文学部Faculty of Letters

西洋の近代哲学思想の歴史を入門的に学びます。秋学期は、西洋の18世紀のカントから19世紀末のニーチェに至るまでの主要な思想家たちの思想を取り上げます。そして哲学者たちが何を問題としたのか、そしてその問題にどのように答えたのかを考察します。目標は、西洋近代の思想史を視野に入れて、西洋近代文明がもつ意味や、抱える諸問題について、これまでよりいっそう深く考察できるようになることです。

（１）［知識］西洋近代の諸哲学思想についての基礎知識を得る。
（２）［態度］人間、社会、世界、自然、宇宙、神などについて、西洋近代の哲学思想の観点も入れて考える態度を養う。
（３）［技術］近現代の文明の諸問題について、西洋近代思想に照らして考察し文章で表現する力を身につける。

ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連

日本語 / Japanese

授業はプリントを配布してプロジェクターを用いる講義です。毎回の課題プリントの提出が課せられます。プリントに疑問や感想を書くことができ、適宜之に対する応答がなされ、理解を深めることができます。授業の初めに、前回で提出された課題プリントについての気づきを、フィードバックします。

なし / No

なし / No

秋学期

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：カント（１）

(1)コペルニクス的転回、(2)アプリオリな綜合判断、(3)現象と物自体、など

第2回：カント（２）

(1)仮象、(2)アンチノミー、(3)理念の統制的使用、など

第3回：カント（３）

(1)定言命法、(2)目的の国、(3)最高善、など

第4回：フィヒテ

(1)カント哲学の発展的継承、(2)自我と非我、(3)無神論論争、など

第5回：シェリング

(1)自然哲学、(2)同一哲学、(3)神の実存、など

第6回：ヘーゲル（１）

(1)カントからの自立、(2)フィヒテ、シェリングからの自立、(3)弁証法、など

第7回：ヘーゲル（２）

(1)精神の現象学、(2)論理学、(3)法哲学、など

第8回：ショーペンハウアー

(1)根拠律、(2)意志と表象としての世界、(3)ペシミズムと解脱、など

第9回：キルケゴール

(1)アイロニー、(2)実存の三段階、(3)絶望と信仰

第10回：ニーチェ

(1)主知主義の批判、(2)超人、(3)ニヒリズム、など

第11回：フォイエルバッハ、マルクス

(1)神学の本質は人間学、(2)マルクスの近代市民社会批判、(3)史的唯物論、など

第12回：ベンサム、ミル

(1)功利主義、(2)ミルの功利主義と経験主義、(3)自由論、など

第13回：コント、スペンサー

(1)実証哲学、(2)社会有機体説、(3)社会進化論、など

第14回：18世紀末～19世紀末の西洋思想

(1)人間、世界、神
(2)対立する諸思想

本授業の準備学習・復習時間は、各２時間を標準とします。
プリントや参考書などによって授業内容の復習をし、必要に応じて思想家の原典も読み、次回の授業のテーマと内容については参考書で関連箇所を調べて読んでおくこと。

近代西洋哲学史についての書物で自分に合ったものを使用してください（参考書欄参照）。授業時にはプリントを中心に用います。

基礎的なものとしては、近現代に関しては野田又夫著『西洋近代哲学史　ルネサンスから現代まで』（ミネルヴァ書房）、古代から現代にわたっては岩崎武雄著『西洋哲学史（再訂版）』（有斐閣）があります。詳しいものは『哲学の歴史』７～９巻（中央公論新社）や宗像恵／中岡成文編著『西洋哲学史〔近代編〕』（ミネルバ書房）、西洋哲学史全体にわたるものでは、岡崎・春日部・中釜他著『西洋哲学史』（昭和堂）などがあり、またテーマ史的には、たとえば大東・奥田・菅沢・大貫編『自然と人間』（梓出版社）があります。その他にも入手しやすい新書や文庫をはじめ、基礎知識を前提とした高度な参考書まで数多くあるので、必要に応じて用いてください。

（１）毎回の参加態度、および提出物で確認された到達目標達成度
（２）秋学期末に行う試験によって確認された到達目標達成度
（１）を70％（２）を30％の配分として総合的に評価します。

口頭での説明を明瞭な発音で、ゆっくり分かりやすく行うようにする。