デザイン工学部Faculty of Enginneering and Design
ELC300ND(電気電子工学 / Electrical and electronic engineering 300)システム工学Systems Engineering
森 健一郎Kenichiro MORI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | デザイン工学部Faculty of Enginneering and Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | B3812 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期後半/Spring(2nd half) |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4,火5/Tue.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | 選択必修 |
入学年度Admission year | |
カテゴリー(2023年度~)Category (2023~) | |
カテゴリー(2019~2022年度)Category (2019~2022) |
システムデザイン学科 専門科目 展開科目 |
カテゴリー(招聘学科)Category | SD |
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Outline (in English)
Systems engineering is a multi-disciplinary approach towards the successful creation of systems. A system consists of various related elements and combines different engineering fields. In modern society, we cannot survive without large-scale systems such as information communication, production, distribution, electricity, gas, water supply, aviation, space, railroad, finance, corporate organization etc.
In order to actually design and construct these systems, we start with the requirement definition and follow the stages of hardware design, software design, construction, verification etc, before finally arriving at system operation. In order to systematically advance through multiple stages, it is necessary to have advanced abilities at developing a model of the system and utilizing scientific methods. Both academia and industry need flexible capabilities to design and build a system of systems such as Society5.0 in Japan, Industrie4.0 in Germany, Digital Transformation, Digital Twins and Cyber Physical Systems from scratch. Now, it can be said that learning systems engineering is an indispensable item.
In this course, we aim to understand the procedure for designing and constructing the systems, and learn basic techniques to utilize systems engineering in the real world by practicing various methods.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
システム工学は、システムを成功裏に実現するための複数の分野にまたがるアプローチおよび手段である。1つのシステムは様々な要素と要素間の関係によって構成され、異なる工学分野の集合体といえる。現代では、情報通信、生産、流通、電力、ガス、水道、航空、宇宙、鉄道、金融、会社組織などの大規模システムなしでは、私達は到底生きていくことができない。
これらのシステムを実際に設計・構築するためには、要求定義に始まり、ハードウエア設計、ソフトウエア設計、構築、検証等のステップを踏んでいき、ようやくシステム運用の段階となる。いくつものステップをシステマチックに進めていくためには、そのシステムのモデルを作成し、科学的手法を活用できる高度な能力が求められる。学術・産業界の両方で求められているのは、日本のSociety5.0, ドイツのIndustrie4.0, Digital Transformation, Digital Twins, Cyber Physical SystemsなどのSystem of Systemsを、一から設計し構築できる柔軟な能力である。時は今。システム工学の習得は必須のアイテムと言えよう。
本授業では、システムを設計構築するための手順を理解し、いくつかの手法を体験することで、実社会においてシステム工学を活用するための基本を習得することを目的とする。
到達目標Goal
1.システムを設計、構築、実施・検証するための基礎的な手法を理解している。
2.ダイナミックシステムや確率システムの数理モデルが説明できる。
3.手法の図やモデルを使って、システムの構造、機能、性能などを把握できる。
4.実社会で使われるシステム構築のための基本的な考え方ができるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デザイン工学部システムデザイン学科ディプロマポリシーのうち、「DP1」、「DP2」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
主に講義形式で実施するが、授業時間内に演習も行う。システム工学の理論は、数学や物理学を応用・展開することが多い。そこで、理解を深めるため、できるだけ具体的なシステム事例を紹介する。基礎的な手法については、演習課題を与え、簡易な実際のモデル化を体験する。演習課題を通じて、理論と実際の両面からシステムの本質をつかみ、システムを考える力を養うことができる。
システム工学では、問題を発見し、課題を設定し解決するスキルが重要である。しかし、問題に対する「正解」がないこともある。具体的な境界条件や制約条件を明らかにして、代替案を考え出し「最適解」を求めていくような基本的な演習を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:システム工学とは何か
複雑な人工システムを最適に設計し、構築するためには、問題を発見、課題を設定し、解決するプロセスが必要となる。それらのプロセスは、イノベーションの基本となる。なぜ、システムの視点や考え方が重要なのかを理解しよう。
2:システムの計画と評価
システム設計・構築を行うための手順、ライフサイクルマネジメントについて概要を理解する。プロジェクト計画とシステムの評価の各手法について学ぶ。
<課題演習(1)>
3:システムの要求定義
利害関係者の要求からシステム要求を作成し、システムの機能を分析する。システム要求では、システムが提供すべき機能と、システムが備えるべき性能、コストなどを定めることを事例で理解する。
4:システムアーキテクチャの構築
システムの機能・構造の考え方を学ぶ。目的に応じて、システムの図的な表現によってモデルを作成する。挙動については、状態遷移図を作成することにより理解を深める。
<課題演習(2)>
5:システムの安定性
システムを安定にする制御の基本となる考え方がフィードバック制御である。システム制御を表現するためにブロック線図とシステムの伝達関数を導入し、フィードバック制御によるシステムの安定性を解析する。
6:システム制御のモデリング
フィードバック制御器の1つとしてPIDコントローラのモデルを学ぶ。実際の倒立振子装置のシステム制御をモデリングしてみる。
<課題演習(3)>
7:システムの安全性
システムの安全性の概念の1つであるフェールセーフについて理解し、これを論理的・物理的なシーケンス制御システムとして設計・実装する。
8:モデルベース設計手法
システムモデルから、詳細設計を行い、制御プログラムを自動生成をする手法について理解する。実際の生産設備やロボットシステム制御を、映像や3次元シミュレーションモデルで視覚的に学ぶ。
<課題演習(4)>
9:確率システム
様々な事象に対して、確率的なルールを定義することでモデリングする手法を学ぶ。正規分布など各種分布の特徴や確率過程の基本について理解する。
10:統計的データ解析
Internet of Thingsによるデータ解析では、統計解析モデルが使われる。相関関係と因果関係の違いなどの基本的な考え方を学ぶ。機械学習による異常検知のモデルを事例で理解する。
<課題演習(5)>
11:システムの信頼性
信頼度や故障率を確率モデルで表現し、評価することを学ぶ。部品やサブシステムの構成により、信頼性を向上させる方法を理解する。
12:信頼性解析
システムの故障の原因やその影響を、システマチックに追及する方法として、FMEA、FTA、およびリスク分析の手法を理解する。
<課題演習(6)>
13:ネットワークの性質
ネットワークとは、ノードとリンクによって構成されるシステムのモデルである。大規模なネットワークの特徴量を抽出することで、システム全体に現れる性質が把握できる。
14:ネットワークの構造
ネットワークの局所的な性質に着目し、構造がどのように構成されているかを学ぶ。ネットワークの様々なモデルについて概観し、実社会のネットワークがどのような特徴を持つかについて理解する。
<課題演習(7)>
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業の中でいくつかの課題演習が出されるので、自分の手で書き、自分の頭で考えることで、簡単なモデルを設計したり計算してみること。授業時間内では完成しないので、提出期日までの宿題とする。(次週の授業開始時に提出。期日厳守。)
将来、皆さんが社会人となったときに、手と頭を使って考えたことは、簡単に思い出すことができるので、とても役立つ。提出された課題レポートは講師が採点評価し、フィードバックを行うことで学習をさらに深めることができる。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使わない。授業に必要な資料は配布する。
参考書References
機械工学便覧「生産システム工学」日本機械学会(2005年)丸善
橋本、石井、小林、大山共著「Scilabで学ぶシステム制御の基礎」(2007年)オーム社
室津、大場、米澤、藤井、小木曽共著「システム工学 第2版」(2006年)森北出版
大橋、鳥海、白山共著「システム理論Ⅱ」(2016年)丸善出版
成績評価の方法と基準Grading criteria
1.授業に対する意欲・態度などの平常点を重視して、それに提出された課題演習の得点を総合して評価する。(期末試験はなし)
2.平常点は、授業への出席状況や質問票の提出を反映する。
3.成績評価は100点満点とし、平常点と課題演習の得点は各50%の配点とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
モデリングのために数式を使うこともあるが、丁寧に、かつ、できるだけ学生にとってわかりやすいように講義をすすめていく。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
1.パソコンでExcelやシミュレーションソフトを使うので、授業に持参すること。
2.講義に使用するプレゼンテーション資料は、授業支援システムからダウンロードすること。
3.課題演習は、授業支援システムからダウンロードすること。
その他の重要事項Others
メーカーの研究開発・商品開発部門に、35年を超える勤務経験のある教員が、実社会での多数のシステム設計および開発プロジェクト遂行の経験に基づき、システム工学の基礎を講義する。