法学部Faculty of Law

　日々生起する「情報や表現（言論）」に関わる問題をきっかけに、現在の日本の日常ではあまりにも当たり前のものとして、取り立てて意識することが少ないであろう「表現の自由」を問い直す。いったいなぜ、表現の自由なのか、何が守られるべき権利なのかを、放送法、インターネット法、情報公開法、個人情報保護法を中心に考えます。テレビ番組の政治的公平性や真実性、また、インターネットのＳＮＳによるプライバシー権や肖像権の侵害など、表現活動とその限界は私たちの生活のあらゆる場面において問題となりうるので、どのコースとの関係でも意義のある授業内容です。

　放送とインターネットを支える法・社会制度について、また、情報公開法と個人情報保護法について、その全体像のイメージを理解することを目標とします。

ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連。

日本語 / Japanese

　なぜ民主主義の社会において表現の自由が大切なのか、なぜ政治がメディアに圧力をかけてはいけないのかという視点から、放送法や放送倫理、インターネット法やインターネットリテラシー、情報公開法、特定秘密保護法などについて学びます。また、なぜ自分が自分らしくあるためにプライバシーは保護されるべきなのかという視点から個人情報保護法についても学びます。具体的事例を手がかりに、それがどのように解決されており、その解決の仕方にどのような問題があるかを検討します。テレビ局やＩＴ企業で働くことを目指す人だけでなく、視聴者として、また、インターネットを利用する誰もが知っておくべき基礎知識を解説します。
　なお、新型コロナウィルス感染防止のため授業は、オンラインで行う予定です。毎回、「学習支援システム」を通じて授業レジュメを配布します。。「学習支援システム」に各回授業についての質問欄を設けます。質問には個別に回答するほか、必要に応じて授業の中でも解説します。

なし / No

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：放送法制１

制度の概要

第2回：放送法制２

番組編集準則の合憲性

第3回：放送法制３

「真実」確保のための放送法の仕組み

第4回：放送法制４

訂正放送と反論権

第5回：放送法制５

公共放送の仕組みと役割

第6回：放送法制６

放送法制における法的規制と自主規制

第7回：インターネット法１

インターネット上の表現の自由

第8回：インターネット法２

プロバイダの責任

第9回：インターネット法３

検索結果削除請求権（忘れられる権利？）

第10回：インターネット法４

SNS法規制

第11回：インターネット法５

インターネット上の青少年保護

第12回：情報公開・個人情報保護１

知る権利はどのように法制度として具体化されているか？

第13回：情報公開法・個人情報保護２

自己情報コントロール権はどのように法制度として具体化されているか？

第14回：情報公開法・個人情報保護３

情報公開制度と個人情報保護制度の相互関係

本授業の準備学習・復習時間は各１時間を標準とします。準備学習として、「授業支援システム」で事前に配布する授業レジュメを読んでおくこと。復習として、各回レジュメの冒頭に書かれている「事例問題」を自分で書いて答案を作成してみること。

鈴木秀美＝山田健太編著『よくわかるメディア法〔第２版〕』ミネルヴァ書房、2019年

鈴木秀美＝山田健太編著『放送制度概論』商事法務、2011年
松井茂記＝鈴木秀美＝山口いつ子『インターネット法』有斐閣、2015年
長谷部恭男ほか編『メディア判例百選〔第２版〕』有斐閣、2018年
松井茂記『マスメディア法入門［第５版］』日本評論社、2013年
山田健太『法とジャーナリズム〔第３版〕』学陽書房、2014年
＊そのほかの参考書は配布資料に記載します。

教室で試験を実施できる場合、論述式の筆記試験（持込不可）によります（100％）。教室で試験を実施できない場合、期末レポートの提出によります（100％）。

「学習支援システム」やメールで質問に応じます。