国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
SOS500G1-208(その他の社会科学 / Social science 500)多民族共生論ⅠAMultiethnic Coexistence Ⅰ A
開発と民族
松本 悟Satoru MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X2021 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
The Theme of this course is "development and ethnic minorities" particularly, indigenous people in the lower and middle income countries (so-called developing countries). It focuses on impacts of "development" on their livelihoods and their ways of thinking.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業のテーマは「開発と民族」である。主に開発途上国の先住民族を取り上げる。「開発」が先住民族を初めとする少数民族の生活や考え方にどのような影響を与えてきたのかを文献から読み取り、学際的な視点から共生のあり方を考え議論する。
到達目標Goal
(1)民族とは何か、先住民族とはどのような人たちを指すのかを既存文献から多角的に説明できるようになる。
(2)近代以降の「開発」が少数民族や先住民族に与えた影響を分析する切り口(視点)を複数身につける。
(3)当該分野の専門的な文献(日本語と英語)を読んで理解できるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」,「DP2」,「DP3」の達成のために特に重要である
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
■基本方針:国際文化研究科では、2021年度の授業をオンライン授業で実施することを決定した。この授業に関してもZoom等によるリアルタイム・オンライン授業で実施する。ただし、法政大学の「新型コロナウイルス感染症に対する行動方針」のレベル1以下になった場合、履修者と相談して教室での対面授業に切り替える可能性はある。
■第1回は教員が担当し、第2回からは事前課題文献(日本語か英語)をもとに学生が発表・議論する。進め方は以下の通り。
(1)履修者全員が事前課題文献(20頁程度を想定)を熟読し、①「この文献から重要だと考えた点」を最低3つ、②そう考えた理由、③そこから導いた論点(履修者同士で議論したい点)を発表する。
(2)(1)を共有した上で、履修者の間でその日議論したい点を絞り(全ての論点でもよい)議論する。
(3)必要に応じて教員が補足授業を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:イントロダクション
授業の狙いを説明し、履修者の関心を聞き取る。それにしたがって授業内容を変更・確定する。また、文献の読み方や論点の意味について解説する。
2:人種・民族・エスニシティ
用語の定義と虚構性、それらを使用する意味について議論する。
3:先住民の「作られ方」
カンボジアを例に、先住民が作られるプロセスを考える。
4:「開発と先住民」研究
人類学におけるこのテーマの研究動向についてレビューし議論する。
5:エスニシティ、アイデンティティ、共生
多民族共生を考える上での難しさを議論する。
6:「エスニシティ」と開発
エスニシティと開発の関係を考える枠組みについて考える。
7:「人種」と開発
人種(race)と開発がどのように関連付けられてきたかを考える。
8:言語とエスニックアイデンティティ
開発や近代化に繋がる識字とエスニックアイデンティティについて考える。
9:開発疾病
開発途上国での感染症の発生源を探ることで医療と先住民族について考える。
10:先住民族と定住化・開発避難民
定住化などよりよい生活を目的とした開発が「避難民」を生み出す例から先住民族にとっての開発の意味を考える
11:格差と少数民族
中国の広西チワン族自治区を例に、開発が民族にもたらす格差について考える。
12:天然資源開発と少数民族
天然資源開発特有の少数民族への影響について考える。
13:学生による発表
履修している学生による文献研究発表。
14:先住民族から見た現代世界
現代の視点で先住民族を見るのではなく、先住民族からの視点で現代社会を見ることで開発の意味について考え直す。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前課題文献は時間をかけて読み、課題に取り組むこと。
・毎回の授業で学んだことを短く学習支援システムに投稿すること。
・本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
課題文献(英語、日本語)は学習支援システムを通じて配布。
参考書References
特になし。
成績評価の方法と基準Grading criteria
(1)事前課題・発表40%(文献の正しい理解、説得力のある論点の抽出)
(2)平常点30%(授業での積極的な発言・議論のファシリテート)
(3)授業後課題30%(授業内容の理解度)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パソコン、およびZoom等のオンライン授業に必要な通信環境。
その他の重要事項Others
・少数民族が多く暮らす東南アジアの開発現場に長く関わっている教員が、自らの経験をもとに課題文献や発表者へのコメントを行う。
・履修者の人数や語学力によって課題文献は柔軟に対応する。また履修者の研究に関する発表や議論を柔軟に組み入れる。
担当教員の専門分野等
<専門領域>国際開発研究
<研究テーマ>影響評価、国際組織、開発援助、NGO
<主要研究業績>
『調査と権力』(単著、東大出版会、2014年)
『NGOと世界銀行』(共編著、ミネルヴァ書房、2012年)
『人々の資源論』(共著、明石書店、2008年9月)
『シリーズ国際開発 生活と開発』(共著、日本評論社、2005年9月)