的な音韻・語彙・文法・表現について理解することができる。
・言語変化の様相について、正しく理解し、説明することができる。
・ことばの変化と社会の変化について、自分なりに考察する力を身につけることができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は、テキストの内容についての学生の発表、ディスカッション、 それらに関する教員からの講義を通して行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
この授業で学ぶこと、授業の進め 方について説明し、担当を決める。
第2回:Ⅰ ラ抜きことばの背景
専門的な文章の読み方(前半)
ラ抜きことばとは何か、どのように広まったのか、変化の理由について学ぶ。
第3回:Ⅰ ラ抜きことばの背景
専門的な文章の読み方(後半)
ラ抜きことばの文法的な位置づけ、動詞の活用における意義について学ぶ。
第4回:Ⅱ 「じゃん」の来た道
「じゃん」という文末表現の地理的分布と歴史的な変化の過程について学ぶ。
第5回:Ⅲ 簡略化の動き(前半)
「ちゃった」「わかんない」などの縮約や音便に関わる音韻変化と原理について学ぶ。
第6回:Ⅲ 簡略化の動き(後半)
「違くて」「みたく」のような品詞と活用形の齟齬に見られる現代語の変化について学ぶ。
第7回:Ⅳ 東京ことばの底流(前半)
「うざったい」「やっぱし」などの東京ことばに見られる新しい語彙の変化の過程について学ぶ。
第8回:Ⅳ 東京ことばの底流(後半)
方言から標準語に採用された語彙について、その変移のメカニズムを学ぶ。
第9回:Ⅴ 新しい方言の広がり(前半)
東日本・西日本に見られる新しい方言の出現について学ぶ。
第10回:Ⅴ 新しい方言の広がり(後半)
「新方言」と呼ばれる新しい方言について学ぶ。
第11回:Ⅵ 敬語の最前線
「デス」「(ラ)レル」敬語に見られる新たな敬語の形態について学ぶ。
第12回:Ⅶ 気になる?口調(前半)
ガ行鼻濁音の衰退や専門家アクセントなど、日本語の新たな音韻変化について学ぶ。
第13回:Ⅶ 気になる?口調(前半)
半疑問イントネーションをはじめとする、日本語の新たなパラ言語情報の変化について学ぶ。
第14回:Ⅷ ことばの変化のとらえ方、および、本講義のまとめ
テキストを振り返り、本講義で学んだこと、学ぶべきことを整理する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
発表担当者は、プレゼンテーションの準備をします。担当者以外の学生は、テキストを読み、質問項目を考えることを宿題とします。本講義の準備学習および復習(宿題)等の時間はそれぞれ2時間を標準とします。 (前年度の受講生の平均時間)
テキスト(教科書)Textbooks
井上史雄(1998)『日本語ウォッチング』岩波新書、800円+税
参考書References
・授業時に章ごとに指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・授業でのプレゼンテーション: 20 %
・毎回の宿題・小レポート: 65 %
・最終レポート: 15 %
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
教員の講義から始めるのではなく、学生のプレゼンテーションとディスカッションから始める授業は負担が大きく、最初は準備に長い時間がかかりますが、毎回「やってよかった」「だんだん短い時間で準備ができるようになった」との意見が出ていますので、ぜひ積極的に取り組んでほしいと思います。 また、学生の課題の文章中に見られる日本語の誤用について解説をすることが好評を得ていますので、今学期もみなさんの希望があれば、実施したいと思います。
担当教員の専門分野等
<専門領域>現代日本語文法
<研究テーマ>複文(条件文、および原因・理由文)の記述的研究、 日本語教育文法
<主要研究業績>『「ように」の意味・用法』笠間書院(2006)、『日本語 の複文-条件文と原因・理由文の記述的研究』くろしお出版(2009)、 庵功雄・日高水穂・前 田直子・山田敏弘・大和シゲミ(2020)『やさしい日本語のしくみ (改訂版)』くろしお出版、井島正博(編著)(2020)『現代語文法概説』朝倉書店