人文科学研究科Graduate School of Humanities

・授業の概要：日露戦争後の明治時代の政治史を学ぶ。20世紀初頭の日露戦争での勝利を経て、世界の列強の注目する軍事力を有することとなった大日本帝国が、経済・産業・生活などの分野における後進性の克服に努める様相を学ぶ。
・目的：１）大日本帝国の政治に関する知識を得る。２）アジア地域唯一の列強となった大日本帝国の国際社会における影響力行使と問題点とに関する知識を得る。３）日本近代史研究の現状に関する情報を得る。４）大日本帝国と日本国との連続性と断絶とについて考える手がかりを得る。

到達目標：１）日露戦争後の政治、とりわけ桂園体制と称される政治状況に関する知識を得る。２）当該期の経済・産業・文化・生活の発展・向上に関する知識を得る。３）そうした知識の修得を通して、今日の日本との連続性と断絶を捉え、20世紀日本の総合的理解と21世紀日本の展望とを併せ持つ手がかりを得る。

日本語 / Japanese

・進め方：講義形式である。
・方法：受講生の能動的な学習と双方向的な授業運営に努め、授業での配布プリントに記載された史料を受講生が音読することや、教員・受講生間の質疑応答、受講生同士のディスカッションを取り入れる。
・教室での対面授業を行うが、新型コロナウィルス感染防止策に対応して、ZOOMを利用して教室での対面授業を同時配信する方式を併用することもある。リアクションペーパーにおける受講生の疑問や質問、コメントなどには、次回の授業冒頭あるいは学習支援システムにおいて対応する。

あり / Yes

なし / No

春学期

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：イントロダクション

授業全体の概要説明。

第2回：帝国議会と国会

国会開設百年に関するビデオの視聴とその解説。

第3回：帝国議会の制度と人（１）

帝国議会に関する制度の解説。

第4回：帝国議会の制度と人（２）

帝国議会に関する人々の解説。

第5回：第25回帝国議会

第25回帝国議会の状況と争点の解説。

第6回：第25回帝国議会後の社会情勢

第25回帝国議会後の社会情勢の解説。

第7回：第26回帝国議会

第26回帝国議会の状況と争点の解説。

第8回：第26回帝国議会後の社会情勢

第26回帝国議会後の社会情勢の解説。

第9回：第27回帝国議会

第27回帝国議会の状況と争点の解説。

第10回：第27回帝国議会後の社会情勢

第27回帝国議会後の社会情勢の解説。

第11回：第28回帝国議会

第28回帝国議会の状況と争点の解説。

第12回：第28回帝国議会後の社会情勢

第28回帝国議会後の社会情勢の解説。

第13回：第29回帝国議会、大正時代の幕開け

第29回帝国議会の状況と争点の解説。大正時代の幕開けと展望の解説。

第14回：まとめ

授業総括と質疑応答。

・準備学習：学習支援システムの「授業内掲示板」サイトにテキストとなる授業プリントを添付ファイルでアップロードするので、受講生各自、授業前にダウンロードして読んでおくこと。授業テーマに関する参考文献を読んでおくこと。
・復習：授業後に授業プリントを読み直すこと。学習支援システムの「授業内掲示板」サイトに記される毎回の授業の要点を読むこと。授業の中で示された参考文献を読むこと。
・本授業の準備・復習時間は、各２時間以上を標準とする。

・刊本としてのテキストは使用しない。
・授業内容をまとめたプリント（授業プリント）を学習支援システムの「授業内掲示板」サイトに添付ファイルでアップロードする。

佐々木隆『日本の歴史21明治人の力量』（講談社）
小風秀雅『日本の時代史23アジアの帝国国家』（吉川弘文館）
飯塚一幸『日本近代の歴史３日清・日露戦争と帝国日本』（吉川弘文館）
宮田昌明『英米世界秩序と東アジアにおける日本』（錦正社）
アジア歴史資料センター、独立行政法人国立公文書館、国立国会図書館の各ウェブサイトにおける日本近代史関連解説コラム

・平常点40％、試験60％（設題は到達目標に沿うものとする）。参照可。
・特別な事情がなく、授業への参加度が不良と判断された場合には、あるいは試験を受験しない場合には、不合格の評価とする。
・新型コロナウィルス感染防止策として教室での試験ができない場合には、リポート（設題方針は試験の場合と同じ）に切り替えることもある。

日本近代史に関する基礎的な知識の不足を感じている受講生もいることから、授業内容の理解と定着に資する質疑応答を積極的に行い、受講生の学習の動機付けや意欲を高めるように努める。

・学習支援システムを利用することができるIT機器。
・ZOOM授業を受講することができるIT機器。

・学部合同科目（「日本近代史」）である。
・「日本近代史料学」（秋学期・学部合同科目、大学院科目「日本近代史研究Ⅱ」）との継続履修を強く推奨する。
・やむを得ない事情により授業を欠席する場合（介護体験実習、教育実習など）には、その事情を証明する文書を提出すること。
・新型コロナウィルス感染防止策として教室での対面授業を行わない場合には、授業内容を変更することがある。
・授業に関連する連絡は、学習支援システムの「お知らせ」サイトや「授業内掲示板」サイトを利用して行うので、頻繁に閲覧し、見落とさないようにすること。
・担当教員宛の直接連絡にはメールを利用すること。そのメールアドレスは、学習支援システムに掲示する。

＜専門領域＞
日本近現代政治史
＜研究テーマ＞
日本近現代史における政治指導者、明治国家における地方制度整備をめぐる政治過程
＜主要研究業績＞
「杉原夷山宛田中光顕書翰紹介」（『法政大学文学部紀要』第66号、2013年３月）
「田中光顕関係文書紹介」（一）～（十三続）（『法政大学文学部紀要』第52～65号、2005～2012年）
『山県有朋関係文書』第1～3巻（山川出版社、2004～2007年）
『木戸孝允関係文書』第1～4巻（東京大学出版会、2006～2009年）
『河野広中』吉川弘文館（2009年）、
「河野広中覚書（上）（下）」（『法政史学』第72号、2009年９月、同73号、2010年３月）
「韓国をめぐる河野広中の周辺」（『法政史学』第74号、2010年９月）
「中国をめぐる河野広中の周辺」（『法政史学』第76号、2011年９月）
『棚橋小虎日記・昭和20年』（法政大学大原社会問題研究所、2009年）
『棚橋小虎日記・昭和17年』（法政大学大原社会問題研究所、2011年）
「杉原夷山宛田中光顕書翰について」（『日本歴史』第761号、2011年10月）
「A Year in America」（『法政大学文学部紀要』第71号、2015年10月）
「明治日本と日本人」（独立行政法人国立公文書館『平成30年秋の特別展躍動する明治図録』、2018年）
『棚橋小虎日記・昭和19年』（法政大学大原社会問題研究所、2019年）