人文科学研究科Graduate School of Humanities
HIS600B4(史学 / History 600)日本古代史演習ⅢSeminar on Ancient History of Japan Ⅲ
小口 雅史
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0324 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金7/Fri.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 史学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
In the ancient East Asia, when analyzing the society, analysis of
the land system occupies a very important position.
We will study the fundamental historical code "Deryo", while complying with the corresponding Old Chinese code "Tensei-Denrei".
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
東アジア古代世界では、社会の分析に際して、租税制度とならんで土地制度の分析が非常に重要な位置を占める。日本古代史研究においては、さらにそのモデルとなった唐の諸制度のとの比較が必須である。そこでこの演習では、日本の土地制度の直接の母法となった唐田令を、近年発見されて公刊された天聖令に基づいて比較研究することとする。今年度も併行して講読している田令集解に対応する天聖令部分を引き続き検討する。
到達目標Goal
日本の田令は中国の田令を母法として作成されているので、どこが丸写しでどこが日本的なのかを、両者を比較史ながら識別する能力を身につける。
単に報告者の発表を聞くだけではなく積極的に自分の意見を述べるディベート能力を身につける。
海外史料を自力で読み解く技術を身につける。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業形式は対面授業を原則とする。本年度は田令集解第22条に対応する天聖令より開始する。あらかじめ条文ごとに担当を指定するので、上記の目標をふまえて事前に十分予習してから本研究に臨むことを期待する。
発表へのフィードバックについては、次回の授業の初めに、前回の授業で提出資料からいくつか取り上げ、全体に対してフィードバックを行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
自己紹介、授業方法の説明、報告担当の調整、概説
第2回:天聖田令(日本令第22条相当)講読(1)
日本田令第22条相当条文の比定と配列
第3回:天聖田令(日本令第22条相当)講読(2)
日本田令第22条相当条文の読解
第4回:天聖田令(日本令第22条相当)講読(3)
日本田令第22条相当条文と武徳令・開元7年令との比較。修論テーマについての報告会を兼ねます。
第5回:天聖田令(日本令第23条相当)講読(1)
日本田令第23条相当条文の比定と配列
第6回:天聖田令(日本令第23条相当)講読(2)
日本田令第23条相当条文の読解(1)
第7回:天聖田令(日本令第23条相当)講読(3)
日本田令第23条相当条文の読解(2)
第8回:天聖田令(日本令第23条相当)講読(4)
日本田令第21条相当条文と武徳令・開元7年令との比較(1)
第9回:天聖田令(日本令第223条相当)講読(5)
日本田令第21条相当条文と武徳令・開元7年令との比較(2)
第10回:天聖田令(日本令第23条相当)講読(6)
日本田令第23条相当条文と武徳令・開元7年令との比較。修論完成にむけての報告会を兼ねます。
第11回:天聖田令(日本令第24条相当)講読(1)
日本田令第24条相当条文の比定と配列
第12回:天聖田令(日本令第24条相当)講読(2)
日本田令第24条相当条文の読解
第13回:天聖田令(日本令第24条相当)講読(3)
日本田令第24条相当条文と武徳令・開元7年令との比較
第14回:秋学期の総括
唐代の田種と吐魯番文書にみえる田制実例との比較を行う
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前に取り組んでおく研究内容としては、発表者は対象条文の復原根拠となった関連史料間の異同の確認、書き下し、現代語訳、語句註、日本令との比較、唐令拾遺の成果との比較、対象条文に基づく論点整理、先行研究の紹介、自分なりの意見のまとめなどが要求される。標準的に2時間以上を要する。受講者もそれに準じるが標準的に1時間以上を要する。復習はそれぞれ1時間程度。発表者は、発表終了後に再構成した発表レジュメをアップロードしてもらうが、それに別途1時間程度。
テキスト(教科書)Textbooks
天一閣博物館・中国社会科学院歴史研究所天聖令整理課題組校證『天一閣蔵明鈔本天聖令校證 附 唐令復原研究』上・下(中華書局、2006年10月)
参考書References
唐令拾遺(仁井田陞著、東京大学出版会)
唐令拾遺補(池田温編、東京大学出版会)
その他、条文内容に応じて随時指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表が中心となるが、海外史料である天聖令の正確な理解ができたか、日本令との違いを明確に示せたか、それにもとづいて土地制度についての唐代の論理を日本古代と比較しながら正しく構築できたかを重視する(発表70%)。また討論においては自主的な発言の内容を重視する(討論への参加30%)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
アンケート対象外につき該当なし
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
とくになし
担当教員の専門分野等
〈専門領域〉
日本古代史・法制史・北方史・国際日本学
〈研究テーマ〉
日本古代社会経済史・日中比較律令法史・古代中世北方史
〈主要研究業績〉
2010年、『古代末期・日本の境界-城久遺跡群と石江遺跡群』
2008年、『エミシ・エゾ・アイヌ』(編著)、岩田書院
2008年、「近時の在欧吐魯番出土漢文文書の整理・公開等をめぐって」『古文書研究』66
2007年、「『在ベルリン吐魯番出土漢文世俗文書総合目録』のその後-FileMakerによるDatebaseのWeb公開の一例として」『漢字文献情報処理研究』8