国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
SOS500G1-209(その他の社会科学 / Social science 500)多民族共生論ⅠBMultiethnic Coexistence Ⅰ B
先住民(族)と国際規範―開発協力を中心に―
松本 悟Satoru MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X2022 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
The theme of this course is indigenous people and international norms. It will enable students to critically understand the historical development and the application for the projects of international norms to protect indigenous peoples' rights in relation to not only international development cooperation but also international finance or foreign investment.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業は「先住民族と国際規範」をテーマとし、国際連合や国際開発機関、民間銀行の国際協会などの宣言や政策が形成された過程やその実効性を批判的に読み解きながら、先住民族など多民族が共生できる国際社会に向けた規範のあり方を考える。
到達目標Goal
(1)先住民族の権利を守る国際規範の形成史を説明できる。
(2)実際の規範がどのように実務に適用されているかを批判的に分析できる。
(3)当該分野の専門的な文献を読んで要点を理解できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」,「DP2」,「DP4」の達成のために特に重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
■基本方針:国際文化研究科では、2021年度の授業をオンライン授業で実施することを決定した。この授業に関してもZoom等によるリアルタイム・オンライン授業で実施する。ただし、法政大学の「新型コロナウイルス感染症に対する行動方針」のレベル1以下になった場合、履修者と相談して教室での対面授業に切り替える可能性はある。
■第1回は教員が担当し、第2回からは事前課題文献(日本語か英語)をもとに学生が発表・議論する。進め方は以下の通り。
(1)履修者全員が事前課題文献(20頁程度を想定)を熟読し、①「この文献から重要だと考えた点」を最低3つ、②そう考えた理由、③そこから導いた論点(履修者同士で議論したい点)を発表する。
(2)(1)を共有した上で、履修者の間でその日議論したい点を絞り(全ての論点でもよい)議論する。
(3)必要に応じて教員が補足授業を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:イントロダクション
授業の狙い、課題文献を説明し履修者の関心を聞き取る。それにしたがって授業内容を変更・確定する。発表の担当者を決める。また、文献の読み方や論点の意味について解説する。
2:先住民(族)について
多民族共生論IAの復習を兼ねて先住民(族)という概念について考える。
3:世界銀行の政策変化
世界銀行の過去と現在の先住民(族)配慮政策を比較して何が変わり、何が変わらなかったかを考える。
4:先住民(族)と開発政策
世界銀行のプロジェクトで影響を受ける先住民(族)にどのように配慮政策(国際機関)を伝えるべきかを考える。
5:世界銀行と先住民族
世界銀行の先住民(族)配慮政策についてその歴史と妥当性を議論する。
6:学生による発表①
履修者による研究発表と議論。
7:先住民族の権利に関する国連宣言
2007年の画期的な宣言の意義とそこに至るプロセスから国際規範形成の難しさを考える。
8:自由で事前に十分な情報が提供された合意(FPIC)
先住民(族)と開発を考える上で重要なFPICの概念の成り立ちと葛藤から主体的な関与について考える。
9:企業の海外進出を支援する輸出信用機関の政策
日本の国際協力銀行(JBIC)の環境社会配慮政策を世界銀行やODAと比較して考える。
10:学生による発表②
履修者による研究発表と議論。
11:プロジェクトを通して考える①カンボジア
実際の開発協力プロジェクトにここまでの学びを適用して考える。1回目はカンボジア北東部の事業。
12:プロジェクトを通して考える②フィリピン
2回目は先住民族に関わる2つのタイプのNGO(プロジェクト、アドボカシー)の事業から市民社会の影響について考える。
13:プロジェクトを通して考える③ダム開発
中国などの新興ドナーの先住民(族)配慮について、世界銀行と比較して考える。
14:総合討論
ここまでの授業を横断的に捉えなおし、先住民族の権利を守るための国際規範について考える際の重要な視点について議論する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前課題文献は時間をかけて読み、課題に取り組むこと。
・毎回の授業で学んだことを短く学習支援システムに投稿すること。
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
課題文献(英語、日本語)は学習支援システムを通じて配布。
参考書References
特になし。
成績評価の方法と基準Grading criteria
(1)事前課題・発表40%(文献の正しい理解、説得力のある論点の抽出)
(2)平常点30%(授業での積極的な発言・議論のファシリテート)
(3)授業後課題30%(授業内容の理解度)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン、およびZoom等のオンライン授業に必要な通信環境。
その他の重要事項Others
・国際金融機関の先住民族政策を含むセーフガード政策の改善を働きかける活動にNGO職員として関わっていた教員が、その経験を発表へのコメントや補足講義に活かす。
・履修者の人数や語学力によって課題文献は柔軟に対応する。また履修者の研究に関する発表や議論を柔軟に組み入れる。
担当教員の専門分野等
<専門領域>国際開発研究
<研究テーマ>影響評価、国際機構論、国際協力学
<主要研究業績>
『国際協力と想像力』(編著、日本評論社、2021年)
『調査と権力』(単著、東京大学出版会、2014年)
『NGOから見た世界銀行』(編著、ミネルヴァ書房、2013年)
『映画で学ぶ国際関係II』(共著、法律文化社、2013年)
『人々の資源論』(共著、明石書店、2008年9月)
『シリーズ国際開発 生活と開発』(共著、日本評論社、2005年9月)