人文科学研究科Graduate School of Humanities
HIS500B4(史学 / History 500)西洋古代史研究ⅡOccidental Ancient History Ⅱ
後藤 篤子
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0375 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 史学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
This course aims at learning the history of various opinions about "the decline and fall" of the Roman Empire, and thereby acquiring the basic ability for critical reading and logical thinking.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
ローマ帝国の「衰亡」をめぐっては、当時から現代に至るまで実に多くの見解が出されている。本授業ではローマ帝国「衰亡論」の歴史の概要を学ぶと同時に、それを通じて「歴史は今を映す鏡」と言われる所以を考える。さらにグループ学習を通じて、他者の見解を批判的に読解してその問題点を発見する能力を向上させる。本授業での学びを通じて、昨今また盛んになっている「国家の衰亡」をめぐる種々の論議を批判的に読み解く力を培うことが、本授業の目指すところである。
到達目標Goal
・「ローマ帝国衰亡論」の歴史について基本的知識を習得する。
・今日までに展開されてきた多様な「衰亡」原因論を批判的に考察し、それらの問題点を発見する能力を向上させる。
・自分の見解を、他者に理解・納得してもらえるような形で口頭や文章で発表する、プレゼンテーション能力を向上させる。
・質疑応答やディスカッションを通じて自分の見解を客観的に見直し、必要な修正等を施ことができる柔軟な思考力を培う。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本授業は基本的に対面授業で行う。前半は講義形式で進めるが、その間にグループ学習を進めてもらい、後半はグループ別発表と質疑応答、およびディスカッションを中心とする。学習支援システム上に設定する質問等受付コーナーに投稿される質問・意見等へのフィードバックは毎回の授業時に行う予定だが、時間が足りなそうな場合は、数回分をまとめて学習支援システム上でフィードバックする。グループ発表へのフィードバックは当該授業内および学習支援システム上で行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション
授業の進め方、および期末レポート課題の説明と、参考文献リストの配布。
第2回:ローマ帝国概観
背景知識が不十分な受講者向けに、帝政期のローマの歴史と社会を概述
第3回:近代歴史学成立以前の「衰亡」論
古代ローマ人の衰退論~ギボン『ローマ帝国衰亡史』まで
第4回:ローマ帝国の「衰亡」をめぐる多様な見解(1)
「民族移動」や自然的要因を重視する諸説をめぐって
第5回:ローマ帝国の「衰亡」をめぐる多様な見解(2)
人間的要因や政治・軍事的要因を重視する諸説をめぐって
第6回:ローマ帝国の「衰亡」をめぐる多様な見解(3)
「衰亡」という捉え方自体をめぐってー「古代末期」学派の出現と同派への批判
第7回:ローマ帝国の「衰亡」をめぐる多様な見解(4)
近年の動向をめぐって
第8回:グループ発表に向けて
グループ毎の発表レジュメの作成と質疑応答
第9回:グループ発表と質疑応答(1)
モミリアーノ論文・ジョーンズ論文の概要と、両者が考える「衰亡原因」についての批判的考察
第10回:グループ発表と質疑応答(2)
弓削達氏が考える「衰亡原因」の概要と、それについての批判的考察
第11回:グループ発表と質疑応答(3)
南川高志氏が考える「衰亡原因」の概要と、それについての批判的考察
第12回:グループ発表と質疑応答(4)
J・シュミットが考える「ローマ帝国の衰退」の概要と、それについての批判的考察
第13回:ローマ帝国の「衰亡」をめぐって
各グループ発表を受けての全体討議。グループ別発表を終えての各自の感想の提出。
第14回:まとめ
教員による全体講評。期末レポートの提出。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
講義レジュメは原則として1週間前に学習支援システムの教材欄にアップするので、受講生は事前によく目を通しておき、不明点や疑問点は授業時の質疑応答で解決を図るか、学習支援システム上でも質問を受け付けるのでそこに投稿すること。授業後に残った不明点や疑問点も、学習支援システムに投稿すること。
グループ学習は参考書欄に記載した4点のうち一つを選んで進めてもらうが、グループ分けは受講者の希望に沿う形で行うので、グループ分けまでにどの参考文献を精読したいか、各自で決めておくこと。グループ別発表のレジュメ作成時間は授業内でも取るが、それまでにグループで参考書の読み込みを進め、発表内容を協議しておく必要がある。したがって、本授業の準備・復習時間は計4時間が標準だが、それ以上の時間を要するかもしれないことは承知しておくこと。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは特に指定しない。講義形式で進める部分のレジュメは、原則として講義の1週間前に、学習支援システムの教材欄にアップする。
参考書References
(1) 古代学協会編『西洋古代史論集Ⅲ』東京大学出版会、1978年。
A.モミリアーノ「キリスト教とローマ帝国の衰亡」(秀村欣二訳)
A.H.M.ジョーンズ「ローマ帝国の衰退」(杉村貞臣訳)
(2) 弓削達『ローマはなぜ滅んだか』講談社現代新書、1989年。
(3) 南川高志『新・ローマ帝国衰亡史』岩波新書、2013年。
(4) ジョエル・シュミット『ローマ帝国の衰退』文庫クセジュ、2020年。
グループ学習で使用する上記4点以外の参考文献リストは初回時に配布する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(質問やグループ発表・ティスカッション時の発言等、授業への積極的参加度)20%、グループ学習を終えての感想(全員提出)20%、期末レポート60%で評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
2020年度は、予習時間を十分に確保できるようなタイミングで講義レジュメを事前アップできなかったことが最大の反省点で、2021年度は1週間前のアップを心がけます。また、2020年度はZoomのブレイクアウトルーム機能を使ったグループ討議の時間も設けましたが、教員自身が不慣れであったためグループ毎の質問への対応に手間取るなど、あまりうまく運営できていなかったと思いますので、その点についても改善を図ります。