理工・生命科学部教養科目KLAC Course
HIS100LC(史学 / History 100)比較文化論Comparative Cultures
谷村 玲子Reiko TANIMURA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工・生命科学部教養科目KLAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | H3567 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<理工・生命科学部教養科目>Category | 人文・社会・自然科学系 |
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Outline (in English)
The Japanese Tea Ceremony or chanoyu is a very good perspective from which to examine Japanese culture in a comparative cultural context. Chanoyu is a performance art which is created through 1) the drinking of special tea by a host and guests following strict procedures, 2) the employing of special types of tea utensils, and 3) the use of a defined space, a tea room or tea hut including a tea garden. Through this course, you will learn about not only various arts and crafts but also patterns, and symbols of the seasons. You will be encouraged to think about the relationship between nature and Japanese culture. We will examine the history of tea in Japan in the second half of the course.
As I would like to illuminate the aesthetics of Japanese culture, I will speak about not only chanoyu itself but also the secondary aspects of chanoyu, including the history of tea, kaiseki meals (懐石), and some special Japanese cultural concepts such as utsushi (写し), hakogaki, and mei(銘)or poetic name. The particular relation between a tea master and followers, called the iemoto (家元) system, will also be discussed in the class.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本授業では、西洋の社会学、心理学、また文化人類学の理論を用いた比較文化の視点から、日本の伝統文化である茶の湯を捉える。コースの前半では茶の湯に用いられる工芸品の数々から、外国からの影響や、日本の独自性を説明する。そして学生には日本の芸能や工芸における「自然」について考えて欲しい。後半には日本の茶の湯の歴史も講義するが、本授業におけるサブ・テーマは「政治と文化(茶の湯)」である。戦国時代の織田信長、豊臣秀吉、明智光秀の茶会の比較は、興味深い問題提起になるだろう。またその後に江戸時代の茶の湯を説明し、近世における日本の政治と文化の関係性を考える。日本史が不得意という学生には、知識としての歴史ではなく、現代を考えるための歴史ということを理解させたい。
到達目標Goal
茶の湯を広く学際的に考察し、世界の中での日本文化、日本の美意識、そして日本文化の将来ということに興味を発展させたい。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」と「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業方法:授業方法:コロナ感染の状況により、授業方法は大学の判断に従うものとする。対面授業が出来ない場合は、オンライン(zoom)による授業とする。毎回授業内で資料を手渡すが、後者の形式の場合は事前に送信する。授業内で簡単なアンケートや感想文を課す。提出物から学生の理解が難しかった内容が分かれば、次回で取り上げ、全体の受講生に対してフィードバックを行う。また感想文などでの良いコメントは授業内で紹介し、さらなる議論に活かす.
授業の進め方としては、まず講義の導入として、日本の茶の湯と西洋紅茶文化の違いを明らかにする。その上で茶の湯の三要素―身体技法(作法・点前)、茶道具、特殊空間(茶室と茶庭)―を、それぞれに比較文化の視点から解説する。特に日本文化の特徴である「自然」の問題を意識して、身体技法・工芸品と季節・禅寺と茶室の違いを考えていく。茶の湯史に関しても、日本文化史の領域に留まらず、文化人類学、教育学、社会学といった観点から新しい分析を加える。本授業を通じて、世界にいかに日本文化をそして日本の美意識を伝えるかを考えたい。
対面授業の場合は、配布資料の理解を助けるべく、スライドや時には茶の湯道具の実物を見せることで、学生の興味や理解を深める.
くオンライン授業となった場合でも、画像や動画を増やすことで多方面から学生の興味を刺激したい。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:茶の湯研究とは
シラバス内容の確認と茶の湯文化に関する意見調査
2:植物としてのチャ、そして西洋の茶文化
様々なスライドで西洋の茶文化を紹介し、改めて日本の茶の湯との違いを明らかにする。
3:茶道具そして銘とは
茶道具から見た日本人の美意識の変化。中国と日本の工芸品の違いから、其々の美意識の相違を明らかにする。さらに「銘」とは何かを考えてもらう。
4:茶の湯に見られる自然
茶庭の自然、身体技法における自然、そして広く工芸品全般に見られる自然を表す文様。その上で日本文化が西洋に与えた影響を、ジャポニズムから考える。
5:茶事
四時間にわたる正式の茶会とはなにか
6:茶の湯の歴史
茶に関する中国と日本の最古の文献は何か。遣唐使・平安時代・鎌倉時代の茶の湯を説明し、鎌倉時代に禅と茶の湯が、なぜ武士の間で流行したかを考える。
7:室町時代の茶の湯
会所の茶の湯とやつしの美意識の出現。日本人の美意識の変化を文献とスライドから説明する。
8:戦国時代と南蛮文化
南蛮文化と自由都市堺。なぜ基督教宣教師は日本に来たのか。さらに南蛮屏風や、南蛮到来の言葉、食べ物等、南蛮文化の日本文化への影響を考える。
9:下剋上と茶の湯
信長、秀吉、そして明智光秀の茶会から、政治と茶の湯(芸能)を考える。さらに、この時代の茶会料理から、日本の食文化の変化を説明する。
10:利休の茶の湯とは
1茶会 2茶室
天文一三年(1544)から天正一八年(1590)の利休の茶会。そして江戸時代初頭より利休の茶室と伝わる国宝「待庵」を用いて、わび茶とは何かを、心理学、文化人類学の視点から考える。
11:利休の最後と利休後の茶の湯
下剋上の人利休の謎に包まれた最後と、その後の茶の湯の変化から、下剋上と江戸時代の精神性の違いを茶の湯から考える。
12:江戸時代の茶の湯: 家元制度
現代日本の組織を考える時も、18世紀半ばから確立していく家元制度は大きなヒントとなる。家元制度を社会学の視点から考える。
13:武家の茶の湯
江戸時代に茶の湯は武家の必須の教養となっていく。ブルデューの社会理論を参考に、身分特有の文化とは何かを、茶の湯から考える。
14:女性の茶の湯と現代の茶の湯
本講義のまとめ
女性の茶の湯の歴史から、現代の茶の湯を考える。
14回にわたる講義のまとめ。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
前半の授業では茶の湯を通して「工芸」を考える。後半の授業では歴史背景の説明をしながら、日本人の美意識の変化や茶の湯という日本独特の文化の完成を説明していく。学生にはごく一般的な歴史の流れを復習したり、または授業後に配布資料を読み返し確認することを欲する。また前半・後半それぞれに授業内で自分の意見をまとめる小課題を出し、授業の説明を基に学生自身が考える機会としたい。
テキスト(教科書)Textbooks
プリントを配布するので、準備する必要はない。
参考書References
授業中に随時紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末テストを行う。原則として大学の採点基準により、テストの点数で評価する。
☆対面方式の期末試験が出来ない場合は、学期内のオンラインでの小課題三回、小テスト三回の総合点を評価とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生による授業中の雑談は、他の学生が大変迷惑するので、今年はさらに厳しく注意したい。質問する・学生に感想を求めるなどの方法で、授業中に学生が発言できる機会を増やしたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
なし
その他の重要事項Others
なし