政治学研究科Graduate School of Politics
POL600A4-2316（政治学 / Politics 600）国際地域研究（ロシア・中央アジア）（１）Area Studies (Russia and Central Asia) 1
片桐 俊浩
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 政治学研究科Graduate School of Politics |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X5542 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 水6/Wed.6 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 国際政治学専攻 |
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Outline (in English)
In a historical context, three political perspectives can be found in the geographical spread of Russia and Central Asia. First, Russia as an empire expanded its territory rapidly; second, the countries spent most of the 20th century in the Soviet socialist system; and third, the collapse of the Soviet Union left Russia with a "loss of empire" experience. Even the resource-dependent economy and the resulting underdevelopment of the manufacturing industries are the flip side of these two legacies: territory (i.e., resources) and the Soviet socialist economy. Based on the sense of ex-"empire" that only Russia possesses, Russia changes its approach in its diplomacy towards Central Asia and towards other countries. Using the three perspectives mentioned above as a starting point, the class will be conducted in a seminar format on Russia and Central Asian countries.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
現在のロシア・中央アジア各国の政治的・経済的な大枠を作っているのは16世紀以降のロシアによる領土の急拡大であり、20世紀の大半をソ連型の社会主義体制下で過ごした経験である。経済成長を資源輸出に頼りがちであるとか、それも原因で製造業が余り発達しないというロシアの経済的な問題も、「広大な領土（資源）の存在」、「ソ連から引き継いだ経済基盤の問題」の2つが絡み合って表出したものである。ロシアを形作る3つ目の重要な要素として、「ソ連崩壊という“帝国”の喪失経験」という意識も見逃せない。ロシアという国は、このような特徴と意識を抱えながら中央アジア各国（「近い外国」）、それ以外の諸国（「遠い外国」）に対してそれぞれ異なった態度で接している。
この問題意識を軸にして、広大な地域であるロシアと中央アジア各国について、ゼミ形式で議論を深める。
なお、新型コロナウィルス感染状況に鑑みて、初回以降の授業をZoom利用によりオンラインで行う（感染状況及び受講者の都合に応じてキャンパスでの授業に変更することがある）。
到達目標Goal
ロシア・中央アジア地域に関して、特にロシアを軸とした政治的・経済的な重要論点を把握し、独自の見解を抱いて議論に参加できるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は特に強く関連、「DP2」「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
演習（ゼミ）形式の授業として、事前の論文等（書籍、記事を含む。以下同）読解に基づく発表と議論の積み重ねで進める。受講者の関心に応じて読解すべき論文等を決める。授業では本シラバスに示したテーマ全てを扱うが、論文等の内容に応じて各回のテーマの入れ替え等の変更を行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：導入
授業方針の説明、ロシア・中央アジアの概要（講義形式）、第2回授業について
第2回：ロシア・中央アジア史（１）
ロシアの地理的な拡大の歴史とその意義
第3回：ロシア・中央アジア史（２）
ソ連時代の政治制度、経済状態について
第4回：現代ロシア政治（１）
エリツィン政権期の政情と経済問題
第5回：現代ロシア政治（２）
プーチン政権下における政治制度の変容
第6回 ：現代ロシア政治（３）
プーチン政権による外交政策の推移
第7回 ：ロシア経済（１）
資源依存経済の問題（製造業の発達不全、オイルマネー分配の不平等感、資源採掘企業と政権との癒着等）
第8回：ロシア経済（２）
軍需産業、核閉鎖都市
第9回：中央アジア（１）
カザフスタン
第10回：中央アジア（２）
ウズベキスタン、クルグズスタン
第11回：中央アジア（３）
トルクメニスタン、タジキスタン
第12回：その他の「近い外国」（１）
ウクライナ、ベラルーシ
第13回：その他の「近い外国」（２）
南コーカサス3国
第14回：「遠い外国」
域外諸国（特に日米中印欧）との関係
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・発表対象の論文等（書籍、記事を含む）を事前に読み込む。
・ロシア・中央アジアに関連する報道内容を毎週把握する。
※本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
事前に指定するテキスト（教科書）：なし。
受講者の関心事項に応じてテキストを決める。
参考書References
（ロシア関連）
下斗米伸夫編著『ロシアの歴史を知るための50章』明石書店、２０１６年。
（中央アジア関連）
帯谷知可編著『ウズベキスタンを知るための60章』明石書店、２０１８年。
ティムール・ダダバエフ『社会主義後のウズベキスタン―変わる国と揺れる人々の心』アジア経済研究所、２００８年。
松井啓『初代大使が見たカザフスタン』めるくまーる、２００７年。
宇山智彦・藤本透子編著『カザフスタンを知るための60章』明石書店、２０１５年。
湯浅剛『現代中央アジアの国際政治――ロシア・米欧・中国の介入と新独立国の自立』明石書店、２０１５年。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・担当分野のレジュメ作成・発表（50％）。
・授業中の質疑・議論への参加（50％）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
発表の形式は自由（プリント配布の有無、コンピュータ・スクリーンの使用等）。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞ソ連・ロシア・コーカサス
＜研究テーマ＞ソ連史（都市建設、核開発）、ロシア政治、アゼルバイジャン内外政・経済・社会
＜主要研究業績＞
・下斗米伸夫・島田博編著『現代ロシアを知るための60章【第2版】』明石書店、2012年（第12章「民族問題とロシア政治」(pp.88-92）、第21章「現代のモスクワ」（pp.135-139））。
・廣瀬陽子編著『アゼルバイジャンを知るための67章』明石書店、2018年（第36章「産業分野の現状と今後の課題―浮かび上がる人事育成の重要性」（214-218頁）、第37章「金融と通過―油価下落の直撃を受けた銀行業界」（222-227頁）、第59章「政治の中のスポーツ行事―国際イベントを通じた国の知名度の向上」（350-354頁）、第61章「アゼルバイジャンと日本の関係―両国間に根付きつつある相手国への関心と敬意」（364-369頁）、コラム「海上の楼閣ハザルアイランド」（219-221頁））。
・片桐俊浩「国際的な輸送回廊構築におけるアゼルバイジャンの位置付け」、『法学志林』（第一一七 巻第三・四号合併号）、2020年（161－196頁）。
・Тосихиро Катагири, Такаси Хирано, Ясуси Томосигэ, «Экспортный потенциал продвижения азербайджанской нефти в Украину и Беларусь; взгляды трех стран по поиску «украинского маршрута»».С.101-126. «Философия экономики; история и современность», Национальная Академия наук Азербайджана Институт философии, 2017. С.544.