文学部Faculty of Letters
LIT200BC(文学 / Literature 200)編集理論B編集理論B
福江 泰太Yasuta FUKUE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2710 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night | 夜間時間帯 |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Through learninng the history of books, I show you the book of the future.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
紙も印刷術も存在しない時代の書物作りから現代のweb空間でのテクストまで、書物の歴史を概観し、旧来の書物制作者から「近代的編集者」がいかに特化し誕生したかを考察します。またテクストと編集行為との関係、さらに加速化するネット社会における新たなテクスト状況についても概観します。
到達目標Goal
編集理論Aで対象とした現代の書籍や雑誌は決して最高の到達点ではありません。むしろ切り捨ててしまった面や退化したところも多くあります。書物の姿は時代とともに変遷します。書物制作の歴史を学ぶことにより、書物がそれぞれの時代に提示してきた「豊饒さ」を新たに認識し、編集という行為の歴史的・文化史的意義を学び、同時に電子書籍をはじめとした現代のweb空間におけるテクストのあり方も考えます。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
書物制作の歴史を西洋・東洋ともに概観します。また電子書籍やweb空間での新たな問題も考察します。DVD視聴や可能な限り、パピルスや羊皮紙、中世写本やインキュナブラの零葉、和本や明治期の特殊な製本様式による書物など「原物」に接するようにします。授業ごとに感想や疑問点を書いてもらいます。次の授業でそれを反映させます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:書物におけるアナログ/デジタル
なぜ今書物の歴史を学ぶことが大切なのか、その意義を考えます。
第2回:紙以前の書写材料
パピルス、羊皮紙、バイラーンなど、紙以前の資材とそれによって作られた書物について考察します。
第3回:紙の発明とその伝播
紙はいかに作られたのか、中国から西欧への伝播と、東西での製紙法の差を概観します。
第4回:書物の形態考
巻子本と冊子本(コデックス)を中心に、様々な書物の「かたち」を紹介し、書物の「かたち」が読書という行為に与えた影響を考えます。
第5回:日本・東洋の書物史1
百万塔陀羅尼から写経、摺経、写本の時代を考察します。
第6回:日本・東洋の書物史2
膠泥活字、木活字、銅活字、鉛活字による中国・朝鮮・日本の古活字の時代を考察します。
第7回:日本・東洋の書物史3
浮世草子をはじめとした近世の書物制作と、書物問屋という出版制度を考察します。
第8回:西洋の書物史1
グーテンベルク以前の、ギリシア・ローマ時代の書物制作、中世の写本文化を概観します。
第9回:西洋の書物史2
グーテンベルクの印刷術の発明とその影響、ルネッサンス、宗教改革、大航海時代の書物のあり方を概観します。
第10回:西洋の書物史3
産業革命以降の書物制作で、ウィリアム・モリスの「プライベート・プレス」の試みとペーパーバックスの誕生について概観します。
第11回:画像表現の歴史
手書きによる挿画、版画の利用、写真の印刷への応用というヴィジュアル・コミュニケーションの変遷を考察します。とりわけ「写真」の果たした役割を考えます。
第12回:日本における近代書物の誕生
整版から鉛活字による組版、和本から洋装本へと移行する明治の20年間の書物制作者のさまざまな試みを考察します。
第13回:出版と書物の大衆化
大正末から昭和初めの円本ブーム以降、戦後の流通革命、印刷・製本技術の革新により、書物が一気に大衆化していったことの意味を考え、現在の書物の姿の根拠をとらえます。
第14回:電子書籍とweb空間
テクストが紙媒体であることを脱ぎ捨てようとする現代、そこでは編集という行為はどうなっていくのか、その意味を考えます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
古今東西のさまざまな書物の姿を、図書館等にある図録を利用して調べてください。書物の歴史については、日本史、世界史の知識が背景として必要です。授業内容に該当する時代については、事前に歴史的背景を学習しておくこと。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
随時コピーを配布します。
参考書References
随時紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業への参加姿勢50% 期末のレポート内容50% を併せ成績の評価とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
講義形式ですが、議論しあえる自由な雰囲気の授業にしましょう。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
随時DVDを視聴します。
その他の重要事項Others
編集理論ABの通年履修が好ましい。
「実務経験」大学在学中より編集の世界に携わり、學藝書林、小澤書店、集英社「青春と読書」編集部等を経て、2000年より編集事務所を主宰し、現在に至る。編集の現場で起きている問題を素材に、編集の困難と可能性について、受講生とともに考えていきたい。