文学部Faculty of Letters
PSY200BG(心理学 / Psychology 200)行動分析学特講行動分析学特講
島宗 理Satoru SHIMAMUNE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A3669 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
As an advance course in behavior analysis, the purpose of this course is to master application of basic principles and research methods in changing behaviors. The student will conduct "self-experiment," in which each will select his/her own target behavior, record its frequency, visualize data, develop a behavior modification plan, execute, evaluate, and improve the plan. Student will also learn how to interpret "cognitive" activities, such as remembering and understanding, from a behavior analysis point of view.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
行動分析学は「人はなぜそのように行動するのか?」を実験的に解明していく心理学です。この授業は「行動分析学」(授業コード A3670)の上級コースとして、実験的行動分析学、応用行動分析学、理論的行動分析学で検討されてきた数々のトピックを紹介し、掘り下げます。研究によって解明された様々な原理や法則を使って、人の複雑な行動を理解し、社会的な問題の解決に応用できるようにマスターすることを目的とします。
また、受講生それぞれが自らの行動について「じぶん実験」を実施します。これまで受講生が取り組んできたテーマはダイエットや自己学習、恋愛、節約など、様々です。個々人の興味を重視しますので、相談して決めましょう。
到達目標Goal
以下の2つを目標とします。
(1)発達、記憶、言語などに関する、人や動物の認知的な現象について、行動分析学の基礎的な概念や用語を用いて解釈できるようになる。
(2)日常生活における行動問題に対し、ABC分析やAB分析を駆使して、原因推定し、解決策を立案できるようになる。
(3)日常場面における行動の測定、記録、データの視覚化、シングルケースデザインを用いた評価ができるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
発達臨床(自閉症やADHD)、組織行動マネジメント、広告や消費者行動、スポーツにおけるコーチング、カウンセリングなど、各種応用領域における研究や実践と、その元になっている基礎研究を紹介する講義をします。
毎回、「じぶん実験」に関する演習を行います。そして学期末には「じぶん実験」の結果を授業内で発表し、レポートにまとめて提出してもらいます。演習課題やレポートへのフィードバックは授業およびGoogleクラスで行います。
【重要】新型コロナ感染拡大防止のために,この授業は感染状況に応じてオンラインと対面を適宜組み合わせて行います。学習支援システムのこの授業科目のトップページで,対応状況やそれに伴うシラバスからの変更点について案内しますのでご確認ください。教材の配信にはGoogle クラスを使います。Google クラスの授業コードも学習支援システムのこの授業科目のトップページでお知らせします。
学習支援システム:https://hoppii.hosei.ac.jp/portal
Google Classroom(Google クラス):https://classroom.google.com/
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
・授業内容と方法、約束事を説明します。
・発達障害に関する基礎について講義します。
第2回:発達臨床I
・以下の内容について学びます:発達障害、知的障害、自閉症、ADHD、LD。
・じぶん実験の標的行動を決定します。
第3回:発達臨床II
・以下の内容について学びます:発達臨床、言語行動の機能的分析と訓練。
・じぶん実験の記録方法を決めます。
第4回:“理解”の行動分析学
・以下の内容について学びます:刺激般化、刺激等価性、関係フレーム理論。
・じぶん実験でベースラインを測定します。
第5回:組織行動マネジメント I
・以下の内容について学びます:行動コンサルテーション、行動の焦点化、コーチング、パフォーマンスフィードバック。
・じぶん実験の記録をグラフとして視覚化します。
第6回:組織行動マネジメント II
・以下の内容について学びます:大規模な介入、学校コンサルテーション、PBIS。
・じぶん実験の記録をグラフとして視覚化したデータの読み取り方を学びます。
第7回:シングルケースデザイン法
・以下の内容について学びます:反転法、多層ベースライン法、条件交替法、基準変化法、社会的妥当性。
・じぶん実験の記録から、自らの行動を制御している変数をABC分析で見つけることを学びます。
第8回:広告と消費者行動 I
・以下の内容について学びます:ブランド価値、選択反応、対応法則、遅延割引。
・じぶん実験で介入計画を立てます。
第9回:広告と消費者行動 II
・以下の内容について学びます:「意味」や「理解」が行動の原因としては不適切な理由、関係性のタクト、刺激等価性、反射律、対称律、推移律、等価律、般化、意味による般化、刺激クラス。
・じぶん実験で介入計画を実施します。
第10回:“記憶”の行動分析学
・以下の内容について学びます:感覚記憶、刺激性制御、遅延見本合わせ、問題解決行動。
・じぶん実験で介入の効果を視覚化し、検証します。
第11回:行動的コーチング I
・行動的コーチングの演習を行います。
・じぶん実験の結果から制御変数にいて考察します。
第12回:行動的コーチング II
・行動的コーチングの演習を行います。
・じぶん実験の結果から制御変数にいて考察します。
第13回:“動機づけ”の行動分析学
・以下の内容について学びます:マズローの欲求の階層説、弁別刺激と観察反応、確立操作、強化スケジュール。
第14回:プレゼンテーションとまとめ
・じぶん実験の結果を発表します。
・じぶん実験のレポートを作成し、提出します。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回、「じぶん実験」に関する課題を出します。教科書を読みながら課題に取り組んで下さい。最終的に「じぶん実験」の結果を授業内で発表し、レポートにまとめて提出して下さい。本授業の準備・復習時間は、それぞれ平均2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
○『使える行動分析学—じぶん実験のすすめ—』島宗 理(著)2014年 ちくま書房
○『ワードマップ:応用行動分析学』島宗 理(著)2019年 新曜社
参考書References
○『人は、なぜ約束の時間に遅れるのか—素朴な疑問から考える「行動の原因」—』島宗 理(著)2010年 光文社新書
○『行動分析学入門』杉山ら 1998年 産業図書
○『行動の基礎—豊かな人間理解のために—』小野浩一(著)2016年(改訂版)培風館
他にも、適宜、紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
○毎回授業内で提出してもらう演習のワークシートもしくはクイズを採点し得点化します。配分はじぶん実験に関する課題が最終レポートを含めて50%、その他の授業内課題が50%です。但し、最終レポートを提出しないと成績はつきませんので注意して下さい。
○授業を欠席したときには授業内課題を補完するレポートを書いて提出してください。学期内6回まではこのレポートの得点で授業内の課題得点を補完できるものとします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
(2020年度の授業改善アンケートより)
高い評価をいただきました。ただ,例年に比べると,学期当初の履修登録者のうち,最後まで授業に参加した人の割合が低く,授業改善アンケートの回答率も低かったので手放しでは喜べません。
脱落率が高かった原因を推測すると,コロナ禍対応で教科書を採用し,専門性が高い内容を扱ったことと,通常時なら他の受講生と話しあい,助け合いながら進められるじぶん実験に,そうした共助の仕組みがなかったことでしょうか。
とはいえ,実は通常時の授業では教科書や参考書もないような専門的な内容を取り扱っている授業でもあり(“記憶”や“理解”を行動分析学から解釈するなど),学問的な目標を低くするのも妥当とは思えません。となると,受講生同士の共助を支援する仕組みを導入するということになりますね。来学期はそうしてみようと思います。
その他の重要事項Others
○本授業は「行動分析学」を単位履修後に受講して下さい。
○本授業では、行動分析学の専門家として企業や学校、自治体などにコンサルテーションを提供している担当者がその経験を活かした講義をします。
○オフィスアワーは春学期は金曜日の4限、秋学期は火曜日の2限、場所は研究室(富士見坂校舎6F9号室)です。