人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIT500B7(文学 / Literature 500)能と楽劇ⅡNoh and Musical Performance II
山中 玲子
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X1087 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木4/Thu.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
The purpose of this class is to acquire the skills of studying Noh works and to become able to explain the features and charms of Noh works in your own words.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
能の作品研究に必要な技術を身につけ、能作品の特徴や魅力などについて自分の言葉で語れるようになる。
到達目標Goal
①古写謡本を翻刻し、小段に分けて本文テキストを作れるようになる。
②他の古典作品とは違う能独特の用語や決まりに習熟する。
③世阿弥伝書の記事を作品の理解に役立てる方法を学ぶ。
③独特のレトリックを持つ謡曲本文の注釈に必要な方法を身につける。
④能の作品について主題や研究上の問題点等を明解に指摘できるようになる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
能楽研究所所蔵の文献資料及びその画像データ等を利用し、
①古写謡本の翻刻のしかたや校異のとりかた等を学ぶワークショップ
②能のテキスト独特の用語や演出上の決まりごと、注釈の方法等に関する講義
③各自が作品を選んでおこなう作品研究のミニ発表
を組み合わせて進めて行く。
新型コロナウィルスの流行により研究所が使えない場合はこちらから資料のデータを提供する。可能であれば、人数を分けて能楽研究所にて資料調査ができるよう工夫する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション
授業の進め方についてのガイダンス。能楽研究所での文献利用方法。
第2回:能のテキスト通読(1):〈融〉前半
能〈融〉前半の詞章を活字で読み、独特の構造や表記法、演出上のルール等について確認する。
第3回:能のテキスト通読(2):
〈融〉後半
能〈融〉後半の詞章を活字で読み、舞や囃子に関する記号なども確認する。
第4回:先行研究・世阿弥伝書記事等の確認
〈融〉に関する世阿弥伝書の記事・主要論文などを確認する。
第5回:ワークショップ:古写謡本(上掛リ/下掛リ)を読む
能〈融〉の古写本を読み、謡本に独特の用字法・記号を学ぶ。上掛リと下掛リの違いも知る。
第6回:ワークショップ:作品研究のための本文確定
翻刻、校合、小段分け等、〈融〉の本文を用い、作品研究用の謡曲本文の作り方を確認する。
第7回:テキストの厳密な解釈
〈融〉のテキストを現代語訳していきながら、読み物として通読することと作品研究のために読み込むことの違いを知る。
第8回:作品研究の論文に必要な情報の確認
能の作品研究で通常必要とされる情報と、それを論文に入れていく方法について確認する。
第9回:学生の発表と討議(1)
ここまでの授業を踏まえ、各自が選んだ作品について発表し、全員で討議する。
第10回:学生の発表と討議(2)
各自が選んだ作品について発表し、全員で討議する。
第11回:学生の発表と討議(3)
各自が選んだ作品についての発表と討議。
第12回:学生の発表と討議(4)
各自が選んだ作品についての発表と討議。
第13回:学生の発表と討議(5)
各自が選んだ作品についての発表と討議。
第14回:まとめ
レポートにまとめるための整理と復習。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
能の概説、小段理論等については、配布する資料を熟読して基礎知識を身につけてほしい。翻刻・小段分け・注釈等、すべて事前に各自が能楽研究所の資料や文献(オンラインの場合はこちらから配布)を使って準備する必要があり、特に慣れない間は長時間の予習が必要である。
テキスト(教科書)Textbooks
特定のテキストは用いず、能研蔵の資料を利用する。
参考書References
授業時に紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
ワークショップでの翻刻、注釈等の成果(30%)、ミニ発表の成果や他の発表への発言(30%)、学期末のレポート(40%)を綜合して判断する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
能について少し知りたいと思って受講すると、古写本の翻刻や世阿弥伝書の参照など、負担が大きいと感じる場合もあるようです。もちろん、やってみたいと思ってくれれば、いくらでも支援します。古文が読めない場合は、受講は難しいと思います。
担当教員の専門分野等
<専門領域> 能楽研究
<研究テーマ> 能の作品研究・演出研究
<主要研究業績>
★「修羅能以前の「平家の能」―〈経盛〉の再検討を通して―」 軍記物語講座第二巻『無常の鐘声 平家物語』(松尾葦江編 花鳥社 2020年)
★「能〈通小町〉遡源」『国語と国文学』93巻3号・2016年3月
★「〈檀風〉「孝養」の習事―死者を悼む演技をめぐって―」『文学』16巻2号・2015年3月
★「「天女舞」応用の一形態―神と遊女が舞った菩薩の舞― 」 『中世文学と隣接諸学 7』(竹林舎2012 年)